海は大きすぎて怖い、海から見ると、自分は小さいけど、小さいから目立たずに狙われないと思うと安心だ。
シェリーは強度の色盲だ。
棒を投げると、追いかけるが、海の水との判別がつかなくなるようで、見失う。
俺から見ると不憫に思えるが、シェリーは何とも思わないんだろうな。
気体生物は存在しないらしい。
ある質問アンサーで、「気体生物やプラズマ生物についてですが、どちらも気体になっている以上粒子は好き勝手にバラバラに動いているので、生命としての構造を形成出来ない」と読んだけど、
要するに化学で解明されていないだけだ。
人や生物は死ぬと、気体生物に生まれ変わる、それを幽霊と非化学の夢物語と逃げている。
幽霊は100パーセント存在しているのに認めないから、化学は進歩しない。
と言っても、俺は化学なんて何も知らない、それならそんなこと言うなというだろうが、言うのは俺の勝手だ、ムカつくなら読むな。
九十九里浜。
ここ数年間は海に行っても、水に触ることもなく、ただ眺めているだけだ。
海に行く目的って、ただ心を洗い清めるその一点しかない。
心って、荒むんだ、少しづつ蓄積して何の理由もないのに、涙が出たりなにもかもが嫌になったりするんだよ。
それを解消するために海に来るんだ。
週に３回は来ている町。
もう何十年も通っているから、この近辺の地理にはめっぽう詳しくなった。
いまのところ、人に道を聞かれると、答えられないことは一度もないよ。
バナナの木に実がなった。
でもな、バナナって、熱帯植物だから、あとひと月も過ぎると、寒さで枯れてしまうんだよ。
このバナナすごい生命力なんだ。
毎年、毎年、夏になると、スクスクと伸びて、11月に枯れて、また夏に生えてくるんだ。
日本に生息してしまった不幸だよな。
