アル中さんと呼ばれる人9

訪問して8ヶ月

具合が悪くて入院したのに
治療に協力的でないので直ぐ帰ってくる
ここ最近立て続けに入院したが
直ぐに帰ってくるのだ

亡くなると思って送り出すが（それくらい衰弱しているのだが）
少し元気になると、たぶん暴れて帰ってくるのだろう
退院予定も何もなく昨日帰って来たと連絡が入るので・・・

今回は素直にOS1を飲んでいる
そのせいか今までよりも元気だ

相変わらず介護さんやケアマネさんには怒り暴れん坊のよう
まあ看護師にも怒るのだが

私は当たり前の事をさりげなく言っているつもりだが
回りの人が、そんな事,言うのって顔で見る
皆とても気を使っている
（私だって気を使っている）
ドキドキすれすれのところまで言うべき事は言う

それでも彼は私には怒らなくなった。というか
「何もすることが無いから今日は早く帰ろうかな。点数もったいないし」と言うと
仕事を作ってとにかく時間稼ぎをして看護師の滞在時間を延ばす

「それ看護師の仕事でないから違反なのよ」と言うような仕事なので
「だから介護さんの回数を増やして看護師を減らせば良い」と言うのだけど

先日介護さんと少し時間がかぶった時
介護さんを見るだけで怒り始めた
あれじゃ介護さんは増やすと言われても無理と言うだろうし
（一人では私たちも逃げたい）


本音が出る
何も仕事が無い時
「・・・2本もってこい」
「だからダメなんだって・・・」(怒る)

「それでも飲んで時間の許す限りゆっくりしていってくれ」という

まあ看護師には「精神的ケア」と言うのがあるので・・・・

不安なのはわかるけど・・・・
介護保険だからね
点数がもったいないんだよね
「また具合悪くなったらどうするのよ」と言っても
不安が強いのだろう
聞く耳なしで看護師がいれば機嫌が良い

何処かで生きていれば

花

花を作っている利用者様
病気で花が作れなくなった

「欲しかったら持って行ってくれ」と言う

遠慮していたが頂いてみる事にした
すると
とても嬉しそうな表情になる

鬱々しておられたが
元気になって
不自由な手で次々と花を植えて

「持って行ってくれ、どうせ枯らすだけ
どこかで生きていてくれたら・・・」と話す

進行する不自由な手で
ご飯食べる事も不自由なのに

それまで放置だった愛する花を次々植え替えて
「持って行ってくれ」という
私がもらう事で利用者様の生き甲斐が出来るなら
非難されても良いと思いもらう事にした

私の父も農作業が出来なくなった時
自分の田畑を見て泣いていた事を思い出す

この人も・・・辛いのだろう

「遠慮せずにもらうわ」と言うと
本当にパッと表情が明るくなった

来年、花を見れるかどうかわからないが・・・
私が出来る限り世話をするから生きていて
花を見てほしいと思う。

とってもイヤラシイけど

職員の自慢

本当に
とてもイヤラシイと思うけど

自画自賛と言われると思うけど
どうしても言いたいので・・・

先日看護師さんに（ナーシングホームの採用）来ていただきたいと
お願いした時、2人立て続けに
「掃除洗濯は私の仕事じゃない」と言われた

前にも「看護は出来るけど・・・」と
言われた人がいる

看護師だから？？？
看護っていったいなんなんでしょうね

そりゃあ在宅では人の仕事を取ってはいけないから
掃除洗濯は介護職の仕事でしょうけど


掃除洗濯も看護の素敵なアイティムですよ
傾聴も
いきなり話を聞きますよ・・・的な事で誰が話すでしょうか
部屋の掃除をしながら声をかける
洗濯物をたたみながら話しかける
相手が安心して聞いてほしいと
話し出すんですよ
信密度が全然違います

うちの職員は
看護大学の先生をして来た人も
看護師より勉強してきた助産師の資格を持つ人も
訪問看護に行く前に時間があれば
ナーシングホームの掃除や洗濯もしてくれます
クルクルとよく動いてくれます
訪問も5件、行く事もあるんです
60分対応ですよ
「普通4件で精一杯だよね」と訪問看護師になる前
訪問看護している人たちに聞いたが
うちの職員は大体が4件以上です
本当に、よく働いてくれます
そして文句は言わず
「楽しい」と言ってくれます

感謝、感謝、感謝

うちにいる介護職の人がジョジョに勤めるにあたって
「看護師ばかりだからどうしようかと思ったけど本当に良い人ばかり」と
言ってくれています。

30年以上前になるが総合病院の院長と仕事をしていた時
「あんたらの先輩が悪いんだと思う。看護婦さんは
それは自分たちの仕事じゃないと言って薬剤師が生まれ、栄養士が生まれ
楽できれいで高級な仕事はみんな無くなって、あんたらはオムツ交換やら
汚い仕事ばっかりで賃金もやすいしね」と言われた事がある。

そういえば私が看護師になりたての時
薬も調合したし、レントゲンも撮って先生にきれいな写真と褒められた
リハビリも・・・食事も作った
まあ小さな病院だったんで何でもしていた

私は病める人にとって母親的存在が看護婦（師）だと思っているので
あれはしないこれは違うと言うスタッフはいらない


横道にそれたがジョジョのスタッフは
私にとっては本当に良い人ばかり

最近
冒頭の嫌な話が続いたので
自画自賛でイヤラシイ話でした

虐待？？

人それぞれ

1．虐待で怪我をして緊急搬送
でも
入院させてもらえず夜中に入居したお客様
（本当は営利なんですけどで紹介）

ケアマネさん始め色々の人が
大変なボランティアで介入して
どうにかしたいと思っていたが
約2ヶ月入居しておられたのだけど

自ら家族に連絡し家に帰りたいと言い出した。
帰れる事になった時、涙を出して喜ばれた

こちら側の判断で虐待とレッテルを張っていたのだが
夫婦間の事はわからないものだ
夫婦とも、大変な感動で帰って行かれた。

２．一緒にいるとお互い喧嘩
夫は妻の事を想っている事がわかるが手が出る
手を出さないように努力している事も分かるが
妻がイラつくことを言うので
つい手を出してしまう
別居したいと妻
夫が入院した時、念願の一人暮らしで妻は「自由で幸せ」と話していたが
間もなく急死した。

たぶん薬の服用がうまく行かず
飲み過ぎで亡くなってしまったと思われる

虐待と言われるくらいに夫が注意していた
夫のおかげで
服薬がうまく出来ていたと思われる


３．夫の虐待という事で
強制分離された夫婦
分離されて2ヶ月くらいで妻は亡くなったと最近聞いた。

夫に面会に行く。
妻の遺影にきちんと花を添えて
優しい表情で話し続ける
妻の遺影もとてもニコヤカな物

妻を思うあまり
治療者や介助者の言う事を聞かないのだけど
彼は妻に対しては一生懸命していたと
私は思っていたし

冒頭の夫婦のように
妻に話す事が出来れば「ただの夫婦喧嘩だった」と言ったのではないか

でも他者は自分の物差しで虐待と言うレッテルを張る

虐待される側に意思表示出来れば自宅に帰る事も出来るが
意思表示出来ない状態の人は
一方的に相手を悪者にして不本意な終末を迎える事になる。

虐待の判断は難しい