今月初め、長野県栄村でブッポウソウをみかけました。
クルマで山道を下ってきたところ、斜面前方の高圧送電線に3羽がとまっていました。大きさはハトとカラスの中間くらいで、飛んでいるときも瑠璃色の背中とオレンジ色の嘴が良く目立ちます。付近の木陰にクルマを停めてカメラに望遠レンズをセットして、100mほど離れた木陰からそっと狙って撮影しました。上の写真は目一杯トリミングしてあります。この時はフニャフニャの簡易三脚だったので、シャッター時のカメラ自体の振動でブレてしまいます。
と、その時、山道を反対側から上がってきた1台のクルマが、撮影している私の前方で止まってUターンし、さらに近付いてブッポウソウの目の前にクルマを停めました。そして運転していたオヤジはバタンとドアを開け、大きな三脚と望遠レンズを取り出して来ました。ブッポウソウまでの距離は30mほどありますが、ブッポウソウは次々と飛び去ってしまいました。こういう無神経なオヤジがバードウォッチャーしてると思うと、情けなくなります。
ブッポウソウはブナの大木の樹洞に巣を作るため、繁殖には深い森林が必要です。全国的に生息地が減少して、絶滅危惧種に指定されており、長野県内では北部の栄村と南部の天龍村のみで繁殖が確認されている貴重な種です。今の季節はまだ巣を作る前で、まもなく雪解けとともに山奥へ移動して巣を掛けると思います。希少な野鳥でルックスも抜群ですから、当然多くのバードウォッチャーに超人気者ですが、ヒナが巣立つ7月下旬までは是非とも彼らを探して森に入らないようにお願いします。 あなたがどんなに高性能なカメラとレンズを持って行っても、図鑑の写真以上には撮影できないでしょう。どうしても我が目で見たい方は、地元の野鳥の会などで観察会やガイドツアーを実施していますから、野鳥の会や栄村の観光課に問い合わせると良いでしょう。