よく言われる量より質の「量」のほうです。
今回の公演は、密かに過去最大のものがあります。
それは、ずばり公演回数と公演期間です。
あ、もちろん「ハーフ」のときはワークインプログレスを重ねていたので、相当な回数やってます。
それでも、この8回と言う数は多いし、2週間にわたる、というのは本当にこれまでで初めてです。
で、前半4回を終えて、やはり演出を少し変えようと思うのです。。
もちろん美内先生の「ガラスの仮面」中の『狼少女』ほど変えませんけれども、また、進化したものをお見せしようと思っています。
昔は、8回やるなら8回とも同じものをやらないといけないんじゃないかと思っていた時期もありましたが今は違います。
もちろん、ある一定のクオリティーはクリアする必要がありますが、全く同じものと言うのは、映画と違って出来ません。
ちょっと脱線しますけれど、劇場に勤めているときに電話や窓口でよく聞かれるのが、どの席がいいと思う?というものです。
あれ、僕の好みを聞かれてしまうと、正直がモットーの僕は、真ん中の前目の席とかじゃなくて、斜めを選択します。
だって、正面から見たらテレビ画面と一緒じゃないですか。
斜めから見られるのが舞台の醍醐味だと思っちゃうんです。
なんで、今回の客席も斜めからの席があります。
あそこ意外と僕は面白い席だと思ってるんです。
観てみたい人はぜひ。三席ぐらいしかないんで。
さて、話は戻って演劇の醍醐味と思うことについてです。
それは4回とも、見所が違う、というか面白かったところがちがうところにあるのではないかと。
前半4回も、初回はあの独特の緊張感が素晴らしかったし、2回目は3場の高澤さんの演技が出色でしたし、3回目は山本さんが男を掴んだ感じの1場が魅力的でした。
4回目はチェロが途中で倒れたりしましたが、集中力も切れず非常にコンパクトな良い芝居になっていました。
今回、究極の事を言えば、主演二人の芝居が全てなんです。
これが及第点を越していれば、あとは舞台のマジックで、その時その時の本当に魅力的な時空間が現出するのです。
僕の今回の芝居の主な目的は、男と女という人間をゴロッとそのままお客さんに提出することでした。
だから、多少の演出上の変化というものは小手先のもので、本当に調味料のようなスパイスのようなものなのです。
今回の俳優さん二人は対照的で、高澤さんは身体能力と今までの訓練で、非常に高い精度で同じ演技をすることが出来ます。
対して、山本さんは、本人は飽きるからと言っていますが、毎回演出が決めたルールのもと、新たな演技を模索し続けます。
この二人が織り成す芝居なので、毎回変化がありながらもクオリティーの落ちない、面白いものになっているのです。(てまえみそですみません)
それは4回とも見て、僕自身が面白いと思っているんで、保障できます。
それに加え、やはり量をこなしていることが作品の熟成と言う面では大きく、今週末どのように変化するのかやはり目が離せません。
ちょっと今回はタイトルとあんまり関係ない話になってしまいましたけども、これだけ量をやれるから演出を変えと言うことも出来ますし、逆に言えばそうすることによって新鮮味を保ち、品質を保つと言うこともいえます。
まあ、なにより俳優は踏む舞台の回数で磨かれていきます。
そのことは、以前私が参加していたC.T.T.の理念でもあり、実際真実です。
ぜひ、深みを増す芝居を観に、会場までお越しください。
ご予約は、tic@you-project.comまで。
演劇ユニットYOU企画2009年度秋公演「チェロとケチャップ」
11月28日(土)13:00/17:00、11月30日(月)13:00/17:00
残り四回です。
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