暁に咲く幻の花

花が咲くように生きていきたいな。日々のあれこれ、嬉しいこと楽しいこと好きな人のことを、花や自然にことよせて綴ります。

八咫烏シリーズ 第一部完結 少しネタバレ有り

2017-08-29 23:40:34 | ライフスタイル
八咫烏シリーズは以前もご紹介しましたが、目下私がハマっている和風ファンタジーです。
著者の阿部智里さんは現役の早稲田大学大学院の学生さん。
2012年史上最年少の二十歳で松本清張賞を受賞なさいました。
デビュー作

『烏に単は似合わない』以来
『烏は主人を選ばない』
『黄金の烏』
『空棺の烏』
『玉依姫』
を毎年一冊ずつ刊行し、今夏
『弥栄の烏』で第一部を堂々完成させました。



『玉依姫』と『弥栄の烏』は文芸春秋のハードカバー
『単から空棺』までは文春文庫で発売中です。

相関図


各巻によって語り手(主役)が違うのですが、シリーズを通してのヒーローは真の金烏である若宮こと奈月彦。超絶美青年。
準主役が若宮を護る雪哉。彼は人気ありますね。最初は生意気な少年なんですが、最後には知略と武力を併せ持つ若宮の最大の味方の参謀役(総参謀長.参謀総長)にまで登りつめます。
ヒロインは若宮の妻で桜の君の尊称を持つ浜木綿。若宮とは幼いころ悪友だった彼女は美しく凛々しい女性になり、若宮のためには自分の気持ちを殺してでも尽くせる強さも持ってます。
準ヒロインは西家の姫、まそほの薄。絶世の美女で若宮の妻になりたかったけど、様々な事情からまそほは浜木綿の女房として彼女を支えます。少し男っぽい浜木綿と女らしいまそほは親友です。

『玉依姫』と『弥栄の烏』はセットで同じ内容を違う視点で描いた作品です。
八咫烏とは何か。八咫烏の神である山神とは何か。烏たちを襲う猿と八咫烏の関係は?シリーズの始めから引かれた伏線を回収しながら、八咫烏を描いた全くの異世界ファンタジーかと思っていたら、『黄金の烏』で人間世界とどうやらどこかで繋がっているらしいことが明かされ、猿と烏はいずれ闘わねばならないと読者にワクワクさせます。
ですが、『玉依姫』で初めて山神が現れ、山神を産み育てる巫女=玉依姫が人間世界の少女から選ばれてきたという歴史が語られる。
猿と八咫烏は玉依姫と共に山神に仕える幸せな何百年という歴史があった。それがいつしか歯車が狂って、ついに百年前、八咫烏の長当時の金烏が山神の住む「神域」と八咫烏たちがすむ「山内」を封印して神域に通じる禁門を閉じてしまった。
だが、ついに閉じられた禁門を奈月彦は開かねばならない状況に陥る。
奈月彦がみた山神はまるで化け物のようだった!
その化け物のような姿をした山神を育てるためにまだ高校生の少女が人身御供として捧げられる。
彼女はどんな選択をするのか。 
八咫烏と貿易をしている天狗の長大天狗の潤天は八咫烏たちと違い、人間界で人間として仕事もしているし、もう何が何やら。
けど、大天狗さんのキャラ好きです。

『弥栄の烏』では、もっと謎が明かされて行きます。
山神の話は一応の終わりを迎えますが、猿と八咫烏の謎は残ります。真の金烏は初代からの記憶を継承して生まれてくるのですが、若宮奈月彦にはその記憶がまるでない。
なんとか百年前の奈律彦の記憶は戻ったけど、それ以前はまるでわからない。
たった一人生き残った猿の長は「わたしだけがそなたの本当の名前を知っている。その名前を取り戻せばそなたの記憶も戻り、山神がこの山にやってくる前の、この山の神だった八咫烏の神性を取り戻し、八咫烏たちは生きていけるやもしれぬ」と話し、名前を知りたければ地面に平伏し接吻し、猿に許しを請えと命じます。
他に方法のない奈月彦は先祖が猿にした仕打ちに青ざめながら謝罪しますが、猿はついに秘密を語ることをせず剣で胸を付き自害します。その時、猿は笑いながら真の姿に戻っていきます。
猿は美しい長い黒髪を持つ女神でした。
猿と共にこの山を統治していた八咫烏の長も女神だった。

