Re-Set by yoshioka ko

■国連決議延期の先に何が見える?

 制裁決議は延期された。武大偉6者協議議長を団長とする中国代表団訪朝の進展具合をまずは見守ろう、という判断からだ。日本政府も同調した。とはいえ、北朝鮮の核・ミサイルをめぐって6者協議の中身は四分五裂の様相だ。予想したとおり、日米vs中ロvs韓国、の図だ。

 北朝鮮はどういう出方をするのだろう。四分五裂の様相に、内心ほくそ笑んでいるに違いない。核の凍結、ミサイル発射の自制を促すことを目的とする中国の説得が、功を奏さなかった場合でも、北朝鮮はさらに一歩踏み込んだ決断ができる。当面考えられることは、「テポドン2」の発射だろう。そしてその先にあるのは、金融制裁解除と体制保障を求める「米朝会談」だ。

 6カ国それぞれに思惑がある。北朝鮮が暴発したらどうしよう、という命題にどう答えるのか。数多くの難民が押し寄せることは避けたい、と中国やロシアは思うのだろう。暴発は必然的に巻き込まれることだ。それは悪夢というものだ、と韓国は考える。地続きであるが故の心情でもあろう。

 日米は相変わらず強硬策一点張り、である。そう考えれば、残念ながら〈恫喝外交〉の冥利、というものであろう。

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