毛が伸びすぎた羊のクリス、老衰で死ぬ 豪
豪キャンベラ郊外で発見された、大量の毛に覆われた羊のクリス。王立動物虐待防止協会(RSPCA)提供(2015年撮影、2019年10月23日公開)。(c)AFP PHOTO / RSPCA AUSTRALIAN CAPITAL TERRITORY
【10月23日 AFP】オーストラリアで、命に危険が及ぶほど毛が伸びた状態で発見され、ギネス世界記録(Guinness World Record)にも認定された羊のクリス(Chris)が、老衰で死んだ。飼育施設の担当者が22日、明らかにした。
メリノ種のクリスは2015年、首都キャンベラ郊外で大量の毛を垂らしながら孤独にさまよっているところを発見され、世界的に大きく報じられた。
その羊毛はキャンベラにある国立博物館(National Museum)に寄贈され、クリスはニューサウスウェールズ(New South Wales)州の農場に引き取られた。
飼育施設の担当者によると、人懐こい性格で人気者だったクリスの年齢は、約10歳だったという。(c)AFP
動物虐待を止めろ! 急がれる法整備
保護された野良犬(2014年1月11日撮影、資料写真)。(c)CNS/郝群英
【10月23日 東方新報】中国の農業農村省は先月、第13期全国人民代表大会二次会議に、全人代の夏吾卓瑪代表(国会議員に相当)が提案した「動物権益保護・虐待禁止法」に関する提案について、必要な立法を早急に確立するべきだとの回答を行った。農業農村省によれば、動物への残虐行為を防ぐために、関連の法律が欠落していては有効な取締りが難しいとし、動物虐待禁止法を討議していると説明。ただ立法計画には入っていないという。
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現状では、現行法を応用する形で動物虐待に歯止めをかけている。牧畜関連規定では、家畜家禽の飼育について、環境や設備、防疫、検疫、運輸に関して明確に「優良で効率がよく、エコで安全」であることが決められている。野生動物保護法では「野生動物の優先的保護、利用ルール、厳格な監督管理の原則」などが決められ、人と自然の調和ある発展を目指して、野生動物保護意識向上の公民教育も行われている。社会で議論の的となっている医薬品などの動物実験問題も、中国にはすでに「動物実験管理条例」が制定され、動物実験の管理は統一のルールや合理的な作業の分離などが明確にされているという。
動物虐待が社会に与える深刻な影響についても、現行法内で対応してきた。2002年に清華大学(Tsinghua University)の学生が北京動物園(Beijing Zoo)の熊に硫酸をかけた事件は、社会の反響が大きく、2003年4月に北京市西城区人民法院はこの学生に対して器物損壊罪の一審判決を出した。
近年、ネット動画で動物虐待映像が頻繁に登場し、またこうした映像がダークウェブで売買される状況については、ネット安全法の「暴力・ポルノ映像・情報の伝播禁止」の規定で、映像制作者の法的責任を追及できるようになっている。総じていえば、動物虐待禁止法や動物福利法がなくても、動物虐待が引き起こす社会への悪影響を現行法は座視しているわけではない。
ただ全人代代表の立法提案が反映しているように、社会の進歩や文明の発展にともない、より明確で系統的な動物虐待禁止法を整えることが、公平正義な法治社会の新たな要求に合致していることは間違いない。農業農村省は今回、国家が動物虐待禁止法の立法を支持しているという明確なサインを出し、動物虐待禁止法の早期実現を推進する姿勢を打ち出したといえる。 (c)東方新報/AFPBB News
木々が秋景色を鮮やかに彩る 中国・山東省の紅葉谷風景区
【10月23日 Xinhua News】中国山東省(Shandong)済南市(Jinan)南部の山あいに位置する紅葉谷風景区では、紅葉が見ごろを迎え、色とりどりに染まった木々が秋景色を鮮やかに彩った。絵のような景色を楽しもうと多くの市民が訪れている。(c)Xinhua News/AFPBB News
「饗宴の儀」 天皇陛下即位の祝宴に世界から賓客
【10月23日 AFP】天皇陛下の即位を祝い22日夜に皇居で祝宴「饗宴(きょうえん)の儀」が行われた。海外から迎えた賓客の写真をまとめた。(c)AFP
有機農業への完全移行で温室効果ガス排出量は増加 研究
有機栽培された豆(2018年3月30日撮影、資料写真)。(c)LOUISA GOULIAMAKI / AFP
【10月23日 AFP】英イングランドとウェールズで有機農業に全面移行した場合、生産量が減少してより多くの生産地が必要となるため、結果として温室効果ガスの排出量は増加するという研究論文が22日、英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズ(Nature Communications)に掲載された。
有機農法に転換することで、食品ごとの温室効果ガス排出量は農作物で最大20%、畜産物で最大4%削減できる一方、生産スピードを速める肥料を使用しないために、農業や畜産業の非効率化につながる。
一方で生産量が最大40%減少し、この穴埋めとしてより多くの牧場と農地が必要となることから、結果として温室効果ガス排出量の増加につながるとしている。
農業分野で発生する温室効果ガスの量は、全世界で人間が排出する温室効果ガス量の4分の1超を占めている。また、近年注目を浴びている複数の報告書は、持続不可能な大規模農業が、地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定(Paris Agreement)」の目標達成を脅かすと警告している。
