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知的障害の娘殺害:母親に無罪判決 大阪地裁
毎日新聞 2014年09月03日

重度の知的障害と難病を抱える長女(当時29歳)を殺害したとして、殺人罪に問われた大阪府吹田市の母親(58)の裁判員裁判で、大阪地裁は3日、犯行当時の責任能力を否定し、無罪(求刑・懲役4年)を言い渡した。田口直樹裁判長は「重い介護負担でうつ病を発症し、心神喪失状態だった」と述べた。

判決によると、母親は昨年10月、自宅マンションで長女を浴槽に沈めて窒息死させ、自らも池に飛び込んで自殺を図った。検察側は、母親が将来を悲観して無理心中を図ったと指摘し、うつ病の影響も心神耗弱にとどまると主張していた。

判決で田口裁判長は、長女が昨年4月、発疹や発熱が続く難病「全身性エリテマトーデス」を発症して常時介護が必要になり、負担の増した母親がうつ病になったと指摘した。さらに、事件直前の9月下旬には夫が介護に協力するため休職し、長女の病状も好転していたとして、「将来を悲観して無理心中する状況ではなかった。母親は長女に愛情を注いでおり、事件はうつ病の影響のみで起きた」と結論付けた。

判決言い渡し後、田口裁判長は「病気を治し、楽しかった頃の長女の思い出と一緒に生きていってほしい」と母親に声を掛けた。

大阪地検の北川健太郎次席検事は「内容を精査し、適切に対応する」とコメントした。【堀江拓哉】



◇ ◇ ◇ ◇ ◇


(心神喪失及び心身耗弱)
第39条
心神喪失者の行為は、罰しない。
心身耗弱者の行為は、その刑を減軽する。


色々と考えさせられる判決ではありますが、この裁判長の「無罪」言い渡しの判決が、現在の司法の限界なんでは?と感じました。刑法上は無罪なのでしょうが、本来ならば「殺人」を犯した者には何らかの刑罰が与えられなければならないはずであります。

そうした社会的責任追求にまで及ぼすことが出来ない現在の司法では、国民感情を納得・安心させることは不可能であります。牢屋にブチ込むだけが刑罰ではないと思うのです。
 
今回のように、殺人を犯した者に対する同情の念が多く発せられる事件であっても、やはり国民が納得・安心出来る判決を下して頂きたいと思いますし、今後、この母親には、娘を亡き者としたことへの償いの日々を送って頂きたいものです。

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コメント一覧

ゆぃこ

社会の秩序を守るために法律は出来たと理解していますが、昨今の日本社会はどうでしょうか?

法律が世の秩序を乱しているように感じてなりません。

今回のことに関してもそうです。介護でストレスが溜まり、うつ病状態になれば、殺人を犯しても許される。

どんな経緯があったのかはわかりませんが、殺人に対する罪が無いということは、有り得ないことだと思います。
それがまかり通る日本…

そんな同情を買うような判決を世に報告するよりも、人の命を奪うことの罪の重さを知らせることの方が大事なのではないかと思いました。

椿
 命を以って償う「死刑」という制度を除いて

命を勝手に奪うことに、許される理由はないと、私は思います。
自分以外の他の命を、本人の意思に関係なく断つことは、してはいけない、許されないことです。

こうした介護などに伴い、精神的に追い詰められて殺人に至ってしまう事件が本当に多くなりました。
人、一人の命を断っていながら「無罪」が決定するのは、時代をそのまま映しているのではないでしょうか。

『自分だっていつかは、介護する立場になる』
『もし、その人の立場になったら、悪いことだけど、気持ちも状況も考えたら、仕方なかったのかも…』
--と、心のどこかでは、皆そう感じているから、他人の命を奪って「無罪」と聞いても、何の疑問も感じない。

そのお母さん一人を、法で裁けば済む問題ではないと思います。
明日は我が身として、受け止めるべき事件です。


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