土曜日の朝、久里浜からの高速船で伊豆大島に到着しました。沖合いから見ると、三原山は頂上付近が雪化粧しています。
さて一本目、エントリーして大きなうねりに揺さぶられながら-5mの海底を沖へ進んでいると、突然左手にウミウが飛び込んできて、一瞬のうちに文字通り飛ぶ様に泳ぎ去ってゆきました。そのまま中層を一気に際まで泳いで-35mの砂地に着底しました。冬になって、砂地の表面にはかなり緑色の藻が広がってきました。さらに際へ降りて-45mの壁の窪みに、有馬さんがキシマハナダイとアサヒハナゴイの若魚を見つけて、呼んでくれました。すぐ横ではアヤメカサゴがいい場所に居てくれ、コイツはライトを当てても逃げずにじっとしていてくれるので、落ち着いて写真を撮れました。
同行のTさんと有馬さんは、ヤリイトヒキベラを撮影しに、さらに深場へ向かったので、私は際沿いにゆっくりと戻ってきました。途中、石田さんが岩の割れ目にダイダイヨウジを見つけて呼んでくれました。
-15mまで戻ってきたところで、後ろから有馬さんの声が聞こえて、指差す方を見ると砂地にるネコザメが寝そべっていました。残圧とコンピュータの減圧停止時間にちょっと相談してから、思い切って写真を撮りに戻りました。幸い目の前に超接近するまで寝そべっていてくれて、明るく澄んだ水も手伝って、ワイド端で目一杯寄って撮ることができました。
2本目は、キサンゴカクレエビを探しに、淋しい根に向かいました。目的の淋しい根の左端にある径5cmほどのキサンゴに、有馬さんがさっそくその小さな個体を見つけて呼んでくれました。体長は7mmくらい。しかし頭を奥に向けていて、いい構図になってくれず、写真は断念しました。
その後、アサヒの根を横切りながらオシャレハナダイを探しましたが、あいにく見つかりませんでした。もう少し上がった所のウチワで、有馬さんが「エビが付いている」というので良く見てみると、アカスジカクレエビでした。このあたりでは、百匹以上のイサキの群れが流れており、とても賑やかな海中景観です。落っこちそうな岩の手前では、午前中には見つからなかったニセボロカサゴが居ました。けっこう活発に泳いで、いや歩いていました。
すでにだいぶ減圧停止時間も出ているので、段落ちのー7mまでほとんど直行で戻ってきたところで、いつもの場所にハナタツが付いていました。しかし、この深さでは大きなうねりで揺さぶられるのと、海底一面にだいぶ成長した海草が一斉に揺られるので波酔いで気持ち悪くなり、撮影は断念。段落ちの壁では、再び有馬さんが呼ぶ方へ行ってみると、今度はイロカエルアンコウがうまい具合に顔を手前に向けているので、こちらはしっかりと撮影しました。ここでしっかりと減圧停止時間を消したので、段を上がってからはほぼ一直線で梯子まで戻って、浮上しました。