冬桃ブログ

江戸の情報システム

 ああ、嬉しいなあ、クーラーをつけなくていい日!
 一ヶ月ぶりくらいかなあ、と窓からの風で深呼吸。
 そんな昨日、久しぶりに称名寺へ出かけてみた。
 正確に言えば金沢文庫へ。
 コロナで閉館していたが、ようやく展示も再開。

企画展「江戸刷り物品定メ~二代目金沢文庫長の秘策」


 ネットはおろかテレビやラジオもなかったけれど、
江戸には庶民のための情報源「刷り物」が溢れていた。
 北斎、広重といった有名浮世絵師の鮮やかな絵入りである。
 金沢文庫は仏教関係の展示が多かったから、これはとても新鮮だった。
 しかも、この企画展に限って撮影オーケーだという!
 検温を済ませ、入館。二階の企画展会場へ。

 昔の金沢区を描いたものは当然ある。
 埋め立てで海は狭くなったが、「金沢八景」
と賞賛された美しい景色は、こういう絵地図を
観るだけで容易にわかる。
 

 日本一有名な遊郭、江戸吉原の情報だって
ちゃんと知ることができた。


 横浜の港崎遊郭も、負けじとすごろく形式の案内を。


 お寺の和尚さんが書いたという寺子屋の教科書。
 昔の子どもはこんな難しい字で勉強してたんだねえ。
 日本が長い鎖国を解いて開国した際、欧米列強が
「産業革命もしてない小さな島国なのに、識字率が
どうしてこんなに高いのだ!」と驚いたそうだが、
秘密はこの寺子屋教育にあったのだ。


 戦時中、「貸出文庫」というものがあったことを
この展示で始めて知った。
 昭和44年、金沢文庫の須弥壇(仏像を安置する台座)から
おびただしい数の図書が発見された。
 これらの図書の一部は「戦時文庫」と呼ばれ、図書館の
普及を目的に全国規模で図書館、学校、青年団などに貸し出されたものだという。
 日中戦争が始まると国威発揚に役立つ本が推薦された。
 しかし敗戦を迎え、GHQの検閲が始まると、軍事色の濃い本は
当然、接収される。
 とはいえ時代を反映する資料として残さねば、と考えた金沢文庫では、
これらの図書を須弥壇の中に隠し、守ったとか。
 これは戦時中、「貸出文庫」を各地に運んでいた鞄。


 このように興味深い展示がいろいろあったので、
カタログを買って、うちでゆっくりじっくり観よう、
と、少し写真を撮りながらも思った。
 が、その時、ふと不安がよぎった。
 この展示に限り、特別に撮影を許可する、の後に
「その写真で自分なりのカタログをつくってみましょう」
 なんてことが書いてあったような……。
 
 当たったのよね、そのいやな予感が。
 300円の薄い冊子しかなかった、この展示に関しては。
 がっかりしたのでそれは買わず、かなぶんカフェで
温かいコーヒーを飲んで出た。
 でも、展示場もカフェも私一人でマスクいらず。
 申し訳ないほどくつろがせていただいた。

 猫もまったり。


 参道にあった「ふみくら茶屋」。
 一度入ってみたいと思っていたのに、
いつのまにかこれに変わっていた。


 うちのかぼちゃ。
 たよりない支柱を立ててみたものの、
もうこれ以上、どうしたらいいのかわからない。
 たわむれに種なんか埋めるから……。


 尺蛾の幼虫は、今日も忍者さながらの擬態で
せっせと山椒の葉を食んでいた。


 

 

 
 
 

 




 
 

コメント一覧

yokohamaneko
ミドリムシさん
 かぼちゃの花はまだのようですが、どこまで
伸びるのか、ひやひやしています。
 シャクガの幼虫は昨日、姿を消しました。
 土に潜って蛹になるそうですから、
山椒の鉢の中に潜っているのかもしれません。
ミドリムシ
Yokohamaneko様…かぼちゃが元気そうです。そろそろ…お花が咲く頃かな💕…尺蛾忍者もワイルドですねw w w…
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