暁に咲く幻の花

花が咲くように生きていきたいな。日々のあれこれ、嬉しいこと楽しいこと好きな人のことを、花や自然にことよせて綴ります。

ながれ星…離れているから育つ愛…もしくは…④ 彼女の話VOL3

2015-07-07 08:28:42 | 恋愛 彩とりどりの愛の軌跡

私と真里子がショッピングをしていても、二人は店の中を眺めたり、時折私が選んだエルメスのスカーフを広げて、柄をじっと見つめて「貴子ちゃんが使うなら、こっちの柄がいいよ」
鷹木さんは鏡台の前に私を立たせると後ろから、ふわっとシルクのスカーフをあてて首元を華やかに彩る。
 横から見ていた真里子がふぅんと頷いた。
「確かにこっちのほうが貴子に合うわね。ボルドーの模様が良いアクセントになってる」「そうかな」
私は鏡に映る自分の顔がいつもより映えて見えるのをスカーフのせいにして、「じゃあ、これにしようかな」店員が心得て、こちらへと座り心地の良い椅子に私を促す。カードを出すと「ウィ。パルドン」と奥に消える。
 手持ち無沙汰になった私は、まだ迷っている真里子と何やら話している鷹木さんを見るともなく見ていた。
「時計なんだから多少大きくてもいいの!私近眼だし、メンズに近いユニセックスデザインのコレが欲しいの」
鷹木さんは動じず笑顔のまま、「その華奢な腕にその大きさの時計盤じゃあ、どんな服を着てもアクセサリーをつけても時計しか目立たない。レディースの金とプラチナのベルトのこっちの方が絶対に似合う」
コーディネートが趣味なのかな、と思う程的確にアドバイスしている。確かに華奢な真里子にユニセックスモデルよりレディースの方が似合っている。
チクッと胸が痛んだ。
私はもしかして…
 首を振って、今浮かんだ考えを消す。
会ったばかりなのに、そんなことあるわけない。
私は真里子のそばに行き、「鷹木さんのアドバイスがいいんじゃない?」と真里子に笑いかけた
真理子は、私を見つめて笑うと「貴子が言うならそうするわ」と
店員に「パルドン」と声をかけ、ピンクの時計盤に金と白金が優雅に織られたベルトの時計を買って、早速身につけている。
「似合うわよ」「貴子のスカーフもステキね~パリの秋らしい色ね」
私は手放しの賛辞に少し照れながらも微笑んだ。
 その後はパリのシャンゼリゼ大通りを四人で歩き、女同士で歩くのも大人げないので、私達は一見二組のカップルのように歩いた。
二人とも話が上手で、真里子もクスクス笑っている。
「貴子ちゃんは真里子ちゃんと二人で周りたかったから、僕たちは邪魔かな?」
鷹木さんの言葉に思わず、顔を上げた。
私は160cmあるけど、180cmを超えている鷹木さんの顔を見るには、やはり見上げなければならない。
目が合うと、不機嫌さはまるでなくて、むしろ微笑んでいた。
「そうでもないと思っていたけど、私は女子校育ちで女子大だし、余り…その、こうして男の人と歩くの慣れてなくて。真里子はずっと共学だったから自然で…あんな笑顔を見ると、私が真里子と一緒に歩きたかったかな、と少し思うの」
言って、かっと顔が紅潮するのを感じた。
コレじゃまるで真里子への告白だわ。
「真里子ちゃんも同じこと言ってたよ。君達は似てるんだな」
え、と言う前に、鷹木さんはくっと笑った。
「それに彼女も男と二人で歩いたことなんかないから、会話なんて出来ないから勝手に喋ってくれたら相槌か意見くらいは言ってあげるって言ってたよ。彼女は感情的になると関西弁が出て面白いね」
 また、きりっと胸が痛んだ。
「真里子は大阪に住んでなくて、神戸よりの関西弁なの。友達も沢山いるから京都弁も混じったり、放送部だったから標準語が基礎にあるから、きつい大阪弁にならないの」
「貴子ちゃんも割と標準語だね」
これは無理して話してるから。大阪弁だと恥ずかしい気がして…
何で?何で私が恥ずかしいの?どうして胸が痛いの?
私、私は…


