この形容詞は、今でも覚えてらっしゃる方は多いんじゃないのかな。
「面白い」という吉本新喜劇とかじゃない「興味深い」のほうの形容詞です。
基本、演出している時には、この方向でDirectionしていきます。
自分が見て、面白いと思うもの。
そういえば、二つ前の回で書いたOASの生徒達の作品は本当に興味深かった。
もちろん、シチュエーションとか具体的な動きなどの指示を出したのは僕でしたが、見ていた生徒の感想と同じく「恋をしたくなった。恋人を欲しくなった」そういう芝居でした。
恋愛もそうですよね。最初は相手に興味を持つ。関心があるといってデートしたり、話したり、いろんなことを一緒にするようになる。
一緒に時間を過ごして、二人の関係性がすこしづつ変わっていく。
欠点も弱点も知り、良い点も好きな点も尊敬したいところもいっぱい知って家族のようになる。
やがて家族よりも強い、相手の事を自分の体のように感じる、そんな一体感が出来る。
と、なるのは本当に奇跡的なことだけど、そこまで興味・関心を育てられたらなあ、とも思う。
でも反対に、どれだけ相手の事を知っても、まだまだ知らないことってたくさん出てくると思う。
男にとって女性ってのは、本当に未知の存在だし、心理学や脳科学や生物学的な差異について知っていったとしてもなお、宇宙のように分からない不思議な部分だらけじゃないかな、と思う。
多分、だからこそ結婚とかしてもその興味・関心が持続していくんじゃないかな。
宇宙がちょうど5、6年前にほとんどが未知の物質で出来ていることがようやくわかったように。
そして演劇や小説、物語、芸術っていうのは、そういう人間の心や男女の関係やなんやかやを、ほんの少しかもしれないけれど垣間見せてくれるから、人々は足を運ぶのかな、と思う。
僕自身の興味も本当に幅広くて、時々疲れるというか嫌になってくることがあります。
脱出ゲームっていうイベントに行きたいって思ったり、屋久島に行きたいって思ったり佐渡に行きたいって思ったり。
英語を教えていて、子ども達の認知心理学(例えば「分かった」という感覚はどこから来るのか)をもっと究めたいと思ったり。
通訳ガイドも勉強を今置いておいてあるけど、いつか取りたいし、取れなくともいろんな日本の風土の由来は知りたい。
日本語でさえなぜ「私はあなたが好きだ」はあるのに「私があなたが好きだ」は言えなくて「私があなたを好きだ」がしっくり来るのか、とか思う。
これは英語で言うと「格変化」の問題で・・・、と専門領域まで突っ走ってしまう。
多分、こういうところから少し前に書いた「死という有限性があるから素晴らしい」なんていう論に反対したくなるのだろう。
だって、知りたいって思った興味は全部大切にしたいから。全部知りたいから。そのためには時間が要るから。
だから浮気性、なんじゃないんです。全部やりたいだけで。
受験勉強も一番多く受験科目が勉強できる国公立にしたし。
ただ、読みかけている本は、結構何冊かあって、そのままになってるなあー。
パールバック「大地」とか、J・オースティン「自負と偏見」とか。
あれは、反省してもいいカモ。
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