山神のいない山。真の名前がついにわからなかった奈月彦が治める山内はどんな崩壊を迎えるのか。雪哉は全ての秘密ごと奈月彦を護って差し上げるから奈月彦は民に何も言うなと言われ、悩みますが他に選択肢はありません。山内がいずれ崩壊するのを知りながらも雪哉は民衆の前で高らかに「山内よ 弥栄なれ!」と叫ぶのです。
胸が痛みます。

若宮が金烏として即位し、奈月彦と浜木綿の間には美しい姫宮が生まれます。紫苑の宮と呼ばれる姫宮は山神が来る前に山を治めていた女神の生まれ変わりかもしれません。
表紙の女性は、単を着ていないから太古の八咫烏の女神か、成長した紫苑の姫宮でしょうか…?
雪哉は美しい姫宮の笑顔をみて、この1年流したこともない涙を流しました。
雪哉の孤独も悲しみも怒りも全て包みこむような優しい笑顔を見せた紫苑の姫宮のために雪哉は生きていくのでしょう。

ざざっと書いてしまい、サッパリわからない方ばかりですよね。
すみません。
是非、一読をオススメします。
『単は似合わない』『主人を選ばない』はいわば登場人物の紹介と山内とはこんな世界ですよ、という導入部分です。
事が動きだすのは『黄金の烏』から。
全寮制男子高を描いた『空棺の烏』も後半大きな出来事が起こります。
『玉依姫』でちゃんと何が起こったか説明があるので、序章で止めず読み続けてください。
『弥栄の烏』を読んだあなたは、もう一度『烏に単は似合わない』から読み直し、この世界を存分に楽しむはずです。

読み終えると日本の神や神事に詳しくなり、調べたくなるかもしれませんね。私も古事記を読んだり、祭をしらべたり、神様の名前や神社を調べました。

日本の神話をファンタジーの材題にした阿部智里さん。
大好きな世界なので、第二部も楽しみにしています。


暁という名の朝顔

読んでくださりありがとうございます。

黒革の手帖 第6話感想

2017-08-25 05:48:51 | ライフスタイル
順調に他人の弱みを武器にお金を手にして銀座のクラブのママになった元子。
その栄華も凋落の影が忍び寄ってきました。


最大のミスは元子の切り札とも言える手帖を奪われたことです。

そんな大事なものを自宅の鍵がかかるだけの引きだしに入れて安心して外出したらダメだわ。
このデジタルの時代にいかにタイトルといえど、黒革の手帖なんて手書きのアナログを何故データ化して金庫に入れておかなかったのか。
その武器を敵の前に出しすぎ。プリントアウトしてきて、目論み通りお金をいただいたら、目の前で破り捨てるか、焼き捨ててやったら良かったんですよ。
大切なものは他人にしかも強請る相手に見せるなんて、賢いようでもやはり甘い小娘です。

武井咲ちゃんは着物姿が本当に似合ってますね😍


古いところで大河『平清盛』で玉木宏演じる源義朝が一目惚れした常盤御前。

綺麗ですよね。



ドラマは八方塞がり。敵ばかり。
そんな元子が心をよせる安島。選挙に当選したばかり。

元子の身を案じてくれますが、政略結婚で妻持ちです。
6話では結ばれた二人ですが、なんの情緒もなかった…

原作通りのラストは今の時代ありえないけど、松本清張作品でハッピーエンドはないですよね。

それにしても仲里依紗の銀座のママ姿が武井咲と比べると上品さに欠けてました。あんなので女の子ついていくかな?

