論語を現代語訳してみました。
為政 第二
《原文》
子曰、非其鬼而祭之、諂也。見義不爲、無勇也。
《翻訳》
子 曰〔のたま〕わく、其〔そ〕の鬼〔き〕に非〔あら〕ずして之〔これ〕を祭〔まつ〕るは、諂〔へつら〕うなり。義〔ぎ〕を見みて為〔な〕さざるは、勇〔ゆう〕 無〔な〕きなり。
子 曰〔のたま〕わく、其〔そ〕の鬼〔き〕に非〔あら〕ずして之〔これ〕を祭〔まつ〕るは、諂〔へつら〕うなり。義〔ぎ〕を見みて為〔な〕さざるは、勇〔ゆう〕 無〔な〕きなり。
《現代語訳》
孔先生はまた、次のように仰られました。
王朝が乱れた本質的な原因は、先祖に対する敬いの心が失われてしまい、いかに御霊〔みたま〕を祭ったとしても、単なる見せかけだけのものに陥ってしまったことだ。
また、人の義(ただしさ)を見て賞賛〔しょうさん〕はしても、実際に行おうとはしなかったこと。
結果、不義〔ふぎ〕を蔓延〔まんえん〕させてしまい、大義〔たいぎ〕を述べる勇〔いさ〕ましささえも消え失せてしまったのだよ、と。
為政 第二 おわり
※ 孔先生とは、孔子のことで、名は孔丘〔こうきゅう〕といい、子は、先生という意味
※ 原文・翻訳の出典は、加地伸行大阪大学名誉教授の『論語 増補版 全訳註』より
※ 現代語訳は、同出典本と伊與田學先生の『論語 一日一言』を主として参考にしているが、決して両先生を否定するものではない
※ 画像は、魅力的なフリー画像『Pixabay』さんより