2泊3日で伊豆大島へダイビングに行って来ました。
水温は16~18℃、透明度は8m~15m。一日目と二日目はあいにく小雨模様でしたが、南西の風なので秋の浜には潜れるコンディション。しかし二日目は当初の予報よりも早めに北東風に変わりつつあり、朝から続けて二本を何とか潜れたという感じ。それでも二本目のエキジットは大きなうねりに揉まれて、なかなかハードなコンディションとなりました。
今回はリブリーザーでのダイビングに関連して二つの課題をクリアする、云わば自主トレダイビングです。リブリーザーの装備やリブリーザーを使ったダイビングの実際については興味ない方は、 ファンダイブの章 まで飛ばしてください。
まず最初の課題は、リブリーザー(CCR)モードでのScubaPro Galileo 2ダイブコンピューターの操作方法と動作の確認です。Galileo 2ダイブコンピューターではCCRモードがあって、セットポイント1とセットポイント2の二つの最大酸素分圧をあらかじめ設定できます。ここには使用するリブリーザーでの設定と同じセットポイントを設定します。ダイビングを始めるとリブリーザーは最初はセットポイント1の最大酸素分圧で呼吸ガスを調整しますが、深度に応じて自動的にセットポイント2の最大酸素分圧まで上げて調整します。しかしGalileo 2の方では、10m程度より深く潜降した時点でボタンを操作してセットポイント2に切り替える必要があるのです。
これまでもGalileo 2をCCRモードに設定してリブリーザーと共に携行していましたが、潜水中にはリブリーザーのディスプレイパドルの表示に注意を集中させていて、恥ずかしながらGalileo 2の表示は浮上中に減圧停止指示が出ていないか確かめる以外は見ていませんでした。今回はリブリーザーのディスプレイパドルと同じ左腕にGalileo 2コンピュータも取り付けて、エントリー直後から逐一表示を確認しながら潜ったところ、なるほど、水深5mほどに到達した時点で「セットポイント2 切り替え」という画面表示が現れました。この時点ではリブリーザーのディスプレイパドルの表示ではまだセットポイントは0.6だったので、まだGalileo 2のセットポイントは切り替えずにそのまま潜降を続けると、上記の画面表示は30秒ほどで一旦消えてしまいます。水深10mを超えてリブリーザーのディスプレイパドルのセットポイントが1.2を表示するようになったところで、Galileo 2の一番左のボタンを長押しすると再び「セットポイント2 切り替え」の表示が現れました。ここでもう一回、一番左の「Save」ボタンを押すと「セットポイント2 切り替え完了」と表示されました。これで、この先の水深ではセットポイント2に設定した最大酸素分圧1.2気圧までの呼吸ガスの窒素分圧を使って体内残留窒素量を計算してくれます。実際、30mを超える水深になると減圧停止不要での潜水可能時間には大して影響ありませんが、その後の浮上に連れて圧縮空気より格段に高い酸素濃度の呼吸ガスになるので、ダイブコンピュータの表示に多少の減圧停止時間が表示されても水深15~20mくらいまで浮上してくる間に窒素の排出が進んでくれて、水深10mくらいまで戻ってくるころには減圧停止不要となってくれます。
浮上の際には、水深が10mより浅くなった時点で一番左のボタンを長押しすると「セットポイント1 切り替え」という画面が現れるので、もう一回一番左の「Save」ボタンを押すと「セットポイント1 切り替え完了」と表示されました。
このように、潜降のときも浮上のときも水深10mを目安に一番左のボタンを2回押すだけの操作なので、一度覚えてしまえば簡単に習慣化出来そうです。
二つ目の課題は緊急用のオフボードタンクの装備です。
昨年の12月に受講したPADIのトレーニングでは、緊急用のオフボードタンクとして6Lのアルミタンクを使用しましたが、その大きさと陸上での重さに閉口しました。あくまで緊急事態に備える装備ですので、もう少し小型軽量でも目的は達成できると考え、リブリーザーの希釈ガスに使うタンクと同じ3Lのアルミタンクを装備してみました。
その結果、水中でも陸上でも負担は大幅に軽減し、これなら30m以上の深場へ潜る時には毎回装備して行くことにします。ただし、まだオフボードタンクをBCDに括り付けるストラップとフック、BCD側のDリングの位置に改良の余地があるので、より使い易く取り付け取り外しが簡単に出来るよう今後も改良を重ねてゆきます。
その結果、水中でも陸上でも負担は大幅に軽減し、これなら30m以上の深場へ潜る時には毎回装備して行くことにします。ただし、まだオフボードタンクをBCDに括り付けるストラップとフック、BCD側のDリングの位置に改良の余地があるので、より使い易く取り付け取り外しが簡単に出来るよう今後も改良を重ねてゆきます。
ツアーの初日に1本目と2本目のダイビングで上記の2つの課題をそれぞれ満足にクリア出来たので、2日目からはお楽しみのファンダイブを楽しみました。まずは秋の浜。真冬に比べるとだいぶウミウシの種類も数も少なくなってきましたが、まだまだいろいろ見られました。
これはヒメエダウミウシ、体長3cmくらい。私は初めて見ました。
キイロウミウシ、真っすぐに伸びたら体長は10cmくらいある、大きいウミウシです。
こちらは体長3cmくらいのウミウシ、ハナミドリガイです。
ガイドさんがニコニコしながら連れて来てくれたのは、クレナイゼブラヤドカリ。
カイメンを背負ってカモフラージュしているカイカムリの仲間です。
ナカソネカニダマシ、体長1cmくらいのちいさなカニです。
テントウウミウシ、体長1cmくらいですがよく目立つ色合いです。
キイボキヌハダウミウシ、体長は5cmくらい。
段落ちの水深10mの岩穴の入り口付近では、体長20cmくらいにずいぶん大きくなったユカタハタ。
段落ちの壁にはこのイロカエルアンコウ、体長5cmくらいある大きな個体でした。
2本目は右のゴロタ斜面。
大きな岩陰の隙間にはカシワハナダイ、フタイロハナゴイが群れていました。
水深30m、砂地との境界ではクダゴンベ。
5mほど先の大きな離れ岩の陰にはsix-striped hogfish、まだ和名がついていません。
オオモンカエルアンコウ、体長は5cmくらいです。
2日目の午後から風向きが北~北東に変わって夜中10m/s以上の強風が吹き続け、3日目は秋の浜は潜れなくなってしまったので島の西海岸に面した王の浜へ2本潜りました。
V字根の側面の大きな窪みには、もう30cmくらいの立派な成魚サイズのサザナミヤッコがいました。まだ一部幼魚の体色が残っています。
ミルクオトメウミウシ。
ふと岩の隙間を覗き込むと、特大のイセエビが身を乗り出しています。これは1匹5千円は下らないな。
ヤリカタギですが、幼魚という割にはだいぶ成長して、体長は5cmくらいあります。
体長8cmくらいのモンツキベラ、だいぶ成魚に近い若魚です。
海底はどこも海藻が成長して岩の表面を覆いつくし、プランクトンの大量発生のために透明度は良くて15m、時には8mくらいまで濁って薄暗い海中でしたが、冬を乗り越えた生き物たちの力強い成長を観察出来て楽しいダイビングでした。