とんとんからしのあるがまま

ゆっくりと、のんびりと、ゆる〜いシニアの日々を綴ります。

初めて、童話を作りました。

2023-04-09 | 日記

童話『ブルームーンとピンクムーン』

 

ある秋の日の昼下がり

 

小高い丘には一面に

真っ赤な彼岸花が

咲いていました

すると 

その端っこの方が

ぴかぴかっと光ったかと思うと

光は直ぐに消えて

そこには一人の少女が立っていました

 

少女は、ちょっと、

困ったふうな顔をしていましたが

すぐに笑顔になって

どんどんと、丘を下って行きました

丘の下には

ぽつんぽつんと家があり

幸せそうな村でしたが

『ここではないわ』と

少女はさらに歩き続けました

 

歩き続けていると

もう、辺りは暗くなって

街の灯りが見えてきました

街の灯りは

キラキラとして

とても綺麗でした

 

『きっとここだと思うわ』って

公園のベンチに腰掛けて

一休みをしていると

青年が通りかかって

「おや、お嬢ちゃん

こんな所で何をしているの!?」

って、声をかけてきました

 

「はい、

わたしは“永遠”って星から

“追憶”って星を通って

“忘却”って星に行く途中なんだけれど

ここはどこ?!

父様と母様のお家が見つからないわ」

と呟きましたら、

青年は

「ここは“地球”という星です

しばらく、僕のうちに来ませんか」って

誘ってくれたので

少女はそうすることにしました

 

どうやら、少女は

“忘却”行きのルートから

外れたようです

 

青年と少女は

楽しく愉快な日々を過ごしていましたが

ある日、少女は

大事なことを思い出しました

 

ルートから外れた時は

《青い月の花が開いたら、魔法が使える。

願ったことが、叶えられる、、、》

ってことを

 

少女は街を歩いていて

ブルームーンという

バラの苗木を見つけました

『青い月の花だわ!』

それを買って帰って

青年と一緒に大事に育てました

 

春になって

薔薇には蕾ができて

だんだんと大きくなっていきました

しかし

少女は日毎に

憂鬱になってしまいました

 

だって、青年との楽しい日々が

このまま続けば良いと思っていたし

父様と母様のいる“忘却”と言う星に

行かなきゃいけなし、、、

 

薔薇の蕾は膨らんで

青い花びらが見え始めました

青年が

「どうしてそんなに

憂鬱な顔をしているの」って

尋ねてくれたのに

少女は答えられないでいました

 

青い薔薇に願いをかけなければ

この星(地球)にいられるけれど

少女は少女のまんまなのです

青年を幸せにはできません

やっぱり、行かなきゃなりません、、、

 

青い薔薇が、

ふわ〜と咲いた夜に

少女は

『父様と母様のいる“忘却”にいかせて下さい』

と、願いをかけました

 

翌朝に、

青年は薔薇の花が

6つ咲いてるのを見ました

少女に知らせようとお部屋に行くと

少女はいませんでした

 

でも、そこには少女の

置き手紙がありました

 

《青年さま》

今までありがとう

わたしは忘却の彼方に行きます

今夜、お月さまを眺めて下さい

ピンク色に輝いたら

わたしがそこを通ったと

思ってください

それから

幸せになってください

   《少女より》

 

その夜は、満月でした

青年が

煌々と輝いている満月を見ていると

一瞬、ピンク色に輝きました

青年の目から

一粒の涙がこぼれました

 

それから

青年の心には

ブルームーンとピンクムーンの

二つのお月さまが宿るようになり

青年は一人でも

幸せを感じられて

楽しく暮らせるようになりました

 

ブルーとピンクの光を

発してる青年を見かけたら

話しかけてみてください

そうして

少女との楽しい日々のことを

聞いてみてください

 

あなたも幸せになれるかもしれません

 

 

※転載、転用、引用お断りします。

 

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