今年2月下旬からのフィリピンへの旅行を控えて、諸々の準備を進めました。最近のCOVID-19の感染状況は日本国内もフィリピンでも比較的落ち着いていて、観光目的の旅行客でもだいぶ制約なく旅行できるようになりましたが、それでもコロナ前と比べたらさまざまな事前の準備が大切です。
1.ワクチン接種証明書
日本政府のデジタル庁から、スマートフォン向けのワクチン接種証明書アプリが無償提供されています。このアプリを自身が携帯するスマートフォンにセットアップしておけば、そのスマートフォンに自身のワクチン接種証明書が保存されます。
(1) ワクチン接種証明書アプリをダウンロードする。
デジタル庁が提供しているワクチン接種証明書アプリの詳細は、次のURLを参照してください。
https://www.digital.go.jp/policies/vaccinecert/
この中にダウンロードサイトへのリンクも記載されています。

(2) ワクチン接種証明書を発行する。
マイナンバーカードと、数字4桁の暗証番号を手元に準備します。
ワクチン接種証明書アプリを起動したら、画面の案内に沿ってマイナンバーカードを読み取って暗証番号を入力すると、ワクチン接種証明書が発行されます。
(3) ワクチン接種証明書をスマホ画面に表示する。
アプリのホーム画面には保存されている接種証明書の概要が表示されています。「詳細を表示」をタップすると、巨大なQRコードと共に詳細なワクチン接種履歴の証明書が表示されます。
(4)紙のワクチン接種証明書を印刷する。
詳細表示画面を一番下までスクロールすると、「この証明書を画像として保存」のメニューが現れますので、それをタップすると印刷される証明書のイメージが表示されて、その下の「画像として保存」をタップすると証明書のイメージのJPEG画像がスマホの画像保存フォルダーに保存されます。iPhoneの場合はカメラロールに保存されました。
この画像をA4サイズの用紙に印刷出力します。私はこの画像を、クラウドストレージを経由してWindows 11パソコンのPhotosアプリで読み出して、印刷しました。
2.海外旅行傷害保険
かつては国によっては入国時に医療保険の加入証明書の提示を求められたこともあったようですが、2023年2月現在、フィリピンへの入国に際してはそのような制約はないようです。しかし、旅行先でのアクティビティへの参加では引き続き医療保険の加入証明を求められることもあり得ますし、そもそもCOVID-19の流行は完全に終息したわけではないので、万一旅行中にCOVID-19に感染してしまった場合には、相応の医療費の負担に備えておく必要があるでしょう。
一般にクレジットカードには海外旅行傷害保険が付帯されていますが、この保険は、言ってみれば被保険者すなわちカード契約者が海外で死亡してしまった場合にカード会社がカード利用額を回収するための保険ですから、この保険に多くを期待するのは無理でしょう。旅行期間と渡航先を特定して、別途専用の海外旅行傷害保険を契約するべきです。契約先を選ぶ際には、渡航先の都市で利用できる診療所や病院が案内されていることを確かめることが大切です。
3.フィリピン入国&検疫事前登録 eTravel
フィリピンに入国するには、事前にeTravelサイトに入国者の情報を登録しておく必要があります。登録は次のサイトから、入国予定日の3日前以降に出来ます。
入国者のID、入国方法(到着便など) 、滞在予定、ワクチン接種状況など一通りの入力を終えると、次のようなQRコードが入った画面が現れます。この画面を紙に印刷するか、スマホで撮影していつでも画面に再表示できるように用意しておきます。
4.出発前PCR検査
私が今回旅行するフィリピンでは、ワクチン接種証明書があれば入国時の陰性証明書提示は不要となっています。しかし、渡航先のホテルなどでは、引き続きチェックイン時に直前の陰性証明を求める場合もあるようです。さらに自身の安心のためにも、日本を出発する直前にPCR検査を受けて、陰性証明書を携行するのが望ましいでしょう。
現在でも国内の多くの自治体では、居住者向けに無料でPCR検査もしくは抗原検査を実施しています。しかし、陰性証明書の発行には別途結構高額な手数料を求められることも多いです。検査自体はなるべく出発間近に受けることが望ましいですが、証明書を発行してもらうのにさらに時間がかかったり、証明書の受取りに窓口に出向く必要がある場合もあるので、どこで検査を受けて証明書を発行してもらうか慎重に選ぶ必要があります。しかも、便利な検査機関に限って混雑が予想されるので、事前の検査予約が欠かせません。
5.日本出発&フィリピン入国
私は2月24日に羽田空港からフィリピン航空機でマニラに到着して、フィリピンに入国しました。
マニラの空港ではターミナルビルのボーディングブリッジの前に駐機したにも関わらず、不思議なことに機体前方右側の扉にタラップをかけて、バスで別のターミナルへ連れて行かれました。おそらく国際線到着旅客の検疫と入国審査を一部のターミナルに集約しているのでしょう。
そこではまず、上記3で登録したeTravelのQRコードを提示するよう求められて、係員が専用端末でQRコードを読み取って登録状況を確認していました。eTravelのQRコード画面が緑色の場合はこの確認作業は一瞬で終わり、ほとんどの到着客はスムーズに次の入国審査へと誘導されます。
あとはいつもと変わらない入国審査と税関検査でした。
予約しておいたタクシーのドライバーと合流して空港近くのホテルにチェックインすると、そこではいつも通りのパスポート提示に加えて、ワクチン接種記録の提示を求められました。上記1の(4)で用意したワクチン接種証明書のプリントを提示して、無事終了。
なお、空港からホテルへのタクシーのドライバーはしっかりマスクしていましたが、車内にはパーティションなどはありませんでした。空港の雑踏や路上の歩行者は、半数以上がマスクしていたと思います。市内で市民の足となっているジプニーには、No Mask, No Rideとの掲示もあり、乗っている客もほとんどマスクしていたようです。