武勇伝
2009-08-03 | 日記
人間は予想だにできないような出来事に遭遇すると、多かれ少なかれパニックに陥ってしまうものである。
例えば近年のニュースなどで頻繁に報道されている「熊の出没」を例に挙げるとすれば、狩人もしくは熊の調教師じゃない限り、間違いなく誰でも出会った瞬間にビックリして慌てふためくに違いない。
それはきっと熊との遭遇はニュースの中の出来事であって、自分とは縁がない世界だ。という思い込みや、予想外の迫力、大きさ、スピードに圧倒されてのパニックなのだろう。
なににしても、想定外な出来事に遭遇するということは、誰の身に襲いかかってもオカシくは無いのである。
少し前のこと。
一人でドライブをしていた僕は、全くひと気の無い海辺に車を停め、ボケーっと波打ち際を眺めながらタバコを吸っていた。
前方には見渡す限りの海が広がり、後方は断崖絶壁の山。
なんだか自然に包み込まれてしまいそうな場所である。
そんな場所で数十分ほど時間を潰し、おもむろに腰を上げた時だった。
左前方、僕の車が停めてある方角の岩場付近から、黒く、大きな動物が走り出してきたのだ。
僕は慌てて近くの堤防に身を潜めた。
その堤防から100mは離れていただろうか。
逆光で遠目でしか確認できないが、明らかに大きく、動きも速い。
突然の出来事に、僕は体験した事もないような恐怖に包まれた。
今まで僕は、イノシシやサル、ウサギなどの野生動物は見た事がある。
しかしその辺りで“熊に遭遇した”などという報道や噂など聞いた事もない。
けど、あんなデカい野生の動物に遭遇した事など恐らく初めてだ。
しかもこんな所で、よりによって一人ぼっちの時に・・・
僕は目が合うのが恐くて堤防から顔をだす事も出来ないでいた。
しかしこのままでは見つけられてしまうかもしれない。
なんと言っても野生の動物の臭覚は、人間の数百倍だと聞いた事がある。
とにかく僕は最悪な状況を避ける為に、ゆっくり深呼吸し、冷静になるよう努めた。
人間、パニックの状態から無理矢理に冷静になろうとすると、時々おかしか思考回路が働く事がある。
大衆の面前でスッコロんだ時に、何故か大笑いしてしまうのもその一つだろう。
僕もその時、そのおかしな思考回路が働き始めていた。
“熊と戦う”
こともあろうに、武勇伝を創る絶好のチャンスと考えてしまったのだ。
もしヤツを倒せば、永遠に語れる武勇伝となるだろう。
年老いた僕が自慢げに、孫へと語る姿が目に浮かぶ。
しかし、やはり恐い。
でもこんなチャンスは今後生きて行く中で2度とないだろう。
こんな武勇伝、誰にも真似が出来ないハズだ。
僕は間違えた勇気に包まれた。
そして呼吸を整え、意を決して堤防を乗り越えた。
すると僕の目前には、セントバーナードと楽しげにじゃれ合う飼い主さんが目に飛び込んできたのである。
人は慌ててパニックに陥ると、普通ではない思考回路が働き、普段では考えられないような失態を犯してしまう事がある。
この間違えだらけの精神状態で、もしあの時ホントに熊さんだったら、僕はかなりの高い確率であの世に逝ってしまっていたに違いない。
ちゃんと確認する前に妄想してしまい、現実より妄想が勝ってしまったが故に起きた失態だったのだ。
どんな時も、まず冷静になる事。
これは普段から、訓練しておく必要があるのかもしれない。
例えば近年のニュースなどで頻繁に報道されている「熊の出没」を例に挙げるとすれば、狩人もしくは熊の調教師じゃない限り、間違いなく誰でも出会った瞬間にビックリして慌てふためくに違いない。
それはきっと熊との遭遇はニュースの中の出来事であって、自分とは縁がない世界だ。という思い込みや、予想外の迫力、大きさ、スピードに圧倒されてのパニックなのだろう。
なににしても、想定外な出来事に遭遇するということは、誰の身に襲いかかってもオカシくは無いのである。
少し前のこと。
一人でドライブをしていた僕は、全くひと気の無い海辺に車を停め、ボケーっと波打ち際を眺めながらタバコを吸っていた。
前方には見渡す限りの海が広がり、後方は断崖絶壁の山。
なんだか自然に包み込まれてしまいそうな場所である。
そんな場所で数十分ほど時間を潰し、おもむろに腰を上げた時だった。
左前方、僕の車が停めてある方角の岩場付近から、黒く、大きな動物が走り出してきたのだ。
僕は慌てて近くの堤防に身を潜めた。
その堤防から100mは離れていただろうか。
逆光で遠目でしか確認できないが、明らかに大きく、動きも速い。
突然の出来事に、僕は体験した事もないような恐怖に包まれた。
今まで僕は、イノシシやサル、ウサギなどの野生動物は見た事がある。
しかしその辺りで“熊に遭遇した”などという報道や噂など聞いた事もない。
けど、あんなデカい野生の動物に遭遇した事など恐らく初めてだ。
しかもこんな所で、よりによって一人ぼっちの時に・・・
僕は目が合うのが恐くて堤防から顔をだす事も出来ないでいた。
しかしこのままでは見つけられてしまうかもしれない。
なんと言っても野生の動物の臭覚は、人間の数百倍だと聞いた事がある。
とにかく僕は最悪な状況を避ける為に、ゆっくり深呼吸し、冷静になるよう努めた。
人間、パニックの状態から無理矢理に冷静になろうとすると、時々おかしか思考回路が働く事がある。
大衆の面前でスッコロんだ時に、何故か大笑いしてしまうのもその一つだろう。
僕もその時、そのおかしな思考回路が働き始めていた。
“熊と戦う”
こともあろうに、武勇伝を創る絶好のチャンスと考えてしまったのだ。
もしヤツを倒せば、永遠に語れる武勇伝となるだろう。
年老いた僕が自慢げに、孫へと語る姿が目に浮かぶ。
しかし、やはり恐い。
でもこんなチャンスは今後生きて行く中で2度とないだろう。
こんな武勇伝、誰にも真似が出来ないハズだ。
僕は間違えた勇気に包まれた。
そして呼吸を整え、意を決して堤防を乗り越えた。
すると僕の目前には、セントバーナードと楽しげにじゃれ合う飼い主さんが目に飛び込んできたのである。
人は慌ててパニックに陥ると、普通ではない思考回路が働き、普段では考えられないような失態を犯してしまう事がある。
この間違えだらけの精神状態で、もしあの時ホントに熊さんだったら、僕はかなりの高い確率であの世に逝ってしまっていたに違いない。
ちゃんと確認する前に妄想してしまい、現実より妄想が勝ってしまったが故に起きた失態だったのだ。
どんな時も、まず冷静になる事。
これは普段から、訓練しておく必要があるのかもしれない。
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