冬桃ブログ

2日連続 幕末へタイムトリップ

 明治座へ「ふるあめりかに袖はぬらさじ」
を観に行ってきた。
 有吉佐和子原作のこの戯曲は、水谷八重子、
坂東玉三郎などで演じられているが、
今回は太地真央主演のミュージカル仕立て。



 背景は幕末の横浜・港崎遊郭一の妓楼である岩亀楼。
 亀遊という花魁が自害する。
 この事件が瓦版で脚色されて評判になるや、芸者お園が、
さらにおもしろおかしく語りたて……という筋立て。

 プログラムに港崎遊郭についての文章を
依頼された関係で、劇場へもお招きいただいた。

 まあ、太地真央さんの上手いこと!
 すごい長台詞を朗々と語り、緩急自在。
 コメディエンヌぶりもいかんなく発揮。
 おおいに笑った。
 やっぱり大スターだわねえ、この方は。

 ただ、どうなんだろう。
 原作が有吉佐和子さんだから、私あたりが
ごちゃごちゃ言うことはないのだけど、
刀を差し、攘夷派の浪士であることを
隠そうともしない一団が、こんなに堂々と
外国人客の多い岩亀楼に出入りできたのだろうか。
 「関内」というのは各所に「関門」が設けられて
いたところからきた通称で、刀を持つもの、
攘夷派の浪士と目されるものは、ことに厳しく
取締の対象になった……と、書いたり話したり
してきた身としては、もう一度勉強し直さなきゃ、
と少々不安になった。

 そして翌日は宝塚。
 出し物は「幕末太陽傳」。
 これは1957年、フランキー堺、石原裕次郎などが
出演した映画(川島雄三監督)をもとにしている。
 「居残り佐平次」「品川心中」「三枚起請」など
有名な落語のさわりが散りばめられていて、
落語ファンにはたまらない。
 あ、「文七元結」も入ってるよね。



 主人公の佐平次を演じるのは、
雪組トップの早霧せいなさん。
 といっても、宝塚はまったくわからず、
某テレビ局のお招きだったのだが
わからないまま出かけていった。

 背景はこれまた幕末。
 こちらは品川宿の妓楼「相模屋」。
 そういえば港崎遊郭の岩亀楼を経営していた
岩槻屋佐吉は、品川宿の出だったねえ。

 で、こちらも攘夷派の浪士や遊女、
商人などが入り乱れてなんだかんだと事件が起きる。
 が、いろんな落語のストーリーが入っているせいで
落語を知らない人には、ちょっとわかりにくいかも。
 隣で観ていたテレビ局の方は「なにがどうなってるのか」
と、首をひねってらした。

 それにしても主役の早霧せいなさん、
やっぱりスターのオーラ満載。
 初めて見る私も、そのかっこよさ、美しさに見とれた。

 で、またひとつだけ文句をつけるけどごめんなさい。
 映画ではフランキー堺が見事にやってのけた
「空中羽織」(というのかどうか知らないけど)。
 羽織を宙にぽんと投げ、落ちてくるところへ
すっと両腕を通す。
 この時、両袖が、まるで物干し竿でも
通したかのように、まっすぐ水平になってたほうが
かっこいいんだけどなあ。
 逆に、襟のあたりを掴まれて、羽織を脱がされる時も
脱がした人の手に、羽織が人型のまま残ってたほうが
おもしろい。
 それがフランキー堺と比べていまいちだった。
 もっとも舞台だから、日によって微妙に違うかもしれない。

 なんだかんだ言いましたが、2日連続、
幕末、横浜、妓楼、落語と、好物が
たっぷり詰まった舞台へのお招き、
何よりの納涼でありがたかったです!
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