出る予定はあったのだがキャンセルしたし、なにせ
足腰が軟弱だから、へたに外へ出て転んだらアウトだし。
外出しないといっても、新聞や郵便物は一階まで
取りに行かないといけない。
マンションの廊下も雪まみれ。
屋内だというのに、手すりに掴まってそろりそろり。
夜の雪景色でも撮ろうと窓を開けたら、たちまち吹き込んできた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5e/18/bb039421e737aebd86d517d4d9beb283.jpg)
まあしかしこんなふうに動かないでいると、
人間、確実に惚ける。
先日、恐ろしいことがあった。
うちのポストは3つの数字の組み合わせで
扉が開く仕組みになっている。
ここへ越してきてから8年余りもたつが、
ほぼ毎日、なんのためらいもなく、そのダイヤルを回し、
新聞や郵便物を取り込んでいた。
ところが先日、ふと、「あの数字はどういう組み合わせだっけ」
と、考えてしまったのだ。
これがいけなかった。なぜか頭が混乱。え? え? え?
数字は三つともわかっているのだが、回す順番がわからない。
うそ! 今朝だってちゃんと新聞をとってきたのに……。
あわてて階下へ降り、ポストのダイヤルを回してみた。
こうだったよね、いや、開かない! じゃあ、これ?
違う! それじゃ、これは?
三つの数字をあれこれ組み合わせてみるのだが、開かないのだ。
いや、あれこれやるうちに、二度ばかり開いた。
だけど、どういう順番でやったか、それがわからない。
どうやら数字の組み合わせは、頭ではなく、手が記憶していたらしい。
8年間以上も、勝手に指が動いて開けていたのだ。
それをなまじ頭で考えてしまったのがいけなかった。
こんなことってあるのだろうか。
それにしても困った。このままではポストが使えない。
恥をしのんで管理人さんに言った。
「ポストの数字を忘れちゃったんです。解除して
新しい数字の組み合わせにしたいんですけど」
トランクの鍵にも数字の組み合わせになってるものがある。
ポストもあれみたいなものだろうと思ったのだが、
なんと違うらしい。
「新しい数字にするためには、鍵を作り直す必要があるんです。
4、5千円かかりますがいいですか?」
「そんなにするんですか?」
「前の組み合わせを管理会社に聞いてみましょうか?」
というわけで、あっけなく解決した。
教えて貰った順番は、即座にメモして冷蔵庫の扉に貼った。
それから数日間は、いつも頭で組み合わせを確かめてから
ポストを開けていた。
が、ここんとこ3回ほど、その確認を忘れ、
無心でポストに向かい、ダイヤルを回していた。
扉が開いてから「あ、いま、考えなかったのに!」と気がつく。
いやいや、だからってメモを外すのはよそう。
身体に「習慣」はある程度残るかも知れないが、
脳の働きはあきらかに減退している。
病気も怪我も困るけど、私は惚けていくのが一番怖い。
四日ぶりの散歩。公園には雪で折れた小枝が散乱。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0d/61/aeadf8315bd840782deb7754c148dc66.jpg)