来週は休みで再来週が7話。手帖に代わる何かを手にするのか。
ドキドキします。原作知っていますが今回はどんな演出にするのか、ドラマになる度楽しみです。
江口洋介さん好きなんですが、やっぱり仲村トオルさんが良かったかな。


主題歌を歌う福山雅治さんが武井咲さんに花束を送ってました💐
【聖域】5話あたりから歌詞とドラマが合ってきました。

とにかく『元も子もない』というラストになるんだろうけど(ネーミングセンスが清張らしい)あまり武井元子をいじめないで欲しいなと悪女なのに思ってしまいます。若すぎるからかな。

みんな敵。

読んでくださりありがとうございました。

福山雅治さん Insutaguramu始めました

2017-08-24 00:29:28 | シンガーソングライター
ドラマ『黒革の手帖』の主題歌【聖域】リリースまでの間だけですが、福山雅治さんがインスタグラムを始めました。


最近のましゃお気に入りフレーズ『震えて待て』
ファンの中でも相当コアな方しか震えて待たないよね。いや、震える人は皆無だと思う。ましゃのギャグなんだろうけど、BROS.以外の場所で言ったり書いたりしちゃダメですよ。
私もガクッとなるし寒い。
ぜひ違うフレーズにして欲しいと切に願います。


映画『Scoop』の時から嗜んでる葉巻の写真です。
紫煙をくゆらすましゃ。10年前なら「きゃ~😍💓」だったかもしれない。けど、何だろう「ふーん」で終わってしまいました。
何かの記事では「大人の男性の色気が素敵」とかコメントがありましたが、乳児のいるパパが煙草や葉巻吸ってるのって母親として拒否感があります。夫が吸わない人だから余計に。


次がこの写真。
カッコイイです。それだけです。
色々小物など登場してくるのですが、今まで頑なにプライベートを隠してきた人がCD発売前にインスタグラムを始める戦略は間違ってますよね。あざとくみえます。
そして案の定フォロワー数が伸び悩んでるそうです。

私はTwitterでもインスタでも本人がやりたいならいいと思うんですが、時期を考えるべきかなと思います。
ファン離れに焦ってる、なんて福山雅治に似合わないことを書かれたくありません。
結婚報告を失敗しただけで、奥様がいてもお子さんがいても、私たちが見る福山雅治はプライベートを切り売りしない福山雅治でいて欲しかった。
男性ファンを増やしたいのはわかるので野郎夜ライヴは応援したいです。
でも10代をターゲットにするのは無理がありました。
ローティーンの娘は父親より年上の福山雅治に興味はなく、せいぜいママが好きな人という認識。娘は目下山下智久さんに夢中です。
ハイティーンの息子もファッションや髪型とかを参考にするのは、山崎賢人さんや福士蒼汰さん、竹内涼真さん、最年長でも玉木宏さんかな。何故か男子のくせにKis-My-Ft2が好きで藤ケ谷くんカッコイイとか言ってます。

スカッとジャパンの主題歌も、かっての番組『未来日記』で作った【桜坂】を越えることはないでしょう。
福山雅治さんは自分を支持しているファンの年代を間違えてはいけないですよ。多分もうおばちゃんからキャーキャー言われるより若い世代のキャーキャーが欲しいのでしょうが、(インスタを始めるあたりで本音が見えます。おばちゃんがインスタなんか余り見ないですよね)今まで福山雅治を支えてきたのは福山雅治と共に歳を重ねておばちゃんになった人たちだということを忘れないでください。

地道にコツコツ曲を作ってアルバムだしてツアーをして、俳優もしたいなら主演だけでなく脇役もやってみる。お父さん役とかね。
福山雅治さんは過去の人なんて書かれたものを見たくないです。派手なことをしなくてもファンはついて行きます。
映画も観に行きますよ。(予定だけど)



読んでくださりありがとうございました。

ミュージカル@デスノート観てきたよ

2017-08-23 00:43:27 | ライフスタイル
8月20日うだるような暑さの中、【DEATH NOTE THE MUSICAL】を観に行きました。
16時45分会場。王家の紋章の時より劇場前は長蛇の列でした。


