組み立てと取り付け位置調整が済んだSE7ENリブリーザーですが、進水式に備えて各種設定事項を確認するため、まずは火入れ式に臨みました。
まずバッテリーモジュールを充電台に差し込むと、すでにフル充電状態でしたので、そのままSE7EN本体に差し込んでみました。パドルと呼ばれるコンソールの液晶画面を見ていると、間もなく自動的にPower-on Self Test(PST)がスタートしましたが、ほどなく下の画面で止まってしまいました。
しばらく放っておくと自動的に電源offになるので、パドルの裏側にある2個の突起状の接点を六角レンチ(金属製なら何でも良い)で短絡させて電源を入れると、次のような表示が現れます。
この表示を見ると、SE7EN本体のファームウェアのバージョンが1.77であることが解ります。
このあともう一度、今度は8秒間続けて裏面の接点を短絡させると、最初の起動時と同じ様にPSTが始まり、やはり同じ画面表示で止まってしまいます。この画面はPSTのステップ9でエラー90が発生したことを表しています。マニュアルのエラーコード表を見ると、どうやら内蔵の時計が初期化されていない様です。メールでメーカーのサポート担当に問い合わせると、やはり「RB Configを使ってPCから時計を初期化して下さい」との返事が来ました。
そこでSE7ENユニットをBluetooth経由でPCと接続し、専用の機能設定ユーティリティソフトRB Configを使って設定します。RB Configはメーカーのホームページからバージョン1.28をダウンロードしてインストールしました。使用したパソコンはWindows 10搭載のタブレットPCです。Bluetoothのペアリングは難なく成功。ところがRB Configを起動してSE7ENユニットと接続したところ、画面の様子がちょっと変。マニュアルに書かれている接続時の表示内容とちょっと違うんです。とりあえずサポートからの指示どおりに"Set RTC clock"をタップしますが、何も手応えはなし。これで内蔵時計はリセットされたのだろうか?半信半疑のまま再びSE7ENユニットの電源を入れ直してみたが、やはり以前と同じくPSTのステップ09でエラーコード90を表示して止まってしまった。何も解決していない。
このあとサポート担当者と電子メールで数回やり取りしながら原因を探っていたが、詳しいやり取りは煩雑なので省略します。
結局RB Configの動作が怪しいので、サポート担当者から「ここからRB Config の1.4をダウンロードしてインストールし、試してみてください。」と、未公開バージョンの隠し玉を提供されて、試してみました。結果はビンゴ!問題は解決し、RB Configの画面上にはSE7ENユニットのコンポーネントがすべて表示されるようになり、ユニット本体の自己診断も先に進んでくれました。あとはタンクを付けて炭酸ガス吸収剤キャニスターを入れれば、きちんと動いてくれそうです。
RB Config ユーティリティ画面
SE7EN smoke test
さて進水式に臨む前に、もう一つやることがあります。e-moduleと呼ばれるモジュールは、呼吸するガスの酸素濃度を計測して調整する、言わばリブリーザーの心臓部と、ダイブコンピューターの機能を合わせ持ったもので、これの動作のための各種設定値をあらかじめ設定・変更出来るんです。一番わかりやすいのは、警告を出す最大水深や、潜水中の酸素分圧などです。
設定値の変更は、Bluetoothで接続したPCからRB Configを使って行います。
今回変更したのは、次の3点です。
(1) Counter lung volume → 6.2 L : 今回一緒に購入したPoseidon Rebreather BCD size Sのカウンターラングの容量に合わせます。
(2) RMV → 20 : 分時換気量。デフォルトは30L/分になっていますが、これは大柄な外人向け。体重70kgの私には20L/分くらいが適当でしょう。
(3) User max depth alarm → 18m : まだAdvanced OW Rebreather Diverの認定コースを修了していないので、OWでの最大水深18mで警告するよう設定します。
変更はせずに、特に設定内容を確認したのは次の点です。
(3) Deco enable → OFF : これがONだと減圧停止を許可するので、無減圧限界の警告表示が遅れます。
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さぁ、これで準備万端。
進水式が楽しみです。