 二人の心が恋に変わるのは、このあと数時間後。
私(真里子)は貴子がどんなに深く恋に落ちたか、その時まで知らなかった。日本に帰れば文字通り東西に別れる二人がどんな決心をするのかも、幾つもの約束と誓いを交わしたことも。
それはまだ二十歳の女性と23歳の自分の夢さえ叶うかわからない二人には、重過ぎる約束と誓いではなかっただろうか?
私はまだ男女のことなど疎く幼く、止める術など何も持たなかった。


ステキな外観ですね~

続く…
読んでくださりありがとうございます。


離れているから育つ愛、もしくは… ③彼女の話vol1

2015-06-25 10:12:54 | 恋愛 彩とりどりの愛の軌跡
 私から見た二人を描いてきましたが、今回からは当事者の彼女が語り手になります。彼女から聞いた話を忠実に再現し、どうしても足りない点のみなるべく彼女ならこう考え、話し、動くと信じて書きます。
フィクションとノンフィクションが混じった彼女の物語。なので一人称で書きます。【私】は=彼女 貴子(仮)で私ことゆりりんではありません。 では、彼女の恋物語を聞いてください。

 私は、パリのオペラ座をやや興奮気味に親友のMと見学していました。私達は劇団四季の『オペラ座の怪人』の世界が大好きで、関西公演が決まった時に即初日と千秋楽のチケットを予約したのに、ロングラン公演になり、もう一度本当に最後の千秋楽のチケットを購入して、計3回観に行った程役者も、音楽も演出に至る全てに虜にされていたから、本物のオペラ座を見て、空気を感じるだけで、気持ちが高ぶってしまうのは仕方なかった。
Mはボックス席から照明だけキラキラ輝く誰もいない舞台を見下ろし、『怪人』ではなく、オペラ、プッチーニ作『マノン.レスコー』の「華やかに着飾っても」を小さく呟くように歌っていた。
ソプラノからメゾまで出るのは、声楽をやっていたからだろう。
マノン.レスコー、贅沢で優雅でわがままな女。およそMとは別人の女を可憐なのに誇り高い女性に解釈して歌っても違和感が
全くない「貴方がいなければ 柔らかなレースで飾った寝台の中も
死んだように冷たく 私を凍らせてしまう…」
いきなり隣のボックス席から小さい拍手と「ブラボー!」と声が聞こえてMは真っ赤になって両手で口を抑え、とにかく頭を下げた。
そんな仕草も身長が低く、猫毛でふわっとしたセミロングヘア、瞳もつぶらな子猫の様な可愛い彼女には似合う。
暗くてよく見えなかった声の主は、隣のボックス席から私達のボックス席に入って来た。
「ノックもなく…」とMが言えば、「イタリアの女の子かと思ったら日本の女の子だったんだ。イタリア語上手だね。パリにはオペラ留学?」
「まさか…ただの観光旅行です」
入ってきたのは、背の高い日本人の青年2人だった。
眼鏡をかけた理知的な瞳が好奇心に輝いている。
もうひとりは眼鏡の男性より、少し背は低いけど口元に穏やかな笑みをたたえ、二人共同じような雰囲気を持っていた。何処か落ち着いていて、今まで合コンなどで知り合った男性とは何か違って見えた。
元々、私は、中学校から女子校で、大学も系列は違うけど女子大。
Mは大学までは共学校だったから、私よりは男性に免疫はあるとはいえ、突然歌を聞かれオペラ留学かと揶揄されたと勘違いしている今のMはまさに毛を逆立ててる猫みたいに見える。
 「9月も夏休みなら大学生だね。僕達も夏休みだからツアーみたいな旅をしてみようかっていう思いつき旅行。君たちはツアー?」
「いいえ、私たちは自由に行動したいから日程とホテルとTGVや高速バスと飛行機だけ決めたやじきた道中記みたいな旅です!」いいい切る語尾の強さとやじきた道中記になってしまった私たちの旅に、私もそんな答えが返ってくると思わなかった二人も笑ってしまった。
「た、貴子まで笑う事無いでしょ!」
M、真里子は顔を真っ赤に染めて抗議する。
「ごめんごめん。私たち弥次さん喜多さんにいつなったのかと思って…!」
流石に変な事口走ったと真里子は思ってる様子だった。
「では、美人二人のやじきた道中記の護衛に僕ら二人を雇いませんか?まだまだパリは物騒だよ」
「貴方たちが物騒じゃないでしょうね。大使館に走るわよ」
真里子の言葉にくっくっと笑い、眼鏡の男性は学生証とパスポートを見せて、どう?と聞く。
学生証とパスポートの情報は合致していたし、何よりガツガツ感が一切ない二人に真里子はついに立ててた尻尾をおろした。
「いいけど、私は行きたいとこに行くから、そっちの都合にはあわさないわよ」
「かしこまりました、マドモワゼル方」いとも優雅に執事のような仕草で腕を動かす。きっと向こうも演じて遊んでいるんだろう。
「僕は、鷹木哲也。こっちは瀬戸和弘」名乗られたら名乗るしかない。
「結城真里子です」「折原貴子です」
よろしく、と微笑んだ鷹木さんに私は一瞬胸に電流のようなピリッとした痛みが走ったけど、男性になれてない私の緊張だろうと思い、気を取り直して私は顔を上げて二人に微笑んだ。
 vol2に続く


