陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

昭和生まれの二次創作者にありがちな20のこと(上級編)

2023-05-28 | 二次創作論・オタクの位相

年季の入り過ぎた二次創作者には、平成っ子、令和ベビーが知らないとんでもない黒歴史があります。すでに取り返しのつかない領域まであと一歩まで足を踏み込んだヲタクは、二次創作者としての道をいずれスタートさせます。もうこうなると醒めるまで止まりません。今回はそんな上級編のお話です。


・幼児向けおもちゃを買ったことがある
私が十代のとき、セーラームーンが大ブーム。ヲタク友だちは親戚の幼児にかこつけて、ムーンスティックを買っていました。重症化した大きなお友だちは、絵柄がプリントされたインナーまで買い込んだそうですが…。さすがにこれには唖然としましたが、今では人気アニメの大人向けのブランド化粧品やら時計や宝石、下着やらまでがある始末。ちなみに私はアニメグッズは高くてお小遣いでは買えないので、あまり買わない派でした。

・なりきりチャットや掲示板にハマったことがある
人気キャラになりきって、他のキャラ役との対話を楽しむという仮想空間がありました。今でもツイッター上でキャラ名でひたすら台詞をつぶやくbotを見かけますが。あれと似たようで異なるのは、たまにキャラ崩壊のような中の人の素性がまんまと見えてしまったことでしょうか。キャラクターの行動は即興の舞台劇のようで、ロールと呼ばれ、掛け合いが楽しまれました。作品単独のみならず、複数のキャラが入り乱れたり、オリキャラとして参加したりと、敷居は低かったようです。今ではあまり見かけませんが、残っているのでしょうか。

・お菓子のおまけ収集コンプリートに励んでしまう
仮面ライダーカードやビックリマンチョコのシール集めに熱中するあまり、おまけ欲しさに本体のお菓子を捨てていた、というのが社会問題化した覚えがあります。たしかに食べ飽きる味ではありますが。ピザの箱に「マリア様がみてる」が描かれたなんてことも話題になりましたが。いまだと、キャラ絵の印刷なんてネット上で画像が出回るからありがたくもなくて、むしろ作品内の食べもの、あるいはイメージの創作料理がカフェでメニュー化されたりするわけですよね。お子様からお恵みしてもらった「鬼滅の刃」ぷっちょ、おいしかったです。

・ファンになった原作者や人気同人作家は、親よりもエライと信じてしまう
花形のスポーツ選手やアイドル、芸能人と同様、子どもにとっての感動を与えてくれた漫画家やアニメーターは憧れの存在でもありました。現在のサブカルチャーは純粋な子ども向けではなく、何かとどこか欺き、どこかで裏切るような、あざとさを売りにしていますが、子どもの頃の作品はもっと純粋に夢や希望を信じられたつくりだったと感じたのは思い出補正なのでしょうか。周囲の大人さえ教えてくれなかったことを伝えてくれた物語りの作者は、うっかりすると永遠の神様のように崇めてしまうことがあります。その場合は、うっかりクリエイターのSNSなどは覗かない方が賢明ですね。

・キャラクターの持ち物に近いグッズを身に着けてなりきる
今でいうコスプレという仕組みがなかったころ。たとえば、公式グッズがなければ、キャラのイメージカラーに近いアイテムを身に着けたり、近いような服装をしたりしてみたことはないですか。弓を武器にするキャラに憧れて弓道部入りしたり、懐中時計や伊達メガネを買ってみたり。それにしても、今では立派にコスプレ用の衣裳やらが販売されていたりするのにも驚きます。私は購入したこともないですし、着る予定もないですが。着物は見るのは素敵だけど、自分で袖を通したいとは思わないです。模造刀は抜いてみたことがあるけれど。どうでもいいですが、今はやりの2.5次元ミュージカルが、プロの俳優によるなりきりごっこに見えるのでなんとなく痛く感じるのは、昭和生まれらしいゆがんだまなざしの為せる業です。宝塚でも実写ミュージカルはあったのに、ですよね。


【二次創作者、この厄介なディレッタント(まとめ)】
趣味で二次創作をしている人間が書いた、よしなしごとの目次頁です。
二次創作には旨みもあれば、毒もあるのですね…。



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