論語を現代語訳してみました。
為政 第二
《原文》
子曰、道之以政、齊之以刑、民免而無恥。道之以徳、齊之以禮、有恥且格。
《翻訳》
子 曰〔のたま〕わく、之〔これ〕を道〔みちび〕くに政〔まつりごと〕を以〔もっ〕てし、之を斉〔ととの〕うるに刑〔けい〕を以てすれば、民 免〔まぬが〕れて恥 無し。之を道くに徳を以もってし、之を斉うるに礼を以てすれば、恥 有りて且〔か〕つ格〔ただ〕し。
子 曰〔のたま〕わく、之〔これ〕を道〔みちび〕くに政〔まつりごと〕を以〔もっ〕てし、之を斉〔ととの〕うるに刑〔けい〕を以てすれば、民 免〔まぬが〕れて恥 無し。之を道くに徳を以もってし、之を斉うるに礼を以てすれば、恥 有りて且〔か〕つ格〔ただ〕し。
《現代語訳》
孔先生はさらに、次のように仰られました。
しかし、人々の暮らしを安定させるためにはと、政令や法律に依存してみたり、刑罰を厳しくしてみても、結局のところは、法の範囲内なら何をやっても許されるんだ、だったり、刑罰が怖いから法律を守るんだ、など。
こうした考え方をする人があとを絶たなくなり、結果、恥を恥とも思わなくなってしまいよる。
だから、こうした法律や刑罰ばかりに依存するのではなく、きちんとした道徳心に基〔もと〕づくこと、そして、世の規範〔きはん〕を第一とすることで、自らの行いを省〔かえり〕みるようにもなり、人として、やって良いことと悪いことの分別〔ふんべつ〕を、つけられるようにもなるのじゃよ、と。
〈つづく〉
※ 関連ブログ 道くに徳、斉うるに礼
※ 現代語訳については、同出典本と伊與田學氏の『論語 一日一言』から参考としている
※ 原文・翻訳の出典は、加地伸行大阪大学名誉教授の『論語 増補版 全訳註』より
※ 孔先生とは、孔子のことで、名は孔丘〔こうきゅう〕といい、子は、先生という意味