 まだ愛ではない2人の恋 恋の痛みも何もない頃の恋に
    捧げる花


    

離れてるから育つ愛、もしくは…②

2015-06-23 12:15:49 | 恋愛 彩とりどりの愛の軌跡
 私達の旅の最後の国、ドイツに来ていました。
はしゃいでいたのは、私だけだったのかもしれません。
ドイツに憧れてドイツ語を第二外国語に選択し会話もそこそこ出来るくらいには練習してきたのだから。はしゃぎたくもなります。
フランスでは全くアルファベットをそのまま読んでも無駄で、そもそも読めず、二人きりにさせてあげようと1人で観光したのはよかったけどパリのメトロは入り組んでいて、違う列車に乗ってしまい、慌てて戻って駅員さんに聞く始末。それも話せないから地図を見せて、英語やらフランス語モドキを駆使してやっと理解して貰いました。明日の朝にはセーヌ川に浮かんでいないよう、目をバッチリ開けて、リュックを持つ手に力が入ったのは、まだ20歳の小娘の精一杯の自衛でした。
 ドイツはパリじゃなくお店の名前もちゃんとわかる!
彼女も同じくドイツ語を選んでいたので、緊張感が取れているのがわかりました。
 一週間近く一緒に過ごしていると、人柄や家族構成もどんな生活環境かもわかってきます。
彼(Tくん)は、東京の23区内、山の手線の中である目黒区に住み、住んでるマンションはお父様が建てたので、家賃収入で食べていけそうなマンションオーナーの息子だった。(芸能人も沢山住んでるらしい)
それだけならただのお金持ちのボンボンだけど、Tくんはまだ色々と女性をクラクラさせる武器を持っていました。
亡くなったお祖父様は、東大の名誉教授で何等かは忘れたけど勲章も持っていらした立派な方で、お父様も同じく東大の教授、3代目のTくんは残念だけど、東大には二浪しても合格できず違う私立の大学の理工学部に通っていました。将来はやはり大学に残り博士号を取って、講師から准教授、教授と進みたいそうです。
またTくんの家柄は元華族。
お母様も新潟のさる旧家から嫁いできたお嬢様。
聞いてるだけで私は、こんな家族や一族と付き合うなんてゴメンだわと内心思っていました。
Tくんのバックグラウンドはかなりの資産と家柄の良さ。
Tくん自体の風貌は181cmの長身にほど良く筋肉もあり、顔はどことなく唐沢寿明に似ています。メガネが似合い、そのメガネを取ると妙に愛嬌のある笑顔が印象的、ですが、幼い時から恵まれて育ったせいか時々辛辣な言葉で他人や物をけなします。
理系男子は無口と云うのは単なる噂です。私の彼も理工学部で、人前では無口でクールですが、仲間や私といる時はクールな外見から想像出来ない程話好きでお笑い好き。
Tくんも話好きと言うか理屈で人の意見を封じて、自分が話まくるタイプに見えます。
彼女にそう言うと、「自分の意見があるのはいいじゃない?」
「いや、でもあなたの意見も聞いてもらった方がいいよ」
「うーん。でも年上だから私より頭いいし、いっぱい色んなこと話してくれて、聞いてるだけで楽しいんよ」
「そうかもしれないけど」
「心配してくれてありがとうね。私も今色々悩んでて…」
恋してる乙女は人の忠告など無視するか怒るのに、ありがとう。と言ってくれるのが彼女の美点なのです。