論文執筆者らは、英国が有機農業に完全移行する場合、温室効果ガス排出量の全体的な削減は「全国民の食生活における大変化」が伴う場合にのみ達成できると指摘した。(c)AFP
*上記はAFPBBNEWSの記事から引用しました。
*今日の一言
とばり開き陛下が…平成と違う正殿の儀「神秘化」懸念も心配される。
22日に行われた「即位礼正殿(せいでん)の儀」は、参列者への配慮が一部加わったものの、平成の前例をほぼ踏襲した。政教分離など憲法上の疑義は将来の課題として残る。一方、同日夜に始まった祝宴「饗宴(きょうえん)の儀」では、皇族方の負担を減らすため、前例が見直された。
午後1時過ぎ、皇居・宮殿の正殿・松の間。天皇陛下が即位を宣言する「おことば」を述べると、安倍晋三首相が「寿詞(よごと)」を返した。首相が「ご即位を祝し、天皇陛下万歳」と発声し、衆参両院議長らが唱和すると、陸上自衛隊による祝砲21発が鳴り響いた。
この間、陛下は玉座の「高御座(たかみくら)」に立ち、主権者の国民を代表する首相らは約1・3メートル低い松の間の床から陛下を仰ぎ見た。
儀式は、憲法の定める天皇の国事行為として行われた。ところが高御座やその中に安置された剣と璽(じ)(まが玉)は、天照大神(あまてらすおおみかみ)の命を受け、孫のニニギノミコトが日向国(ひゅうがのくに)に降り立ったという「天孫降臨」神話に根ざすとされる。政府は現行憲法下で初の代替わりとなった平成の前回、高御座を「皇位と密接に結びついた古式ゆかしい調度品」と位置づけるなどして、政教分離に反しないと整理した。
当時の海部俊樹首相も憲法との整合性にこだわった。宮内庁は1928年の昭和天皇の時の例にならい、皇族と同じ束帯を着て中庭(ちゅうてい)で控えるよう求めたが、海部氏は拒んだ。海部氏は「各国の大統領らが臨席する中、日本が戦前と違う国民主権の民主主義国家であることを示そうと努力した」と回顧している。
政教分離になお疑義
違憲の疑いは残った。代替わり儀式への国費支出差し止めなどを求めた訴訟の95年の大阪高裁判決は、原告の請求を却下・棄却としつつも「政教分離規定に違反するのではないかとの疑いを一概に否定できない」と指摘。「国民を主権者とする現憲法の趣旨にふさわしくないと思われる点が存在する」とも言及した。
しかし、今回の代替わりにあたり政府は見直しを検討せず、「現行憲法下において十分な検討が行われた上で挙行された」と2018年4月に前例踏襲を決定。正殿の儀への県知事らの参列は政教分離に反しない、などと判示した三つの最高裁判決を根拠にした。政府関係者は「前例を見直せば、前回の儀式に憲法上の問題があったことになってしまう」と漏らした。
政府に儀式の見直しを申し入れていた共産党は「憲法に則した形ではない」として欠席した。高見勝利・上智大名誉教授(憲法学)は「戦後の新憲法下で、儀式の細目を定める政令などは制定されなかった。法的な空白が生まれ、あいまいな政府解釈で戦前までの儀式の骨格が引き継がれた。主権者が国民ではなく天皇であるかのような儀式のあり方だ」と話した。(二階堂友紀)
平成時との違いは?
今回の一連の即位関連の儀式は、平成時と比べて一部が簡素化されるなど、見直された面がある。時代の情勢や皇后雅子さまが病気療養中であることなどが考慮された。
大きく変わったのは、国内外の賓客をもてなす祝宴「饗宴の儀」の規模だ。平成の時は、国内外から約3400人を招待し、7回開いたが、今回は4回に縮小された。うち2回を立食形式に変更。皇居・宮殿大広間の「豊明殿」と「春秋の間」を同時に使い、大勢の賓客をもてなせるようにした。
「即位礼正殿の儀」では、平成の時に設置されていた宮殿中庭の参列者用の仮設席を無くした。荒天時を考慮した措置で、その代わり、計30台のモニターを設置して、儀式が参列者から見えやすいようにした。
今回は、高齢の皇族方の負担を減らすため、装束ではなく、洋装での出席も可とした。常陸宮さま(83)は今回、車椅子に乗り、燕尾(えんび)服姿で臨んだ。
招待者数を減らす案もあったが、国交を結ぶ国が平成の時より約30カ国増えたことや、副大臣ポストの新設、歴代の文化勲章受章者の総数が増えたことから、断念した。ただ、必要な範囲以外は配偶者同伴にしないといった工夫をして、前回と同規模に抑えた。
結果、即位に関連する一連の儀式などの費用は、予算案で比較すると、人件費などの高騰で、36億9千万円増の約160億円かかる見通しだ。
一方、「伝統」が復古した側面もある。正殿の儀では平成の時、両陛下は宮殿中庭に面した廊下を通って、儀式が行われる正殿・松の間に入った。今回は、天皇陛下が即位を宣言する舞台「高御座」と皇后さまが立つ「御帳台(みちょうだい)」のとばりが開くまで、両陛下の姿が参列者の目に触れないように変更された。宮内庁は、朝廷の儀式次第をまとめた9世紀の貞観(じょうがん)儀式に、天皇の姿が高御座上で初めて現れるとの記載があるといい「伝統に沿った形になった」と説明する。
中島三千男・神奈川大名誉教授(日本近現代思想史)は「秘せられた神仏が姿を現す『ご開帳』のような形になっている。天皇の神秘化、権威化をもたらしかねない」とみる。「高御座は、天照大神から神勅(しんちょく)や三種の神器を授けられた神座を模してつくられた。一連の儀式は『日本は神がつくった国で、天皇は神である』という戦前の考え方を踏襲している。戦後は国民主権の国となり、天皇は象徴となったのだから、儀式のあり方も根本的に変えるべきだ」と話している。
*上記は朝日新聞デジタル版の記事から引用しました。
*天皇は国民の象徴であり、神秘化しても不思議ではない!