◆ 自公政権による『国民の意識改革』という名の洗脳政策
そもそもとして、この長引くデフレ下の状況で雇用がなぜ拡大したのか? その答えは実に簡単で、政府が企業に対して、高齢者・障碍者・外国人などを雇用すれば補助金を出すなどの馬鹿げた政策によってであり、実体経済としての価値(数値)を示さないことは明らかなことです。
よって、安倍政権の掲げるアベノミクスが失敗であったことを認めない限りは、10月に実施される消費税引き上げによるショックというものが、私たち日本人に対して甚大な被害をもたらすことは想像に絶えないわけであり、一体どれだけの国民が経済的な理由でもって犠牲となるのかが懸念されるところでもあります。
これまで私たちの諸先輩方が戦後復興の中で懸命に働くことで、世界第二位という経済大国にまで登りつめることができました。
「これで日本は大丈夫だ…」
しかし、そんな諸先輩方の想いとは裏腹な政策ばかりを自民党政権は推進してきたことで、『老害』という意識が若者の中に生まれ、年代格差が助長されるようになり、昭和期の繁栄を支えた人を称えようとはしなくなりました。
その上で、自公連立政権がこれまで実施してきた経済政策に対して想うことは、『国民の意識改革』というものが最大の重要ポイントだったのではないか、ということであります。
それは戦前と戦後のときのように、バブル期の前後によって国民の経済的価値観を分断する作用が働いていたのではないか、と考えることで、現在の日本社会が抱える問題等が恣意的に創造されたものだと解することができるのです。
しかし、現在の主流派経済学者の基本的価値観によれば、デフレは自然現象(国民の意識)的に派生するものであるという解釈からすれば、意識改革を推進してきた自公政権の経済政策というのは、あくまで国民の意識を誘導してきただけの、いわゆる「洗脳政策」に過ぎないのです。
例えば、消費税が導入されて30年が経ち、消費税が存在しなかった時期を若い世代は知りません。また、所得税や厚生年金や医療費などの支払う額も30年前と現在とでは大幅に違っていることも知りません。
さらにいえば、現在の若者の多くにとってはデフレが当然のことであり、所得拡大よりも奉仕することで世の中が良くなる(循環型社会)という意識が強いようにも感じられるのです。
このように、主流派経済学に基づく経済政策というのは、実際に何かしらの施策によって実施されることをいうのではなく、単に『国民の意識改革』がこの30年来実施されてきただけのことであり、その損失は計り知れないほどの規模に達していると言わざるを得ないのです。