この日、自宅で出かける支度をしている時、テレビのテロップに「東北地方で大きな地震、震度６の揺れを観測」のテロップが流れました。岩手・宮城内陸地震です。妻の実家は盛岡、一関にも親戚が住んでおり、今日のドライブの目的地も福島県なので、気になりながら続報を待っていました。もちろん、盛岡や一関への電話はつながりません。しかし、報道を見る限り市内で大きな被害が出ている様子はなく、高速道路の通行止め区間も福島飯坂IC以北ということで、とりあえず予定通りに週末の１泊ドライブに出かけることにしました。
朝９時半頃に横浜の自宅を出発し、子安ランプから首都高速横羽線に入って、一路常磐道を目指しました。梅雨の中休みの晴れ間に恵まれ、気温は２５度くらいのドライブ日和です。向島を過ぎた頃には交通量もグンと減って、３車線の高速道路はガラガラ。約２時間で順調に日立南太田ICまで到着しました。
今回のドライブの１つ目の目的地は、日立市。ここは妻が生まれてから小学校時代までを過ごした町で、私も以前より一度訪れたいと感じていたところです。まずはお腹が空いてきたので、レストランを探しながら日立市中心部へ向けて走っていましたが、結局日立駅前まで来てしまい、中心部の駐車場にクルマを入れて、すぐ横に見つけたベトナム料理レストラン「ランブータン」に入りました。
お腹を満たした後、日立駅前と、隣接する大型ショッピングセンター周辺のモールを散策しました。駅舎の建築は古いままの様でしたが、それ以外はすっかりきれいに再開発されていました。駅前から市の中心部へ向かうケヤキ並木、サクラ並木は、当時のままだそうです。
近代的に整備された、駅前の大型施設「シビックセンター」と「イトーヨーカドー」。しかし、人影はややまばら。
 対照的に、昭和時代からの平屋造りのままの駅舎。駅前広場には巨大な蒸気タービンの実物が展示。 |  駅前から国道６号へ続く平和通りの桜並木。 |
続いて、駅前からはクルマで１０分ほど離れた、妻が幼少時に住んでいた住宅団地へ向かいました。３階建ての公営住宅と企業の寮は、一部はすでに立て替えられていましたが、まだ当時のままの建物も半数以上残って空家になっているようでした。妻の旧家の前に着いてみると、その家は約３０年前に引っ越した当時のまま建っていました。表札も、その時に譲渡した方のお名前のままです。周辺にはポツリポツリときれいに立て替えられた新しい家もありましたが、多くは３０年前と変わらぬ佇まいの町並みでした。
 妻が小学校卒業までの幼少時代を過した家。 |  玄関扉や外壁塗装などの細部は改装されたものの、建物の構造は34年前から変わらない。 |
 太平洋を望む見晴らしにも、ほぼ昔のまま。気持ち良い見晴らしが広がる。 |  住宅団地中心の商店のうち１店は、現在でも変わらず営業していた。 |
次は、妻が通っていた小学校へ行ってみました。この日は地域の子ども会対抗の球技大会が行われていて、グラウンドでは野球が２面、体育館でもバレーボールの試合が行われていて、とても賑やかな校内でした。校舎と体育館は２年生のときに新築に立て替えられたそうで、建物の構造はそれ以来変わっておらず、校庭やプールも当時のままで、何となく妻の様子も嬉しそうでした。ただ、当時より児童数はだいぶ減っているようで、使われていない教室が多数あるようでした。
 よく手入れされて綺麗に管理されているが、校舎の構造は昔のまま。当時は１学年６クラスの大型校だった。 |  ３４年ぶりに訪れた母校の正門。 |
日立中央ICから再び常磐自動車道に乗って、４０分ほどでいわき湯本ICに到着し、カーナビに従って１０分ほどで今夜の宿泊地、いわき湯本温泉の「岩惣」に到着しました。夕食前に、まずは付近を一回り散策。
 三箱山勝行院の仁王門。 |  同、本堂 |  同、三重塔。 |
旅館は６階建てで、３階から５階が客室、１フロアには６室。浴室は最上階に展望大浴場があり、湯本の町内のほか、向かい山の炭鉱跡も望めます。温泉はほのかに硫黄の匂いが漂い、うっすらと白く濁ったかけ流しの浴槽は、かなり熱めであまり長くは湯に使っていられませんでした。サウナや露天といった設備はありませんが、い～い湯でした。さて、締めくくりは夕食。今が旬のカツオは地元小名浜の名産だけあって、他所とは違う「旨い！」と言わせるカツオでした。
