Re-Set by yoshioka ko

■人口減少国に転じた日本

 昨日、今日の佐久の寒さは、12月としてはちょっと尋常ではないか。紫外線が強いせいで昼間はさほどでもないが、朝晩はこたえる。日本海沿岸地域は大雪警報が連日発令されるなど、寒気団の南下は今冬は記録破りの様相である。

 記録破りといえば、少子化が高じていよいよ人口減少国に入った、というニュースが新聞一面を飾った。日本という国始まって以来の現象なのだという。この現象をどう見るか? 好ましいことだ、と見る人もいる。困ったことだ、と見る人もいる。この島国で1億2800万の人口は多すぎるという人もいる。

 子供が少なくなり、高齢者もいつかは寿命を迎える。何の手だてもしなければ、人口は確かに減り続ける。だがその一方で、年金制度のように、人口増を念頭に作られた制度は、その見直しを迫られる。少子化対策だってそうだろう。もっといえば、学校の度だって企業の活動だって、人口減少などということを想定してきたわけではない。

 つまり、国も自治体も学校も企業も、そして国民も全てが、人口は減少すると考えてきたわけではなかった。ただ、暮らしにくい国になってしまった日本では、子供を生みたくても生めないという状況が少子化現象を生み、高齢化社会にまっしぐらの日本にとって、この少子化は年金制度の崩壊につながる、とい一点においてのみ対策が急がれたのであって、人口の減少を念頭に入れたものでは決してなかった。

 人口の減少を喜こぼうが憂えようが、日本という国、そしてわれわれ自身、初めて経験することだけに、何がこのような事態を招いたのか、その背景をえぐり出し、それがこれからどんなことを意味するのかについて、この機に考えてみるというのも大事なのではないか、と思う。

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