暁に咲く幻の花

花が咲くように生きていきたいな。日々のあれこれ、嬉しいこと楽しいこと好きな人のことを、花や自然にことよせて綴ります。

八咫烏シリーズ 第二章スタート 『楽園の烏』 ネタバレあります

2020-10-06 00:00:01 | ライフスタイル
第一章最終巻『弥栄の烏』から3年経ってついに阿部智里さんの新作、『楽園の烏』が九月に刊行されました😊
何度も読み返していたので3年も経ったかな?という気分。
しかも文庫本の表紙の装画が苗村さとみさんから名司生さんに変わってました。
カバーが変わっただけなので(巻末インタビューが増えたそうですが)文庫で揃えてる方はお間違えなさらないようにね。

楽園の烏の装画も名司生さんです。


内容は…『弥栄の烏』から二十年後の物語。
八咫烏たちが住んでいる山内、人間の世界では荒山と呼ばれる山をある実業家(失踪宣告を受けている)の息子が相続することになった。
しかし相続するにはある条件があった。
「どうしてこの山を売ってはならないのかわからない限り、売ってはいけない。」

実業家安原作助の息子(実は養子)安原はじめは、何の事やらわからないまま家族の強引な命令もあり、荒山を養父から受継ぎ、名義人兼管理人となる。
すると、「あの山を売ってくれませんか」という人物が現れ始める。
勿論、はじめには売るつもりは一切なかった。
さて、次はどんな奴がどんな手で交渉しに来るのか何だか楽しくなっていたはじめのもとに来たのは、白いワンピースを着た絶世の美女だった。
瑠璃色に澄んだ夜空のような瞳、長い美しい黒髪。
清らかで神聖さを感じさせる佇まい。だが、まるで人間味を感じさせない、見る者をゾッとさせるような何かをまとった美女。
彼女は自分を「幽霊」と名乗った。そして、彼女もまた山の事ではじめに会いに来たのだった。
「あなたのお父様から、あの山の秘密を教えてやって欲しいと頼まれておりまして」

こうして、はじめ(と読者)を山内へと導いてくれる幽霊は、かって自分は殺されたと言う。
自分だけでなく、両親も大切な人たちも。だから、なんとしても自分たちを殺した者をこの世から滅さなければ成仏出来ないと話す。

え、まさかこの美しい人はあの人達の娘さんでは…?と思っちゃいますよね。
幽霊が連れてきた場所は正しく山内。
そして、山内を統べていたのは…博陸侯雪斎。かっての雪哉だった。
あの雪哉が博陸侯、(金烏と東西南北の当主全てから政務の一切を任された総理大臣みたいな地位らしい。黄烏ともいう)になっているとは!
しかも四十代の雪哉。
黒の衣の上に金の袈裟を纏い、総髪が肩で切り揃えられている。
長束様みたいですね〜

雪哉こと雪斎は、はじめを歓待したが、それは彼の思惑から全く外れたものだった。
はじめには山内という異界のことなど一切知らせず、山の名義を売って貰う手筈だったから。
改めて雪斎は、はじめに山の名義を売ってほしいと請うが、はじめは首を縦に振らない。
金額が足りないのかと言う雪斎に、はじめは金銭以上の何か、自分が売っても良いと思える価値があるものを見せて欲しいと要求する。

そしてはじめは、山内衆の中から北小路頼斗という青年を通訳兼案内人にして、山内を見て回ることになる。
はじめは、頼斗に「ここは楽園か?」と聞く。
頼斗は迷いも躊躇いもなく胸を張って「外界に留学もしましたが、山内こそ楽園です」と答える。
頼斗は、はじめに宮城で宗家の人物や四家の当主達と会うことを提案するが、堅苦しいことは嫌いだと断られる。勿論、お寺とかも楽しくない。
ならば、花街に行こうということになった。

これは第一章、第1巻の『烏に単は似合わない』から始まったのとは真逆ですね。
貴族達の生活よりも、普通の八咫烏が現在どんな生活を営んでいるのかを見せてくれるわけです。

花街に降りたはじめと頼斗は何故か滅びた筈の猿に襲われてしまう。
『弥栄の烏』で雪哉は「鏖殺せよ!殺せ。ただ殺せ。憂いなく殺せ!」と命じ、確かに猿は全滅したはずなのに…
はじめに雪斎は生き残った小猿に温情をかけてしまったから、未だに八咫烏は猿の脅威に怯えているとか話すし、どうなってるの?

花街でもはじめは会う人に「ここは楽園か?」と聞く。
「慈悲深い方が治めて下さっているから楽園です」と笑みを浮かべて皆答える。
はじめでなくたって本当に?と疑問に思いますよね。

猿の襲撃から逃げるうちに、はじめと頼斗は何と千早に助けられる。
わー!千早だーと嬉しく思っていたら、彼は山内衆を辞めてました😱
どうやら雪斎のやり方が気に食わなかったみたいですね。
舞台は、谷間から地下街へと移り、代替わりしたまだ少年の「トビ」も登場。

あれ程民から慈悲深いと奉られていた雪斎は…実はとんでもない為政者になってました😢
長束様から「必要性の奴隷」と呼ばれ、存在しない猿がいるように山内衆の一部を工作員として動かし、地下街の男達を将来山内を襲うであろう災厄に備える為のインフラ整備に従事させ、女郎だった女達には災害に強い作物を作らせ、赤子は人間界に送り、人間として育て、山神様の力が復活するよう祭祀を行うように手配していました。
雪斎は雪哉の頃から変わっていなかった。徹底的に山内大事な八咫烏のまま。
山内を愛しているが故に山内が守られるならば多少の犠牲など厭わない、冷徹な為政者。
雪哉、一体何があったの?

