今回は本好きさんの習慣にまつわるお話です。
読書家の皆さんは一箇月、および一年に読んだ本の量をだいたい把握されているはずです。本は多く読めば良いというものではありませんが、読まないに越したことはありません。
しかしながら、さすがに累計読書冊数1000冊を超える頃になってきますと、自分がいつ、どのような本を読んだのかわからなくなります。タイトルは思い出せても、中身までは記憶がぼんやり、なんてこともありますよね。
学生時代ならば、きちんと読書記録をつけていました。
そもそも研究論文の執筆用に引用せねばならないことが多いので、書誌情報をまとめておかねばならないからです。簡潔な内容まとめと、引用できそうな箇所をパソコン内に入力しておきます。この地道な作業があとで論文を書き下ろす際に生きてきます。いざテーマが決まってから探すよりも、日頃からいろんな分野に幅をひろげて読んでおいた下地が考察を深める時に役立つんですよね。脳の中に回路がつながっているんです。
実は10年ほど前まで、こうした作業を行っていました。
しかし、読んだところでブログ記事に引用できるのはわずか。自分の仕事や暮らしに活かせそうな知識の類ならデータ化しておいてもいいのですけれど。なにせパソコンを開かないと見られない。しかもパソコンを乗り換えるたびにデータ移動しなくてはならない。というわけで、いつのまにか諦めました。
つい2年ほど前までは、手帳の後ろにある罫線の頁に、めぼしい本のみ要約をまとめていたりもしました。とくにビジネス系やら自己啓発やらの本ですね。手帳は毎日持ち歩くものなので、暇なときにその頁を読み返してみたりして、新たな気づきを得ることもあります。
なお、こうしたわざわざ感想録を残すものは原則的に借りた本が多かったです。
自分の本ならば、直接書き込めばいいだけですし、付箋もメモも貼りたい放題ですから。
しかし、今年に入りコロナ禍であるので、一時期図書館にあまり通えなくなってしまいまして。
こうしたまとめ作業も面倒くさくなってしまいました。ワクチン接種が行き届き、図書館通いが再開しても借りたい本が山ほどあるので、ゆっくりと感想記録をつける暇もないほどです。
かつてはネット上の読書サイトにレビューがてら登録もしていましたが、だんだん、ログインが面倒になってきたのですよね。
あと、どうしてもそういうサイトを頼ると、おススメ本が出てきたりして、あれもこれもと借りたくなってしまいます(笑)。
よほどいい本ならば、むしろアウトプットがてらブログ記事に仕立て上げたほうがいいような気がしてきました。長くなってしまいがちなので、レヴューはあまり書かないのですが。でも、まあまあの本ならば、とくにわざわざネット上に記録するほどのことでもないように思われたのです。正直、再利用できそうな本のみの書評サイトを別アカウントでつくりなおしたいぐらいですし。
ですので、いま行っているのは。
図書館での貸し出し本のレシートを手帳にそのまま貼り付けてしまうこと。タイトル一覧と返却日が印字されていますので、貸出期間内での優先順位を決めた読書計画が立てられますし。手帳を開くことで他の自分のスケジュールも確認できるので、返却忘れも防止できます。
私の手帳は一週間見開き、日ごと一時間刻みのヴァーティカルタイプなのですが、読書の時間はその本のタイトルを書き込むようにしています。そうすれば、その本がどれくらいの時間で読み終えたかがわかります。以前は資格のテキストの単元や頁数を記録して、学習管理をしていたのですけれど。普段の読書でもそれをやると、スキマ時間を有効活用できているという実感が湧いてきます。手帳に読んだ痕跡を残すと、本の読み残しが少なくなってきたんですよね。
図書館のレシートは読み終えたら横線を引いていきます。
タイトル横に◎〇△×で評価をつけておきます。わからなかったものは?にしています。
以前は読書サイトで星の五段階評価をしていましたが、どなたかにいいね付けされたりしますよね。嬉しい反面、思想調査されているみたいだし、SNSっぽい感じであまり好きではなかったもので。
それと読書サイトにこれから読みたい本もどんどん登録していった結果、どれが読み終えた本なのか、買った本なのか、わかりづらくなってしまいました。つまらない本だった場合、かなりいじわるにレビューしたりもするので、精神衛生上よろしくありません。ただ、読書サイトは購入する際の検討材料にはできますけれども。
私は一年が終わると手帳の表紙に、その年内に主だった仕事や生活上の出来ごとを年表のようにまとめた表紙をつくっています。
たまに過去の交渉や手続きの履歴を振り返ることもあるために手帳を読み直すのですが、その際に、調査した資料としての読書記録があるのは便利なのです。あの時期、こんなことに迷い、知りたくて、この本を読んだのだなあとか。問い合わせをした際に参照にしたのはあの資料だったなとか。学ぼうとしていたことがどれくらい自分の地層になっているのだとか、そういう再確認ができるのが嬉しい。読んだけれども身につかずじまいだったことの反省も含めて。
レシートに◎をつけたもの、途中で挫折や時間切れだった本は、折を見て借りなおすか、自腹で購入するようにしています。そのためにも、手帳への図書館レシート集めはなかなか便利ですね。借りた本と買った本との区別ができるのがよいのです。
(2021/09/25)
読書の秋だからといって、本が好きだと思うなよ(目次)
本が売れないという叫びがある。しかし、本は買いたくないという抵抗勢力もある。
読者と著者とは、いつも平行線です。悲しいですね。