前回お知らせしました沈和年先生特集テレビ番組の日本語訳文を3回に分けてUPしていきたいと思います。
水墨画を学ぶ上でとても重要な内容が多数語られています。
(女性アナ 番組導入部分)
続いて『華人世界』(番組名)をお送りします。
水墨画という絵画形式は 中国にも日本にもありますが、
両国の水墨画の様式には明らかな違いがあります。
今日の『華人世界』の主人公は、沈和年さん。
沈さんは、中日で異なる水墨画の様式を 自由に往き来する画家の一人です。
それでは、番組をお楽しみください
(男性ナレーター)
沈和年は 日本在住の中国人画家。
水墨画のエキスパートで近年、日本の画壇で活躍しています。
今から10年前 彼は、画法の異なる中国と日本の水墨画を融合する試みに着手しました。
沈さんの作品の多くに 日本の水墨画の特徴が色濃く見られます。
柔らかで、霞みがかかったような画面の中に趣を添えているのは伝統的な中国画の くっきり、しっかりと描かれた線です。
(本人語り)
水墨画には
画家のわずかなためらいや こまごまとしたもの全てが、痕跡として残されるのでさらに言えば 水墨画は上から描き直すことはできません。
それは一瞬の感情を描いたものであり そうしたすべてを記録できるものなのです。
水墨画は、画家の心の中の感情を表現しているのだと思います。
(男性ナレーター)
1970年代から80年代にかけて 上海で学んんだ沈和年は著名な水墨画家の唐雲に師事し唐雲の紹介によって 幸運にも中国画の大家である劉海粟、林風眠などとの出会いを得ました。
これらの大家の手ほどきによって 彼は伝統的な中国画の虜となり 中でも「写意」の技法で描く(*)、花鳥画を得意とするようになったのです。
(本人語り)
中国の水墨画が強調するのは、雄々しさです。
「骨法用筆」と言って(**)、とても強い筆使いが求められます。
* 「写意」:外形を写すことを主とせず、画家の精神又は対象の本質を表現すること
中国画はとりわけ、伝統的な中国画は「線」を 造形の最も大切な手段とします。 しかし、日本の水墨画は逆に控えめで、柔軟なタッチで描かれ 「線」を強調することはないのです。日本の水墨画は、線を絵の中に溶け込ませてしまい「墨」を主とするのですが、中国の水墨画は「筆」を主とするのです。
唐 雲
別号は侠塵・大石・葯城・葯翁・老葯・大石翁、画室を大石齋・山雷軒と称した。浙江省杭州の人。作には花鳥・人物画が多い。長年古代絵画や絵画史などを学んで、花鳥画の優れた伝統を究め、更に独自の画風を樹立した。当代名家の一人である。
解放前は長年美術教育に従事し、解放後は上海市美術家協会副秘書長・展覧部部長・上海美術専科学校国画系主任・上海博物館鑒定委員・上海中国画院副院長等の職を歴任し、1960年第三次全国文代会に、1979年第四次全国文代会に出席した。
一方、書にも長じ草・篆・行書を得意とした。詩文も工で、鑑定にも詳しかった。
中国美術家協会理事・中国美術家協会上海分会名誉理事・西泠印社理事、上海市文物保管委員会委員・上海中国画院名誉院長。
唐雲 画
唐雲 画
*次回につづく
水墨画を学ぶ上でとても重要な内容が多数語られています。
(女性アナ 番組導入部分)
続いて『華人世界』(番組名)をお送りします。
水墨画という絵画形式は 中国にも日本にもありますが、
両国の水墨画の様式には明らかな違いがあります。
今日の『華人世界』の主人公は、沈和年さん。
沈さんは、中日で異なる水墨画の様式を 自由に往き来する画家の一人です。
それでは、番組をお楽しみください
(男性ナレーター)
沈和年は 日本在住の中国人画家。
水墨画のエキスパートで近年、日本の画壇で活躍しています。
今から10年前 彼は、画法の異なる中国と日本の水墨画を融合する試みに着手しました。
沈さんの作品の多くに 日本の水墨画の特徴が色濃く見られます。
柔らかで、霞みがかかったような画面の中に趣を添えているのは伝統的な中国画の くっきり、しっかりと描かれた線です。
(本人語り)
水墨画には
画家のわずかなためらいや こまごまとしたもの全てが、痕跡として残されるのでさらに言えば 水墨画は上から描き直すことはできません。
それは一瞬の感情を描いたものであり そうしたすべてを記録できるものなのです。
水墨画は、画家の心の中の感情を表現しているのだと思います。
(男性ナレーター)
1970年代から80年代にかけて 上海で学んんだ沈和年は著名な水墨画家の唐雲に師事し唐雲の紹介によって 幸運にも中国画の大家である劉海粟、林風眠などとの出会いを得ました。
これらの大家の手ほどきによって 彼は伝統的な中国画の虜となり 中でも「写意」の技法で描く(*)、花鳥画を得意とするようになったのです。
(本人語り)
中国の水墨画が強調するのは、雄々しさです。
「骨法用筆」と言って(**)、とても強い筆使いが求められます。
* 「写意」:外形を写すことを主とせず、画家の精神又は対象の本質を表現すること
中国画はとりわけ、伝統的な中国画は「線」を 造形の最も大切な手段とします。 しかし、日本の水墨画は逆に控えめで、柔軟なタッチで描かれ 「線」を強調することはないのです。日本の水墨画は、線を絵の中に溶け込ませてしまい「墨」を主とするのですが、中国の水墨画は「筆」を主とするのです。
唐 雲
別号は侠塵・大石・葯城・葯翁・老葯・大石翁、画室を大石齋・山雷軒と称した。浙江省杭州の人。作には花鳥・人物画が多い。長年古代絵画や絵画史などを学んで、花鳥画の優れた伝統を究め、更に独自の画風を樹立した。当代名家の一人である。
解放前は長年美術教育に従事し、解放後は上海市美術家協会副秘書長・展覧部部長・上海美術専科学校国画系主任・上海博物館鑒定委員・上海中国画院副院長等の職を歴任し、1960年第三次全国文代会に、1979年第四次全国文代会に出席した。
一方、書にも長じ草・篆・行書を得意とした。詩文も工で、鑑定にも詳しかった。
中国美術家協会理事・中国美術家協会上海分会名誉理事・西泠印社理事、上海市文物保管委員会委員・上海中国画院名誉院長。
唐雲 画
唐雲 画
*次回につづく
妹(小松利香子)と12月17日の教室に
参加させて下さい。手続きなどの情報お願いします。
いつまでもこのように活躍された方が日本にいらっしゃったと知る記事となると思います。 本当にありがとうございました。