更にはじめは、かっての谷間の王、朔王の養子でした!
真実の名は安原朔。
猿との決戦の時も何の記述もなかった朔王がここで出てきました。彼は、第3の門を使って人間の世界に出て行き、大天狗でさえ出来なかった山の権利を得ることすら出来た。
だから、朔は山内の言葉である御内詞が理解出来ていた。

山の権利を巡って、雪斎vsはじめの駆け引きが始まる。
そして、読者全員の気がかりである、金烏陛下奈月彦と皇后浜木綿、姫宮である紫苑の宮が無事かどうか?
それは次巻以降に描かれることになるけど、早く読みたいですね。

「幽霊」は多分紫苑の宮だと思うし、両親が殺されたと言うのは、政治的に雪哉に負けたということかな〜と想像してます。だから、外界に島流し的な?
雪斎に弟が殺されたら、長束様が許さないよね。
雪斎のやり方は奈月彦には到底容認出来ないものだし。
紫苑の宮の話し方からして、教育係は多分真赭の薄。(浜木綿が育てたら男言葉になっちゃう)
家族揃って人間界に追放されたのかな?真赭の薄や明留もついて行ったとかかな?

だから雪斎vsはじめ&紫苑の宮&トビになるのかも。
これだけ書いて全然違ったらどうしよう💦

次巻は、第一章同様に「楽園の烏」と対になるよう、描かれなかった中央、貴族達のお話だと思います。
待ち遠しいです。

そうそう、コミックの方ですが、「烏に単は似合わない」は完結✳️
「烏は主を選ばない」が連載スタートしてます。




雪哉、いや雪斎。さすが冬木さんの息子さんだわ、と心から思った「楽園の烏」でした。

読んで下さりありがとうございました。


ドラマ 私たちはどうかしている

2020-10-02 21:12:37 | ドラマ
暗い報道が続くのでテレビは夜のニュースとドラマくらいしか見ない日々を過ごしていました。
ドラマは沢山見ましたね〜

まずは『私たちはどうかしている』
浜辺美波さん、横浜流星くん主演の昭和感溢れるドラマ。



もう浜辺美波ちゃんが可愛くて綺麗で、ひたすら彼女の着物姿を愛でていました。




横浜流星くんの和服姿も良かったです。

安藤なつみさんのコミックがドラマ化しました。電子書籍で少し読んだことがあります。
原作はまだ完結していなかったから最終回はどうなるんだろうとドキドキしながら観ていました。
内容はタイトル通りで、主演二人よりもまず親世代がどうかしていました。
親世代は、惹かれ合う二人が家柄の違いで結ばれなかったり、老舗の和菓子屋さんの為に政略結婚せざるを得なかったり、なのに愛がないからと妻に迎えた人に指一本触れず、心がズタズタになった妻は他の男性と通じて子供を身籠ってしまったり、相手の男性の家庭も壊れてしまったり、ついには殺人事件になってしまう波瀾万丈さ。

そんな親たちの負の遺産を背負った二人の愛の物語。
浜辺美波ちゃんは無実の罪を着せられた母の無念と潔白を証明する為に流星くんと結婚する。
流星くんは和菓子屋光月庵の次期当主となる為に日々精進。(あれ?なんのために美波ちゃんと結婚したんだっけ?)

老舗の和菓子屋さんだから家も和風なのはいいとしても、廊下を歩く時に蝋燭を灯すとか驚きでした。しかも電話が黒電話!
光通信とかないのか?Wi-Fiは?などツッコミどころ満載です。

毎回出てくる和菓子がとても美しく、美味しそうなんですよね。
画像なくて…

↑は私がお取り寄せした甘春堂の「天の川」という期間限定の羊羹。
キレイですよね。


山崎育三郎さんも出演。
影に日向に美波ちゃんを支えてくれてました。

美波ちゃんの為にお店も出してくれました。
地主さんの跡取り息子さんだからお金持ちです。


キリッとした眉の美波ちゃんも可愛い〜
育三郎さんは舞台俳優さんだから演技が少し大きくなっちゃうけど、昭和感と昼ドラ感満載のこのドラマでは浮かなかったですね。



まさかの結果になって驚きました😢悲しかったな〜



喪服姿も似合いますね〜



美男美女ですね。



最後は結ばれる二人。





お疲れ様でした。

まだ最終回から日にちが経ってないので、ネタバレしないよう浜辺美波さんの着物姿をご紹介した感じです。

観月ありささんの女将は怖かったし切なかったし、高杉真宙くんはカッコよくて時々可愛くて。
色々お話ししたいのですが、今回はこのあたりで…



昨夜は中秋の名月。とても綺麗な月でした。

読んでいただきありがとうございます。