陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

魔法少女リリカルなのはStrikerS 第二十話「無限の欲望」(前)

2007-09-27 | 感想・二次創作──魔法少女リリカルなのは


リリカルマジカルごきげんよう。
はやいとこですともう最終話が放映済みで話題沸騰な『なのはStS』ですが、当所はのんびり更新でまいりたいと思います。
では、二十話。今回の叫びをどうぞ。

脳みそが!脳みそが!脳みそがァ!
なのはさん×スバルがぁあああああああああ───ッ!!(悦)
そして、
なのフェ「愛のボタンかけ違い」第二弾(謎名称)キタぁあああああ─────ッ!!
(狂喜乱舞)


「無限の欲望」とはかの悪魔の科学者、J.スカリエッティの異名。
彼によって復活した聖者の舟、「聖王のゆりかご」
騎士カリムは預言の言葉の解釈が不十分だったため、このクライシスが回避できなかったとはやてに詫びます。
「未来なんてわからへんのがあたりまえや」と慰める、お優しい艦長席のはやてちゃん。
なんだか彼女はもうすっかりここいちばんの大黒柱たるクロノかリンディさん並みのポジション。やっぱ後衛で座して指揮を出す人なんですね。
クロノからの報告で、時限航空部隊と地上部隊も動き出したと、はやては知ります。六課だけでなく、大人数で戦う集団戦を想定し、人員配置を考えなくてはならない。指揮官もたいへんですね。

「ゆりかご」を大気圏に浮上させて、ふたつの月の魔力をうけ地上攻撃させるのが、スカの狙い。
ここでヴィヴィオの出自が明らかに。
彼女は、聖王教会が保管していた聖骸布からとりだされた遺伝子から人工的につくられた存在。数百年前になくなった古代ベルカ王のコピーだったんだと(驚愕)て、ベルカ王って女性だったんでしょうか?

う~ん、しかしすごいですねえ、この三期は(苦笑)
軍事ものにしちゃったのもそうなんだけど、聖書とか、神話とか絡めてきて物語の格式をやたら大きく高くみせています。
けれどね、それだけ、つまり設定だけが面白い物語ではないんですよ、『なのはStS』は。
今回の話は、このシリーズの醍醐味があますところなく盛り込まれたベストストーリーといってよいでしょう。
後半をみればわかりますので、お楽しみに。

戦闘機人の創製も、レリックの量産も、人造魔導師の生成も、レジアス中将と最高評議会が結託して、スカに支援をし、行ってきたもの。世界の平和と安全をまもり、正義を貫くためにとった方策が、いつのまにやら世界を脅かすものになっている。いつしも政治と権力のたどる矛盾です。
「ゆりかご」の稼働は評議会の意向を無視したスカの独断。スカは二番手機人ドゥーエに命じて、評議会の三頭脳を抹殺します。レジアスも政治的立場を危うくされ追い込まれている。これで事実上、スカがラスボスに。(ただしほんとの意味でのラスボスは、彼ですらなかったりするのですが…)もし、あのまま歪んだ上層部が生き残っていたら、それは武力でなく権力がらみの交渉戦になってくるので、いくら魔力のあるなのはたちでも太刀打ちできなかったでしょう。あっさり、黒幕が消えたのは面白みに欠けましたが、妥当な路線。それにしても、スカは過去二期作と比べましても、完璧なまでにダーク、ダーティ、デンジャラスと三拍子そろった3D悪役。どんなふうに、なのはたちに伸されるか、楽しみですな(笑)

スカリエッティ自体も、じつは機人だったようです(驚愕)
人造魔導師ゼストとルーテシアは失敗作と位置づける評議会。アギト、ガリュウもふくめたあの四人が、ナンバーズたちから距離を置いているのは、黒幕から見限られていたからなんですね。
評議会の三人は、旧暦時代に世界を平定した功労者で、時空管理局にその後を託したと。
彼らの目的は、自分たちが傀儡しやすい指導者を育てること。そのために協力した違法な生命操作技術。聖王ヴィヴィオはその成功例。いわば、自分の高貴な血をひく幼子を即位させて裏で糸を引く、摂関政治とか院政政治ですよね。しかし、「双六の賽と鴨川の流れと山法師」の例じゃありませんが、神にひとしい存在でさえ思うにならぬものはあるもの。彼らが御したものは、もはや机上の政治的駆け引きで事をすます三党首の手に負えるものでありませんでした。利用するはずが逆に裏切られ、悲惨な末路に。

しかし、このカプセルのなかで脳みそだけで生きてる図って、2001年宇宙の旅でしたっけ?なにかのSF映画を想起させるんですが。前回の冒頭(フェイトちゃんの美しいお顔がフルスクリーンで映されていたところ)で、クラシック曲をかけてるのも、意識してるんでしょうね。(『エヴァ』からの影響もあるんだろうけど(苦笑))生命操作によって身体の保管と蘇生が容易になると、人間は高度な知能だけが発達したグロテスクな生き物になっているっていう、おぞましい未来図。なんとなく、からだちゃんと動かして生きてないと、精神歪んでいくんだぞーっていう暗黙のメッセージなのかもしれないですね、とかく仮想世界に浸りがちな現代人への(自己反省)。

仮想敵としてはこの時点でスカ一味に的が絞られたのですが、はやてちゃんがいうように、複数の思惑がいりくんだ今回の一件。誰か一人の責任にして罪を負わせることはできないと。この発言からするに、極悪非道なスカでさえ命拾いはさせてもらえそうですね。まあ、もともと『なのは』シリーズは殺さずが信条のアニメなのですが。

で、地上部隊の協力を仰いだ六課のメンバーズは、三組に別れて戦うことに。
なのはとフェイトちゃんが離ればなれ~(泣)
十八話の夜のふたりの誓いはいずこへ?!
フェイトちゃんは戦局を別にするエリオとキャロを抱きしめてました。よりよって、悪の総本山、スカリエッティに直接対決するフェイトちゃん。でも、いくらなんでもみそっかすな子供たちに心配されちゃうのってどうかと(笑)フェイトちゃんって、日頃はきっと蚊も殺せないほど優しすぎるママンなので、あんなゲテモノ科学者に対抗できるのか、おとなびたお子様たちも心配なんでしょうね。

て、ここまで書いてきて私は思いました。ほんとにこれ、
生粋の魔法少女ものなのか?!と(笑)
ていいますか、もうなのは、少女じゃないし(禁句)

三期ってほんと前二作と比べると、たぶん「神無月」と「京四郎」ぐらいの差異がありますよね。
一期の後半で、いきなり巨大戦艦でてきたときもびっくらこきましたけどさ。
それとも、二十一世紀の魔法少女アニメはこうあるべきなんですかね?
ま、どうせ深夜アニメだし…。

【よくわからないまま、無駄に長くなったので後編につづく(もっと…簡単にまとめないか?)】


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