2018.4.27 産経新聞
経済同友会の小林喜光代表幹事は26日、産経新聞などのインタビューに応じ、消費税率を来年10月に10%へ引き上げると同時に、国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)を平成37年に黒字化させるためには、「消費税率を14%まで引き上げるべきだ」と語った。
小林氏は「国家の持続制を確保することが重要で、そのためには財政再建は欠かせない」と強調。昨年の衆院選で、「野党が軒並み消費税率引き上げの中止や凍結を打ち出す中で、明確に引き上げ方針を示したのは自民党であり、安倍晋三政権だ」と指摘し、引き続き財政再建路線を進めるべきだとの考えを示した。
また、財政健全化を先送りさせないためにも「諸外国にあるような財政の状況を客観的にチェックし、政府を監視する第三者機関を設置すべきだ」と訴えた。
【 所 感 】
未だわが国で「財政再建」などと・・・。
これまでも国民の多くは、あらゆる困難に見舞われながらも、辛抱強く耐えに耐えてきたわけでありますが、結局のところわが国の政財界に携わる者たちが、その苦しみというものをまったく理解できていないのですから、たまったものではありません。
充実した社会保障などと謳っては国民を騙し、あらゆる格差を助長し、さらには深刻な少子化を招いただけに過ぎず、「経済」とは何であるのか、を深く考えることもなく、毎年多くの国民を自殺へと追い込んできたんじゃないのか!!と声を大にして叫びたくなります。
財政再建というのは、まずは経済が安定されていることが絶対条件でありますから、「安定経済なくして財政再建なし」ということをまずは自覚しておくべきです。
では、現在わが国の経済状況はどうなんでありましょうか。
人それぞれ感じ方は違うのは当然のことでありますが、筆者としては、故西部邁先生が仰った言葉がすべてを物語っているように感じています。その言葉とは、
「底が抜けた人々の底力があれば見せてください!」
あくまでも故西部先生は、日本文明の底が抜けていると仰っていたのですが、今回の記事では日本経済の話題でありますから、"底"とは経済、そして"底力"とは財政再建などに置き換えることもできると考え、話を進めていきたいと思います。
経営者や労働者というのは、会社の利益ばかりに偏ってしまうと、どうしてももう片一方が見えてこなくなるものです。それはなにも否定されるものでもありませんし、社会貢献として必死に働き利益をあげることは、本当に素晴らしいことであります。
ですが、そうした頑張りが報われない経済(社会)というのは如何なものでありましょうか。
わが国における戦後復興も昭和39年の東京オリンピック、昭和45年の大阪万博をもってほぼ完結しております。
そうした戦後復興を支えてこられた世代の方々も、超がつくほどご高齢となりました。
戦後復興を支えてこられた方々に対する社会保障の責務は当然のこととしましても、その後の戦争もない豊かな人生を謳歌してきた者たちにまで保障する責務が果たして国家国民にあるのでしょうか、甚だ疑問であります。
こんなことを言うと多くの国民にドヤされるのかもしれませんが、すでにわが国の経済状況は、底が抜けているという現実を直視したほうが宜しいのかと思いますし、無視されるというのであれば、いつまでたっても政財界に君臨するものたちに良いように喰いものにされるだけのことです。そしてなによりも現在の底の抜けた経済状況のままでは、決して報われることもありません。
最後に、経営者と労働者が争うことなく、ともに汗を流しともに報われる安定した経済(社会)に変えていかなければならない(若しくは戻していかなければならない)と強く感じられ、そのために何を為すべきなのか、真剣に考えていかなければならない時なのかもしれません。
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