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今回は、会社員あるある事情のうち、万人が思っていることを代弁します。
私は直接雇用と間接雇用、両方の勤務経験があります。
正社員や契約社員で月給制は、日給制もしくは時給制の派遣社員、パートタイムに比べると、休日の多い月はお得に思えます。二月や五月なんかは特に。しかし、こうした月給制の職場には、予期せぬ転勤や部署移動、サービス残業を暗黙の了解のうちに含む働き方をせねばならないことがあります。雇用確保するかわりに、会社都合に従えというわけですね。
もちろん月もしくは年間通じて、閑散期と繁忙期とがあり、ゆったり働ける時期はあります。しかし、新人の場合、覚えることが多いのにくわえ、不要な雑用を押し付けられやすいもの。おのずと時間内にこなせないので、早出をしたり、サービス残業をしたり、休憩時間を削って対応したり。
これは私の悪い癖だったのですが、時給制の派遣やアルバイトでも、勤務開始前の1時間以上前に出社したり、定時に書類が机に残されていれば処理して帰宅していました。ところが、片付けても、朝になったら勝手に書類が積まれている。誰かが気を回して持っていけばいい、FAX出力紙が置かれている。しまいには、机の近くに飲みかけの瓶や、インクの切れたペンまで。流しに行けば、掃除当番があるのに、みんなの飲みかけのコップはすべて私が洗うことになっていました。しかも、他部署にかかるべき電話がすべて、私のいる部門にどんどんかかってきます。電話にでるたびに、集中力が途切れとても苛つくのです。
なぜ、こんなことになるのでしょう?
それは、善意を利用されているからです。あいつは頑張っているアピールがうざい。経営者に気に入られている。こっちは残業続きで資格を取る暇もないのに、あいつは資格持ち。そんな悪意が感じられるので、こちらは殊勝に会社に貢献しようとします。しかし、それは経営者よりも、楽をしたい古株社員を喜ばすだけです。
サービス残業、早出をしようとも、休憩を削ってのノルマ達成しようとも人事評価は上がりません。それどころか、本業で成果を出せずに、無駄な仕事で時間を食っていると見なされかねないのです。
仕事を早く終えようとして、事務処理能力を高めようとも、雑談をしない黙々ワーカーには、暇さえあれば仕事をどんどん押し付けられます。生産性のない仕事は断る勇気が持てればいいのですが。
私はこれはいわゆる専門職に多い現象なのかなと思いましたが。
一般的な事務仕事でも同じでした。先輩連中はのんびり煙草を吸い、お茶を飲みながら仕事をこなしているのに、私だけなぜこんなに仕事があるのだろう…ふと悲しくなってしまいます。
私はある短期仕事のときに、このお人好しでひとりで抱え込む傾向を同僚に指摘され、思い切って、サービス残業や早出をやめてみました。すると、朝の時間に余裕が出ますし、昼休みも自由になります。資格の勉強をしたり、情報収集をしたりして過ごせます。必死に覚えていた業務ノートまとめをやめ、失敗してもいいやぐらいの気持ちで臨む。すると、本業のほうにも弾みがつき、ミスが少なくなり、そして上司からの評価も高くなってチームのまとめ役として頼られるようになりました。いま思えば、私の引きつった顔での過労ぶりは、周囲にとっての脅威だったのでしょう。
最近は、働き改革云々言われていますが。
従業員が望まないのに、まともな手当てがつかない残業を強いることには、厳しい目線が注がれています。くだらないルーティンワークは、作業の割り振りやITを駆使し、ペーパーレスを実現すれば、もっと効率よく働けるのに。不要な部門(たいがい経営者に近いお気に入りばかり集めている)に人員を置きすぎたり予算配分するのに、ほんとうに人手不足で面倒な業務が多い場所には、個々人のやる気と奉仕精神に依存している状況です。
私がこれまで心身共に疲弊して辞めた職場はみな、このパターンでした。
もし、自分のスキルや能力に自信があるのならば、安売りするのはやめて、奴隷のようにやりがい搾取するブラック企業とは、おさらばしましょう。早く帰りたいならば、遠慮せずに帰ればいいのです。昼休みに5分で早食いするような働き方をしていたら、確実に病気になります。
ぶっちゃけ、自分の将来の業績や評価につながる仕事ならば、多少予定オーバーで負荷をかけて作業してもいいですが。何の身にもならないような作業を全身全霊こなしたからといいまして、やってくれたほうがお礼を言ってくれたりするわけでもありません。だったら、多少は手を抜いてもいいわけです。会社の経営の根幹に関わらないようなことであるならば。
ただし、私も個人事業主歴がすでに10年近くになり、マイペースで働く癖がしみついてしまったので、会社員として組織の歯車にされる働き方になじめないのが、主因でもあります。
誰かのために時間を惜しまずに働きたいと思えるのが会社員。もし、その理想や気持ちの良さが崩れてきたら、その会社で働き続けられるか考え直してみてもいいのかもしれません。
時間をかければいい、ではなく、無駄な仕事は極力しない。
そして自分時間をつくりだして好きなことをする。他人に振り回されない。
これは私の個人事業主上のモットーでもあって、家族にも付き合いを制限かけて、一人になって自分をみつめる時間を大事にしています。
(2020/09/21)