1997年作の「大いなる遺産」
この映画は、劇場公開当時、観に行こうと思っていたのに機会を逃してしまった作品。
今回、はじめて観ましたが、タイトルから予想されたものとは違ったので、驚きでした。
大いなる遺産 [DVD]20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン 2008-10-24売り上げランキング : 11872おすすめ平均 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
フロリダに姉とその恋人ジョーと暮らす、絵の才能がある少年、フィン・ベル。
彼にはある脱獄囚の命を救ってやったという、秘密がある。ご近所の邸に住まう老貴婦人ディンズムア夫人に招かれ、姪のエステラの遊び友だちに。
淡い恋心を抱きながら成長したフィンだが、美しいエステラが去ってしまい、絵画への情熱もうしなった。
数年後、フロリダの漁師として暮らすフィンに、ニューヨークで個展を開けるという幸運なチャンスが舞い込んでくる。エステラをモデルにした絵の評判は上々。個展は成功を収め、満を持してエステラに求婚するフィン。
だが、エステラは婚約者と結婚してしまい、しかも思わぬ人物が姿をあらわす…。
さりげなくネタバレになりますが、「大いなる遺産」というのは、フィンがディンズムア夫人と脱獄囚ラスティングから受け取る養育費みたいなもの、と考えていいのでしょう。夫人は自己の復讐のために、若い恋人たちの運命を弄び、いっぽう死刑囚はこの世でたったひとりの恩人を忘れていなかった。
ただ、ラスティングが登場してからもっといろいろひと悶着あるような気がしたので、期待はずれでした。
子どものころは偏見なく困った人を助けた少年が、名声欲しさのあまり人生を脚色し、身内まで切り捨てようとするあたりは滑稽ですらありますね。
原作どおりに19世紀を舞台にしたお話のほうがおもしろかったようにも感じます。
過去に何度か映画化されているようなので、旧作も観てみたい。
冒頭の映像美には、酔いますね。劇中に使用されたのは、イタリアの画家フランチェスコ・クレメンテの作品。
主演はイーサン・ホーク、「恋に落ちたシェイクスピア」のグウィネス・パルトロウ。囚人役が「レナードの朝」のロバート・デ・ニーロ。
監督は「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」のアルフォンソ・キュアロン。
(2009年8月13日視聴)