旅行前、彼女のお母様に「よろしくね○○ちゃん」と頼まれた責任が私にはありました。まさか異国で恋に落ちましたと聞いたらびっくりしてあの優しいおばさまは倒れないかと今からハラハラします。
「Tくんさ、私達の大学が関西でどのレベルか確かめてたよ。
そりゃ一流じゃないけど、誰もが知ってる女子大だよ?なのに関西では優秀な方?とか聞くし、ムカついてトリプルAランクよ!って答えちゃったわ」
「あははっ○○らしいね💕上の中か下くらいって私は言ったけど」
「はぁ!何言ってんの!東大2回落ちて正月の箱根駅伝や夏の甲子園の出場校の付属大学に行ってるだけでうちらを見下していいわけ?東京では有名じゃないけど、地方からは結構有名な女子大だよ。歴史も長いし」
「まぁまぁ、落ち着いてよ。○○の彼も一流大学なんだし」
「ここで私の彼の大学は関係ないし、そんなことで人を決めるような人じゃないよ」
「知ってるよ~背も高いし優しいし、少し似てない?」
「理系と背が高いしか似てない」「優しいよ」「あなただけにね」
と言うと、彼女は何を勘違いしたか顔をバラ色に染めました。
今は何を行っても無駄、と私はガックリと肩を落としてディナー用のラフなワンピースに着替え、ミュンヘンの有名なビアホールに行きました。
大きなジョッキグラスを幾つも手に持ちながら、歩くウェイターさんに、
可愛いい民族衣装で歌って踊る女性たち。
運ばれてきたビールジョッキは両手を使わないと持ち上がらない重さです。
何とかジョッキを上に掲げて私達は「プロージット!(乾杯)」と言ってビールをゴクゴク飲みました。
私は、お酒は好きだけど弱く、ビールは苦くて1口でいいのですが、流石に本場のビアホールのビールはまろやかで飲み心地良く、思わずゴクゴク、ゴクゴクとジョッキを一杯空けてしまいました。顔をアルコールで真っ赤にしている私を見ていたドイツのおじさん達は、豪快に笑い、
「Ach!Gut!(やあ!いい飲みっぷりだ!「Fraulein,(フロイライン.お嬢さん)ブラボー!」と次の、ジョッキがきました。
「Danke!(ありがとう)」と私は受け取り、お腹も空いていたので、
マッシュポテト、ハーブのソーセージを口に入れながら、先週がミュンヘンのビア祭りだったのに残念だったね、日本から来たのかい?まだ子供なのにすごいな、とか言われ「ナイン,ツヴァンツィヒ(違いますよ~私は、二十歳です」と言うと、「そうか!グラトリーレ(おめでとう)」とまたもや「プロージット!」と乾杯が続く。
ミュンヘンの人はお祭り好きで陽気。
私がドイツのおじさん、おばさんに囲まれているのを、彼女とTくんはニッコリ笑いながら見てお互いに乾杯しながら、ミュンヘンは夜のベールに包まれて行きます。
明日は、ノイシュバンシュタイン城を見学。もはやワーグナーの世界に入ってる私は、酔にまかせてオペラ『リング』のワルキューレの騎行など口ずさみ、おじさんたちはバーゲンの迫力ある場面を歌ってくれました。日本の小娘が酔っ払ってオペラを歌ったのが嬉しかったようです。
二人にはそんな私が目に入らないかのように、二人だけの世界に入っていました。
酔った私を部屋のベッドに横たわらせて、二人は夜のミュンヘンに消えて行きました。


