時間が空いたら

面会のはしご

1　アル中さん中々退院してこない。　おかしい。
　こんなに長く入院出来るはずでは無い・・・と思っていたら
　
　転倒して骨折。　動けなくなったとの事で
　入院を継続していた
　カーテン越しに覗くと怒った顔
　私を見て笑顔になったが
　「来るなら来ると言ってくれ」と言う
　まるで妻にでもいうような口調
　「お酒は持って来れないよ」と私も家族みたいに話す。
　
　髭をそってくれという
　ダメだよ。今は私は、よそ者。家族ならしても良いだろうけど・・・
　
　家族ではないから
　仕事上の・・・・まあ
　いろいろ決まりがある訳で
　難しい立場にいる訳で
　出来る事と出来ない事があるんです
　
　私には怒らなかったが
　病院の看護師とは毎日喧嘩してると
　アルコールが切れている
　イライラ感
　病院の看護師さんも大変だね
　普通ならとうに退院させているところだけど
　骨折で動けないのだから
　退院もさせられない
　
　たぶん病院の職員も・・・・
　最悪な環境だろう
　
　「また来るね」と言うと
　「逢えんかもしれん。あの世に行く」と・・・
　「来なくて良い」とは言わなかった
　想像される何時もの怒鳴り声ではなかった
　
　
　
2　難病の人がイレウスなった
　何回も繰り返されていたが
　今回はとうとう手術になると言う
　
　絶飲食なのに嬉しそうに話す
　冗談も通じる
　思いもしない面会を喜んでいるよう
　
　私と利用者さんの会話を聞いて看護師が
　夫婦の会話のようだと言う
　
　

本当は時間を作って面会が必要だろうけど
小さな訪問看護ステーションでは
時間が空いた時しか面会に行けない