この日は大阪での追加公演で千秋楽の前日。混むのも当然ですが、実は主演のWキャストである浦井健治さんと柿澤勇人さんのトークショーが終演後に行われる日だったのです。
そういえばそういう特別な日だったからチケット取ったんだった、と着いてから思い出すマヌケな私です。






主演 夜神月 浦井健治さん&柿澤勇人さん
   L 小池徹平さん

   死神リューク 石井一孝さん(体調不良のため代役俵和也さん)
   死神レム   濱田めぐみさん
   
   弥海砂   唯月ふうかさん
   夜粧裕   高橋果鈴さん

   夜神総一郎  別所哲也さん

2階席前列一列目だったので、やはり観やすい席でした。
浦井さん目当てでしたから勿論、月役は浦井さんです。
小池徹平さんのL役にもどんな演技と歌なのか興味津々です。
ドラマ『ごくせん』『医龍』と色々見てきましたが、あの可愛い童顔で30代になってどんな役が出来るのかお節介な心配をしていました。



浦井月(キラ)は【王家の紋章】のメンフィス王とは当たり前ですがまったくの別人で、舞台が始まると共に迫力あるメロディー、美しく優しいメロディーとテンポの良い舞台進行に魅了されました。
アニメのデスノートでは月は宮野真守さん、映画では藤原竜也さん(はまり役でした✨)ドラマでは窪田さん。少しづつ3人の要素を感じつつも、どの役とも被らない浦井月を演じていてさすがでした。
私は実は『王家の紋章』のミュージカルでは宮野真守さん目当てで行ったのですが、浦井健治さんのメンフィス王に心奪われたみたいです😍(宮野真守さんもステキなイズミル王子でしたよ)
今ではすっかり浦井健治さんファンです。

ミュージカル デスノートは【正義とは何か】【他者の正義と自己の正義がぶつかった時に自分はどうするのか】がテーマのようです。キラvsLですね。
そして、海砂の全てを自分の命を投げ出しても構わない程の月への激しく熱い愛。死神レムのまるで母親のような海砂への愛。月の破壊へ繋がる狂気的な自己愛もテーマの一つです。


とても綺麗な歌声でした。

濱田めぐみさんのレムはもう流石としか言いようがない程です。
演技も歌も凄い迫力と最期の切なさ。

リュークの俵さんは代役とは思えないほど魅力的で面白いリュークでした。石井さんのリュークも観たかったですが残念です。
早くお身体が良くなりますように…

俵リュークと柿澤さん。

小池徹平さんのLは合ってました。松山ケンイチさんとも山崎賢人さんともまた違う味のあるLでした。歌も上手で驚きました。
これからも頑張ってね✨


東京公演が一ヶ月残っているのでネタバレは出来ないですね。
全体的に満足出来た作品です。再演されるはずです。

終演後のトークショーは浦井さんの準備が整うまで先に千秋楽を迎えていた柿澤さんのトークから始まりました。
午前の部を無事終えた柿澤さんはホテルで睡眠をとってから駆けつけてくれました。なにやら悪夢で目がさめたそうです😱
浦井さんが再登場して二人のトークショーが始まり、出演者さんからの質問コーナーや一番苦労した場面とかを笑いタップリで話してくれて、濱田めぐみさんからの質問の時は浦井さんは「姉上」と呟き『王家の紋章』ファンを喜ばせてくれました。

最期のどんでん返しには驚きましたが、浦井さんの演技も鬼気迫る凄いものでした。

重いテーマを時に笑いをいれながらも、シリアスに二人の天才の頭脳戦を描き、常にデスノートのルール【名前を書かれた者は40秒後心臓発作で死ぬ】ということを観客に忘れさせないよう刻を刻む音が聞こえる舞台でした。
また大阪公演で再演して欲しいと思うほど楽しかったです。



読んでくださりありがとうございました。