Heart Forest

日常生活の中でちいさな楽しみを探して行きます。

信じたい故に慎重に

2019-09-14 11:38:20 | 読書
こんにちは。

エルです。


今日の感想はこちら。

道尾秀介『背の眼』
これはデビュー作で、ホラーサスペンス大賞の特別賞受賞作。
この時の大賞は沼田まほかる『九月が永遠に続けば』でした。

沼田まほかるのこの本は読んだ気もするのだけれど憶えていないなあ。
でも蒼井優の主演した映画『彼女がその名を知らない鳥たち』(沼田まほかる原作)が面白かったので読もうかな。


思いっきり脱線しましたが、この『背の眼』はどう考えてもホラーなのだけれど、民俗学や精神病理学(書いてて自分でも怪しくなってきましたが)も絡んでいてなかなか楽しめました。

最初の方を読んだところでは純然たるホラーだ!どうしようかな、最後まで読むべきかな?と迷いました。
ホラーのあたり外れは結構あるので。

だけれども、語り手を作家・道尾秀介として、不可解な神隠し事件や心霊写真が出て来ると、
それとこれがどう繋がるのか?という興味も出てきます。

タイトルはこの語り手である道尾の友人、真備(まきび)が心霊現象の研究をしていながらも、霊の存在を鵜呑みにしないようにしていることから。

本当は霊の存在を彼が一番欲していて、確認を取りたがっている悲しい理由があるのですが、

易きに流されては意味がないのです。


結局はこの真備が探偵役になって事件は解明されます。


けっこうボリュームがあるのでちょびちょび読んでいましたが、後半は一気に読みました。


ラストで少年が道尾に明かす話が美しくて好きです。




今日の良いこと・食欲の秋というのか果物が美味しいです。
夏はひたすら西瓜な日々でしたが、プラムも葡萄も美味しく頂きました。




皆様に幸運を!