 
 ③に続きます。

離れてるから育つ愛、もしくは…

2015-06-22 08:27:17 | 恋愛 彩とりどりの愛の軌跡

おはようございます。

今朝は、番外編といった内容です。連載形式になります。
長いけど、雪のように儚い愛の話。実話です。

【遠距離恋愛】
私は、経験ありませんが、先日手紙をくれた親友が東京と近畿地方という500キロ離れた距離で東京に住む彼とつきあっていました。
出会いは海外旅行中。場所はパリ。
ドラマか!と私はついツッコミたくなります。だって、私と海外旅行中に出会い、二人は恋に落ちたんですよ?
お互いにツアーなどの団体行動を嫌い、自分たちで行きたい所に行けるけど、ホテルだけはきっちりと豪華なホテルを予約して、何かあれば現地の支店がフォローしてくれるという気ままな旅でした。
偶然、パリのオペラ座で出会った彼も親友との旅の途中。
コースはフランスからスイスを通って、ドイツに行く王道プランで、私達も同じコース。ホテルは流石に違いましたが、恋する彼女は、こんなプランは日本人ならいっぱい組むから単なる偶然としか考えない私とは違い、運命だと信じています。
残されたお互いの親友の片割れ同士である私と彼の親友Sくんは、苦笑しつつも仕方ないので、二人で行動するしかありません。
気を利かして、時々二人きりにしてあげたりもしました。
Sくんは広島出身で東京の大学に通う3年生でした。
私がSくんに恋しなかったのは、タイプでないのも理由ですが、私は、既に3年後夫になる人と出会ってつきあっていたからです。
 彼女は、キラキラした笑顔で本当にに幸せいっぱいといった感じ。
親友が恋に夢中で楽しそうなのは、私も見ていて幸せです。
恋する女性は美しいって本当ですね。
慣れない土地でニキビをつくっている私と違い、きっと何を食べても飲んでも美味しく、甘すぎるチョコレートケーキを食べてもニキビ1つ作らない艶々お肌の彼女は可愛いく見えました。
国際電話の高額さは知っていましたが、彼女がシャワー中に私は寂しくなり、日本に電話をかけました。
彼女に好きな人が出来たと私の彼に話したら、電話の向こうで少しの怒りと心配の混じった声が帰ってきます。
「○○は変わったことないんだろ?」
平静を装っても動揺しているのはわかります。私は笑いながら、
「変わらないよ~。早く帰って逢いたい。あなたとヨーロッパ来たかったよ」
「次は一緒に行こう」「うん。約束」
書いてて顔が赤くなりますね。結婚して幾年月、こんな会話はもうありませんから…💦
 パリの街並みは恋人同士が似合います。
色付き始めたマロニエの葉、石畳の街並を眺めながら、落ち着いたムードのお店で飲むカフェ、秋の初めの澄んだ空、夜のエッフェル塔から眺めると、宝石のように輝く夜景が胸をときめかします。
パリでの最後の夜、二人は、寄り添いながら街を歩いていました。
彼女のカツンと響くヒールの音に、旅の終わりを恐れるかのような
響きを感じました。
次の日はスイスに向かいました。
アルプスの少女ハイジの世界、山に囲まれたホテルはロッジ風でパリとは全く違う魅力あふれる国でした。
チーズフォンデュをお腹いっぱい食べて、私は部屋の丸い窓から外を見ました。彼と彼女は柔らかい草に寝そべって、満点の星空の下何かを静かに話していました。
声は聞こえないけど、輝く星に照らされてる二人は数日前に出会ったとは信じられない程、お互いに強く惹かれ合い、今心からの会話を静かに、でも情熱的に交わしているのでしょう。
2日過ごしたスイスを明日発ち、私達はドイツに向かいます。
ドイツに3日滞在したら、帰国です。
二人は、そのまま付き合うのでしょうか?
私はサイドテーブルのライトを少し暗くして、ベッドに入り、
二人のことを考えながら眠りに落ちました。
何時に彼女が部屋に戻ったのかは知りません…
  ②に続きます。
     (夜は、またいつもの様な私のつれづれ日記になり
       ます。)



続きのドイツ ノイシュバンシュタイン城