近ごろ、往年の銀幕スターの看板番組を若手売れっ子アイドルにリメイクさせるというのが、いくらも流行っているのですが、このドラマもそんなところ。中居くんの「私は貝になりたい」よりは、香取慎吾はサマになると思うんだけど、どうも台詞回しが軽いんですよね。慎吾くんの太陽族スタイル、なかなか似合ってはいたんだけど、やはり裕次郎ドラマを復活するならば徳重聡を起用すればよかったのにねぇ。
時代は終戦間もない一九五〇年代。
関西電力は急速に需要を増すであろう電力量の創出を図るべく、黒部川ちかくにおおきな水力発電ダムの建設を計画。そのダムの工事には、日本アルプスのもろい岩盤を貫通するトンネルが不可欠だった。香取慎吾演じる倉松は、このトンネル工事を請け負う土建会社の班長。「美の巨人たち」の渋いナレーションでもお馴染み小林薫が演じたのは、関西電力の工事責任者滝山。
カーキ色の作業服を着た、ヘルメットの男たちが泥まみれで苦闘するという姿。なんとはなしに「風のなかのすば~る、星のなかのぎ~んが♪」という中島みゆきの歌声をBGMにしたくなる、人間ドラマ。女性観がいささか古めかしいのが難であるけれども、なかなか骨太な人間ドラマであったかと。
二夜放映のかなり大部なものでしたが飽きはこず、楽しめました。主演のふたりのそれぞれを巡る煩悶は、いろんな社会問題をはらんでいますよね。
しかし、深田恭子は、なんでかもうすっかりと汚れ役が板についてしまって(苦笑)
こういう一本気なドラマはあんまり最近観られないのでやっぱりリメイク流行りになってしまうのですが、今後とも観てみたいと思う。世代を超えて話題を共有できそうですしね。(石原裕次郎を語るマイ母上の熱さは異常(笑))
引退世代の懐古趣味だろうとは思いつつも、やはりこうした尽力があったおかげで、のんびりだらりと豊かな生活が送られているんだと再認識させられるわけです。
タイトルの「黒部の太陽」は、工夫たちがトンネルを貫通させて暗所にさしこんだ朝陽を言い得たものです。おおきな岩盤の向こうにある光を拝みたくて、尊い犠牲を払いながら、掘り抜いた努力。まさに彼らの血と汗が、半世紀経てもなお、現代日本を照らす太陽となっているわけですね。
コメントありがとうございました。
>説得力不足、もっと作業員の苦労を描くべきだと思いました。
現場で研削作業をおこなう作業員の労苦は、やはりセットに経費がかかるのであまりリアルに描けなかったのでしょうか。ハリウッド映画ならCGつかっちゃうんでしょうけれどね。
たぶんもっと犠牲者が出たはずですが、あまりそればかりでドラマを埋めても見るに耐えがたいからなんでしょう。主役の起用からして若い人に観てほしかったんでしょうし。
倉松班がわの恋愛、電力会社上層部の会議、そし滝山家の家族愛に比重がおかれていましたね。
>時代背景と人間の生き様がどれだけ描かれているかがこのような映画の醍醐味だと思います。
もとの石原映画は観たことないですが機会があれば。
視聴している横で、裕次郎とその奥さんのロマンスがあったとかいちいち解説してくれる母がうるさかったです(笑)
やっぱり軽い。
説得力不足、もっと作業員の苦労を描くべきだと思いました。
でもこんなものかな、ってとりあえず。
時代背景と人間の生き様がどれだけ描かれているかがこのような映画の醍醐味だと思います。
その点ではやっぱり慎吾ちゃんでは甘いかな~
もっと若くて優れた役者もいるはずなのに、って感じました。