陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

夏まつり一考

2008-07-16 | 自然・暮らし・天候・行事



休日は朝早く起きて写真を撮るのだとはりきっていたのも一箇月。さいきんはすっかり朝寝坊休日な管理人です。昨日はうっかり調子に乗ってシュミのブログ更新に終日ついやしてしまいました。ほんとうは先週ちゅう仕上げる予定だったレポートや新企画については、これから考案中です。ほんと締切が近づかないと重い腰があがらないダメなひとですね。

一週間のうちでいつが好きかといわれたら、やはり土曜が好きですね。連休の日はまる一日休めますので、たいがい一日中好きなことをしています。平日は定時で帰れたとしてもやっぱり気分がゆるんでしまいそうになるので、趣味ライフはしないようにしています。日曜はたいがい買い出しや明日の準備をしています。

さいきんはとても時間の使い方をかんがえるようになりました。
しかし、この時間でしあげると決めていましても、なかなか好事魔多しでうまくいきません。
(といいますか、ブログ書いていること自体、ムダなんですけれど。自分のライフワークみたいなものだと考えていますので、やめられません(苦笑))


今週末はこの記事で紹介した神社の夏恒例の祭りで、町内がにぎわっておりました。浴衣姿の女の子もちらほら。
今年も昼時にだんじり回しを拝見しました。昨年は違う事務所で玄関先を行き過ぎる男衆を見かけましたが、そのときと今とでは自分のこころの持ち様もずいぶんとかわりました。

私の故郷にも毎年おおくの観光客をよぶビッグなお祭りイヴェントがあります。それが催される商店街のちかくに実家があったのですが、違法駐車や露店のマナー違反、不法投棄が絶えなくて。私はお祭りというものにいい印象をいだいてはいないのです。家の商売が祭りとむすびついているわけでもないので、よけいによそごとのように思えてならない。観客と地元との視点の違いでしょうか。
こうしたイベントに対する醒めた視点はもしや生まれつきのもので。人に誘われなければ、だんじりも自分から観ないほうです。
祭り景色をカメラに収めようかとも考えたのですが、さいきんは人物をうかつに撮るとクレームがきますので要注意ですね。カメラ愛好家の方はけっこう苦労されているのではないでしょうか。

祭りがキライ理由にはもうひとつ。むかし、町内会で盆踊りの指導をうけた苦い思い出がネックなんです。厳しく指導されて、幼い自分は泣き出してしまい、参加を辞退しました。いまの怠惰はその頃から遍歴が…(苦笑)

数年前、ドライブに誘われた方の話。漁師町に住んでいるその男性の地元にも、ちいさな祭りがあって、それに参加することがいわばその地域で一人前とみとめられる証なのだそうです。これは男のひと独特の感覚なのかもしれませんね。若い肢体をさらして自分をアピールすることに恍惚を感じるという。(ちなみに私はナルシストなボディビルダーはあんまり好きじゃないです(汗)スポーツマンのように、こころの筋肉まで鍛えるのってむずかしいですよね)
私の父は祭りに参加するようなひとではなかったのですが、仕事着としてハッピを愛用していました。祖父は百年来とつづいた家の当主として、秋口になると檀家となっている神社に裃を着て宮入していました。

幾原邦彦監督も(『ウテナ』のDVDの解説かなにかで言及していたはずですが)、生まれの岸和田のだんじり祭りがおそろしくて、その参加義務をのがれたがいがため町を離れたいと望んだそうです。生まれ故郷でオトナになれなかった者は、永遠にピーターパンシンドロームで夢の国をもとめて放浪するのでしょうか。物語世界やネット上のセカンドライフなどの仮想社会はその願いを実現してくれそうな気がする。でも、それはほんとうでしょうか?

古来には元服の髪結い、帯刀など、身なりをあたらしくととのえ持ち物をあたらしくすることがオトナの仲間入りとされましたが。いまこれに変わるものってなんでしょうね。昨今社会問題化したので抑制傾向にある、携帯電話やPCの所有もビジネスツールではなく、子どもでもあたりまえ。おもちゃの楽しみは子どもだけのもではない。三〇代をターゲットにしたキャラクター商品やゲームは売れています。ちいさな大人、おおきな小人が共生し、儀式で区切られた世代境界はあいまいになっています。中年女性でも十代のような格好をされている方がいますしね。

だとすればいわば身なりや格好は、いまや大人の条件とはいえず。大人の条件とは、組織や社会に参画すること。もりあがり上手なこと。
家のひとりとして。村のひとりとして。会社のひとりとして。
かつて、自分はどこにも所属せずに、自由に生きたいと願ったことがありました。しかし、そのわがままな自由には、おそろしい孤独と不安、そしてリスクがともなうことを身をもって知ったのです。
祭りとはひとを集め、ひとを楽しくさせるものです。いいオトナは祭り好き、そういえるのかもしれませよね。
…で、自分はいつになったら、よいオトナになれるのかしらと。


(〇八年七月十三日 一考)


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