「差別の現実知ってほしい」 山口県人権啓発センター・川口泰司さん
部落差別以上に、経済的理由なんかで苦しんでいる一般国民が沢山いるというのにな。さらには
「先人たちが積み上げてきた100年の歴史がひっくり返ってしまった」
差別の現実を知る前に、現在の日本社会をもっとよく知ろや!!
ほんでいうとくが、私も同和地区出身者やし、現実に差別らしいことも受けた経験はある。しかしそれは自分がまだまだ未熟者だったからだと改心すれば、私を差別した人に対する憎しみなんかは消え失せてしもうたわ。
しかも、部落地域を公表することがタブー視されていたわけではなく(公表は昔からある)、その問題によって利得を蝕む者がいることがタブーだったのであって、問題点のすり替えは悪質極まりない。
気がついたらその場で立ち上がっていた。「俺がその部落の人間やで」。教室中の視線が集まった。「俺、怖いか。何か違うんか。俺自身を見て判断してくれや」。言い終わると、全身の力が抜けて涙があふれた。すると、クラスメートらが次々に打ち明け始めた。父親がいないのを隠していたこと、容姿をからかわれて傷ついていること――。川口さんのカミングアウトを、それぞれが自身と重ねて受け止め、思いを返してくれた。クラスの雰囲気が変わった。
あぁこのようなことも、私自身が高校を入学してやったことと同じで、当時を思い出してしまったど。
私の場合は、担任の許可を得、教壇に立ち、「俺は同和地区出身者や!なんど文句(意見)がある奴はあとからでもいうてこいや!」と威勢のいいことをいってしもたけど、あとになって考えると無様すぎて思い返すのも恥ずかしいほどだ。
人もだれしも、他者には言えない悩みや事柄を抱え生きているわけで、そうしたことを互いに尊重しあえばこそ、人は他者に対しての優しさや思いやりみたいな心が芽生えてくるわけであってだな…と云々。