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「1000万戸の屋根にソーラーパネル設置」の政策に思う

2011-06-04 23:10:00 | ecology

 

自分なりに、代替エネルギーの課題を整理してみました。現在人類が実用もしくは研究中のエネルギー源を一覧すると、次のように分類出来ると思います。

化石燃料
石炭
石油
天然ガス
核エネルギー
原子力
核融合炉
太陽エネルギー
太陽光発電
シリコン
有機系
人工光合成
風力発電
波力発電
海洋温度差発電
その他自然エネルギー
水力発電
地熱発電
バイオマス発電

化石燃料はご存じの通り、石炭・石油については資源枯渇が秒読み段階にあることと、CO2排出源としての課題が避けられません。核エネルギーは、引き続き有望な次世代エネルギー源ではありますが、福島第一原発の事故によって安全性と総発電コストに大きな疑問符が付きました。そこで一躍脚光を浴びているのが太陽エネルギーの利用です。このうち、実用段階に入っている、もしくは入りつつあるのが太陽光発電と風力発電、と言って差し支えないでしょう。水力発電は歴史も長く十分実用段階にあるのですが、立地条件が限定的で、なおかつ設置に伴って環境への影響が大きいことが課題となり、大幅な利用の拡大は難しいのが現状だと思います。

日本の政府は、福島第一原発の事故の後、太陽光発電、とりわけシリコン太陽電池の大規模導入の方針を表明しました。この発表に対しては、そこまで対象を絞り込むことに対しては少々異議を感じます。というのは、現在実用化されているソーラーパネルは、まだ生産コスト、寿命、将来の廃棄物対策の面で課題が残っていると感じるからです。太陽光発電の方法はソーラーパネルだけではありません。ソーラーパネル自体にも、有機系と言われる次世代型の研究開発が進んでいます。そして、私が注目しているのは「人工光合成」と呼ばれる研究開発分野です。大変大雑把な言い方をすれば、「太陽エネルギーによって水から水素を作る」技術です。水素が出来れば、それを貯蔵可能になり、必要なときにいつでも効率よく燃料電池スタックで電気エネルギーに変換できます。

たしかに、脱原発へ向けて今すぐエネルギー源の切り替えを始めるには、今のところシリコン太陽電池による太陽光発電の利用が、風力発電と併せて一番実用的だと思います。しかし、政策的にその部分だけに大規模に予算を集中するのはいかがなものでしょうか?技術的にはすでに産業レベルに落ちているのだから、導入のための各種の規制緩和によって普及を促進すべきだと思います。製品の導入促進に使われた予算は、その製品の製造企業の製品開発こそ支援しますが、もっと幅広い技術開発には繋がりません。現実的には、中国製の粗悪な太陽電池パネルが大量に輸入・設置されて終わってしまい、十年もしない頃から変換効率低下、故障と漏電事故の多発、挙句に大量の廃棄ソーラーパネルの処理問題が残るでしょう。代わって、政府主導の大規模な予算を付けるなら、人工光合成のような研究開発分野を積極的に推進すべきだと思います。実はこの分野、夢のような次世代エネルギー開発ではなくて、日本の研究者が着実に成果を挙げつつあることを最近知りました。しかも世界ではもっと大規模に政府主導の研究が進められているにもかかわらず、日本の研究予算は2~3桁も少ない寂しい現状も知りました。

意外にいける? 太陽エネルギーを蓄積する人工光合成の現実味


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