意外にも、というか恐らくだけれど(今シーズンから重複を確認したりしていないので)人物一人にあてたのは初めてではなかろうか。
英文学の古典「自負と偏見“Pride and Prejudice”」を今読んでいるからです。
恥ずかしながら、キーラ・ナイトレイの「プライドと偏見」を観ただけでした。
中野好夫さんの翻訳は「ロミオとジュリエット」でも結構気に入っていたので、読みやすいですし、何よりもモームが評した「大した事件が起こるわけでもないのに、ページをめくる手が止まらなくなる」のとおりです。
台詞の応酬を中心にされていて、一つ一つの発言の面白みや深さもありますし、人物の機微や、恋愛というものについての観察眼も鋭い。
今の自分が読んでいてもなるほどと思わされます。少女漫画の地の文よりも的確で。
そして、ふと思いついて本棚を見てみれば、圧倒的に男性作家の本が多い。
女性の視点を持つ、というのは演出家としてはプラスになるし、人としても必須だとも思って色々読んでみたいと思ったのもきっかけの一つでもある。
しかし、映画で筋を知っている僕に、なおこれだけ読ませるとはすごい。
演劇的な気もします。
台詞は長いけれど、ワンシチュエーションできっちりシーンをある程度書いてくれるし、台詞も関係性もとても面白い。
でも実は、まだ読了していません。
理由は忙しいからもあるけれど(あ、しまった書いてしまった・・・)、有川浩さんの「図書館戦争シリーズ」を読んでしまっているから。
この人のも、すごい面白い。読ませる。
「図書館革命」がまだ文庫で出ていなかったから「塩の街」を読んだけれど、「これがデビュー作かー」という面白さだったし、なんだか自分も本を書きたいと勇気をいただけた。
「ダブル」を何としても上梓したい。あの、書けなかった戯曲の、元になるはずの小説だ。
この人に興味を持ったのは、母に映画「阪急電車」を彼女と一緒に見に行ったらいい、と勧められたからだ。(注:母親は当然彼女がいるものと思っている。)
結局、観にいっていないけれど(これはやはり忙しいからだけど。あ、彼女がいないからという理由ではない。あ、いるわけでもない。)原作も気になる。
なんだろう。理屈っぽくないのがいいんだろうか、女性作家作品。
いや論理的じゃないわけじゃないし、図書館戦争の“笑う正論”小牧さんは、とても共感できる。
正論しか言わないところとか。
あれかな、タイトルのジェーン・オースティンが「経験していないことは書かない、もしくは観察していないことは書かない」と評されているように、シンプルにカメラとして被写体を映し出す感覚で書いておられるからかな、お二人とも。
そして『キャラクター』の立て方、立ち方が、本当にもうばっちりなのだろう。
もっと女性作家を読んでいこうと思います。そういえば、2009年の「チェロとケチャップ」も面白かった。
感覚的な部分もあるけれど、とても客観的なのが素晴らしいのかも。
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