冬桃ブログ

橋下発言

 なにせデビュー作の舞台が遊廓だったし、その後も
女郎に売られた女や風俗嬢だのを主人公にしたものを
何冊も書いたので、その類の資料はずいぶん読んだ。

 男性の書く遊廓は「ロマン」だった。
 女性の書く遊廓は「悲惨」だった。
 私は女だから、当然、女性が書いたものに共感した。

 いろんな意味でのリスクを覚悟した上で、
女性が身を売るのは、個人の勝手だと私は思っている。
 しかし、横浜の開港時をはじめとして、従軍慰安婦、
敗戦直後の慰安所、昔の赤線、青線の女性達に関しては
「悲惨」だとしか思えない。
 自分がそういう身になりたいかと問われたら、
絶対いやだと答えるだろう。

 しかし彼女達は嫌も応もなかった。
 食べるために、あるものは親に売られ、ある者は
強制的に連れ出され、ある者は絶望の中で
「苦界」へと足を踏み入れていった。

 ことに従軍慰安婦や終戦直後の慰安所における
資料を読むと、同じ女として怒りで体が震える。
 一人の女が、一日に何十人もの男を受け入れるのだ。
 いや、受け入れさせられるのだ。

 ある時、有名な週刊誌のデスクとして活躍したという
男性と食事していて、慰安婦の話になった。

 「ひどいと思いませんか? そんなことしたら、
女性の体がどうなると思います?」
 私がそう訊くと、彼は即答した。
 「そりゃ、いちいちイッてたらたいへんだろうけどね」
 もう、絶句するしかなかった。

 やはりマスコミ関係に従事している別の男性が、ある時言った。
「赤線を廃止したことは間違いだと思うよ。
あれは必要なものなんだよ。ないとレイプが横行するよ。
 うちにも年頃の娘がいるからさ。娘の安全のためにも
あってほしいよ」

 そういえば、横浜開港時も、敗戦時も「善良な婦女子を
強姦から守るため」という名目で、水商売の女性、貧しい
家の娘、被差別の娘などが集められたと聞く。

 金持ちだろうと貧しかろうと、男は男であるように
女も女なのだ。傷つく心と体を持っている。
 なぜそれがわからないのか。

 橋下徹氏の「慰安婦は必要だった」発言は、
男性側の論理として、そのとおりだと私も思う。
 認めるから、橋本さんは、ご自分の娘を
「必要な場所」に率先して差し出されたらどうだろう。
 

コメント一覧

冬桃
ありがとうございます。
http://members2.jcom.home.ne.jp/noa411/
 これじゃあ、万が一、ご当人の目に
触れたとしても「誰これ? 俺じゃないもんね」
になってしまいますね。
Unknown
橋下ですね。
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