和貴の『 以 和 為 貴 』

論語:公冶長第五 〔12〕 爾の及ぶ所に非ざるなり


論語を現代語訳してみました。



公冶長 第五

《原文》
子貢曰、我不欲人之加諸我也、吾亦欲無加諸人。子曰、賜也、非爾所及也。

《翻訳》
子貢
〔しこう)〔い〕わく、我〔われ〕 人の諸〔これ〕を我に加〔くわ〕うるを欲〔ほっ〕せざるや、吾〔われ〕も亦〔また〕 諸を人に加うること無〔な〕からんと欲す、と。子 曰〔のたま〕わく、賜〔し〕や、爾〔なんじ〕の及〔およ〕ぶ所〔ところ〕に非〔あら〕ざるなり、と。




《現代語訳》


子貢さんが、孔先生に対して次のように仰られました。


先生。わたくしとしましては、他人〔ひと〕が私に、良くないことを押し付けてくることを望みませんので、同じく私も、他人に良くないことを押し付けないよう心掛けたいです、と。


先生はこれに対して次のように仰られました。


〔子貢のこと〕よ。他人がいくら自分に押し付けてこようとも、己の信念や軸だけは変わらずもつことじゃよ、と。


〈つづく〉



《雑感コーナー》 以上、ご覧いただき有難う御座います。

孔子の弟子にして外交の才があった子貢ですが、実は孔子一門の大スポンサーだったという噂も…。

そんな子貢、今回は、ちょっとドヤ顔気味で先生に尋ねられたんじゃないでしょうか?(^^) けれども、先生にいい様に言い返されてしまって、ちょっと切ない感じです(笑)

カネ儲けの才にもが秀でていた子貢ですが、なぜ、孔子の弟子になられたんでしょうか?それも不思議なんですが、しかしながら、道徳とビジネスを世界でもっとも早くに考えられ、追及された人物だったんではないでしょうか。

しかも、2年後?に一万円札のお顔になるという渋沢栄一よりも、2400年以上も前に、そういうことを考えていた人がいたとすれば、それは本当にすごい話ですよね~(*´з`) あ~、ほんま古代史って実にたのしいです。


※ 孔先生とは、孔子のことで、名は孔丘〔こうきゅう〕といい、子は、先生という意味
※ 原文・翻訳の出典は、加地伸行大阪大学名誉教授の『論語 増補版 全訳註』より
※ 現代語訳は、同出典本と伊與田學先生の『論語 一日一言』を主として参考


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