以前、とある士業事務所で総務事務(正社員)として働いていたときのこと。
デスクの中のファイルを何気なく覗いたらば。社内の従業員の学歴、資格取得歴、住所が記載された書類がありました。古い事業所ではよくありがちな話ですが、顧客どころか従業員の個人情報だって立派な保護対象。鍵付きの場所に保管すべきではないでしょうか。
昔とあるバイト先でも、社長が面接予定者の応募書類を見える場所に放置したり。
退職者の賃金ファイルなども5年間保存義務があるので、誰でも手に取れる場所にあったりします。最近は、人事総務部も派遣社員を期間雇用していますから、外部に情報漏洩のリスクが高まっているのではないのでしょうか。
以上は、他責的な個人情報漏洩リスクの話。
身近にありがちなのが世間話から洩れること。うっかり自分からプライバシーを明かすと、のちのち面倒なトラブルに繋がりかねないことがあります。とくに田舎でありがちなのが、家を探しに来られることですね。他人が住んでいる場所を確認して、溜飲を下げたいのでしょうか。
私は会社で働く人の私生活には興味がないので、そこまで詮索したい理由が皆目わからないです。ストーカーっぽくて、相当気持ち悪いですよね。
とくに異性同士だと配慮できるのに、同性になると、とたんに踏み込んでくる人が多くて、辟易してしまいます。
今回は、オフとオンとの区別をつけたい会社員が注意したいことを列記しておきます。
・LINEの友だち申請をしない
LINEグループをつくっている職場(とくに女性比率が高いサービス業系)はうっとおしいです。LINEで繋がるのと、友だちでいるのは別ですよね? LINEを知らないとか、スマホ使ってないとか、嘘をつくと、講師みたいに教えてあげると乗り出す輩もいます。勘弁してほしいです。無駄に時間を食うからやらないことリストにあげているだけなのに。
・SNSアカウントを教えない
居心地のいいブログやツイッター等を運営してる皆さん、絶対に職場の人には、教えないようにしましょう。あなたがじっくり育てた聖域を踏み荒らされます。嫌がらせされたり、興味本位で記事の内容を言いふらされたりします。もし職務上、SNSアカウントが必要なら、別途取得しましょう。
・ヲタクはカミングアウトをしない
好きな漫画やアニメ。布教したいのはわかりますし、推し活の友人をつくりたいのもわかります。ですが、趣味の切れ目はご縁の切れ目。プライベートまで付き合う覚悟があるならいいですが、嗜好で見解がわかれると泥沼の関係になります。アニメや漫画の話をふられても、スルーした方が賢明です。なお、私が絶対に近づきたくないのはゲーム狂の人です。
・学歴や職歴(勤務年数含む)を教えない
一定レベル以上の大卒者は短大・高卒かそれ以下が多い職場に行くと、仕事上で揚げ足取りをされます。また、地元の学校卒者どうしの場合、学生時代のことをネタにされることも。過去の勤務先は同僚や取引先関係者に在籍者がいたり、もしくは、嫌われている企業だったりする恐れもあるので、社名を控えて、業界業種職種を言う程度にとどめたほうが無難。
・健康、美容、医療、ダイエットなどの話題
女性ではマウント合戦になりかねない、とてもセンシティブな話題です。容姿にも関わる判断基準をほのめかすため、なるべく口にしない方がベター。あと化粧品などをススメてくるのも勘弁してほしいです。
・住まいの場所・家の規模を教えない
車で送ってあげると言われても、家から離れた場所で降りましょう。場所を聞かれても自治体名か最寄り駅ぐらいにとどめ、詳細な住所を洩らすべきではないです。
・お金の使い道や資産状況を洩らさない
普段、どんなものを買っているか。どこの銀行に預けているか。不動産をどこに持っているか。こうした情報はむやみに他人に与えると危険極まりないです。投資商品や保険などをゴリ押しされたときは、距離を置きましょう。きちんとしたFP等の資格者でないと、金融関連のアドバイスはできません。
・税金、社会保険等に関する情報交換をやりすぎない
確定申告の話をすると、うっかりその人の稼ぎやらが分かってしまうことがあります。知ってる情報だからとあれもこれもと知恵を与えすぎると、悪用されることがあります。とくに脱税まがいのことをやっていたり、公的医療や年金の保険料を平気で滞納していたりするような人間は要注意。
・家族や親族、友人・知人の自慢話、もしくは愚痴はこぼさない
とくに配偶者や子どもの勤め先や学校のこと。あるいは親の職業のこと。奥さんどうし、母親同士でマウント合戦になります。有名人と知り合いだとか、自分で努力して得たものじゃないものをアピールして何になるのでしょうか?
・会社以外で充実していることを明かさない
親戚付き合い、副業・兼業にしている個人事業、アフターでの趣味のサークル活動、休日の地域ボランティア。あるいはお気に入りの喫茶店通いや飲み屋の常連客仲間など。楽しく充実した想い出のことは、会社でも仲良くなった人に伝えたくなったりしませんか。
人間関係をひろげくなるものですが、会社の人間は会社だけの付き合い、そう割り切った方がのちのち、両方失わなくて済みます。
私は職場の同僚に、自分がいつも頼んでいる庭木の剪定師さんを紹介してあげたことがありましたが、私の家のことを聞きだされそうになってうんざりしたことがあります。ナントカのことで困っている、と言うのでアドバイスしたら、逆にいじわるをされたこともあります。私の言い方もよくはなかったのでしょうが、押し付けてはいないのに、不思議でした。なので、その人の様子をみてアドバイスをするようにしています。
職場で話題の中心にいたいあまりに、他のスタッフの個人情報を餌にして、話を盛り上げるような人は必ずいます。
もちろん、いい意味で評価を上げるように伝えてくれるならいいのですが。多くの噂好きは、たいがい、他人の評価を貶めることで、自分の評価を相対的に上げようと画策するものです。企業が業績悪化した場合、こうした印象操作でライバルを蹴落として生き残ることもあります。
馴れ馴れしく近づいてきて話しかけてきてくる人にはくれぐれも用心しましょう。
無駄な他人への好奇心は身を滅ぼす。ネット上でも事件事故ゴシップがあると、当事者のプライバシーをあれやこれや探して叩く風潮がありますが、時間を捨てているとしか思えないですね。
私も逆に親しくなりすぎて、あれやこれや、聞き出してしまい。
記憶力がいいものだから、いつまでも覚えていて、根に持ってしまったことがあります。とくにあの仕事をしていたからとかダメとか、あの学校を出ているから頭が悪いんだ、向上心なさすぎとか、本人の属性にからめて確証バイアスをかける癖があります。これは、相手先も同じなのでしょう。
ただし、ある程度、自分のことを話さないと組織になじめないのも事実。
同僚の故郷の話だとか、昔話だとかが、思わぬ人生のヒントになることもあり得ます。こちらの情報開示はなるべく少なくして、ほどほどに聞き上手になっておくのが、人間関係の秘訣なのかもしれませんね。
(2022/02/26)