Re-Set by yoshioka ko

■今こそアメリカは、考えなければいけない

 ブッシュ政権を支えてきたアメリカの上下両院での多数党、共和党は、今度の中間選挙で手ひどい敗北を味わった。今この段階(午後9時5分)では、上院における選挙結果は49対49で拮抗している、という状況だから、手ひどい敗北を味わった、とは断定できないのだが、しかし今度の選挙結果は、最大の争点といわれたイラク戦争の政策の変更を余儀なくされる、に違いない。

 というのが、大方の予想である。しかし本当に政策の変更が可能なのか?この場合、政策の変更とは何か?それは規模はどうであれ、アメリカ軍のイラクからの撤退話にならざるを得ない。民主党は選挙期間中、それを声高に言ってきたし、アメリカ国内向け的にもそれしかない。

 だが、勝手に戦争を始めて、イラク国内をズタズタに引き裂いたまま、選挙に負けたからと入って撤退ができるのか、という疑問もつきまとう。少なくともブッシュ政権が続く限りは、イラクの現政権と付き合うしかないのではないか。その中で、イラクの「戦後」をどうするのかを、引き続き詰めていくしかない。

 ヴェトナム戦争のときは、北ヴェトナム、あるいは南ヴェトナム解放戦線が受け皿としてあった。ヴェトナムでアメリカは敗北したけれども、ヴェトナムには「戦後」の受け皿があったから、国造りが出発できた。

 イラクに今それがあるか、といえば、あるのは混乱と混沌だけである。この責任はひとえにアメリカとアメリカが始めた戦争に賛同した国々の為政者と、彼らを支持した有権者にある。

 今度の中間選挙結果を前にして、果たしてブッシュ政権にはそんな「余力」があるだろうか?もしなければ、イラクの「戦後」問題ももさることながら、ブッシュ政権がいうところの〈テロとの戦争〉も尻すぼみになるに違いない。そして何よりも、すでに2850人にも達しようという戦死者を出したアメリカ軍に務める兵士たちに、「ヴェトナムの二の舞」という、極めて甚大な精神的ダメージを与えるに違いない。

 〈テロとの戦争〉とは、本当はどうあるべきなのか、アメリカは冷静に考えなければならない。

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