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Re-Set by yoshioka ko

■前途は、笑顔のように?

 写真はパキスタンの遊牧民。

 野党大勝で、パキスタン政治は大きく変わるのだろう。地元「DAWNNEWS」テレビは、今回の選挙で大躍進したパキスタン人民党(PPP)のアシフ・ザリダリ共同総裁とパキスタン・ムスリグ・リーグN(PML-Q)のナワーズ・シャリフ党首の共同記者会見を生中継していた。

 それによると、両党は大筋で合意が成立し、連立を組むことが確実になった。ザルダリ共同総裁は、政権が樹立されればPPPはまず真っ先に、先に暗殺されたベナジール・ブットの死因を国連に求め真実を明らかにする、と述べた。またシャリフ党首は、ムシャラフ現大統領に何も求めない、速やかに辞任を、と明言した。

 PPPとPML-Qは押せ押せである。両党には、今度の選挙で10議席を取ったANP(アワミ・ナショナル・パーティ)という、もともとは北西辺境州の独立を目的にした地域政党も仲間に引き入れ、議会の3分の2を占めようという勢いである。そうなればムシャラフ大統領罷免も可能なのだ。

 しかし、パキスタンは農業国であり複雑な民族構成と複雑な宗教宗派が混在する。そこに原理主義やテロリズムが介在する。両党は民主化を推進するということで一致したが、民主化を阻む勢力も確実に存在する。これまでの歴史が経てきたように、いかに軍部の介入を排除しながら、どう展望し切り開いていくのか、そこがなんといってもまず問われるだろう。

 前途は決して、テレビの生中継で見せていた二人の笑顔のようにはいくまい、とおもう。

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