こんにちは。
エルです。
今朝方読み終えたのは
寺地はるな『希望のゆくえ』。
失踪した弟希望(のぞむ)を探す兄の誠実(まさみ)。
誰からも「いいひと」と言われていた希望のことを誠実は知らなかった。
機能不全家族(いやいや、きちんと機能している家族ってどんなものを言うのだろう?)というのか、高圧的な父、父の言いなりで奴隷のように尽くす母、見て見ぬふりでやり過ごすしかなかった誠実。
そのなかで人が何を求めているのかを感じ取っていた希望。
希望へと繋がる手がかりを求めて行動する誠実の前に現れる人達もまた、それぞれの苦しみを抱えている。
希望と一緒に家から居なくなったという女性も毒親(この言葉が日本語として定着するのは苦しいな)に縛られ、罵られて生きていた。
恋愛感情もなくそんな彼女に付き添った希望。
本当に飢えかつえていたのは希望自身だと思えるのに。
そして、希望と誠実の母親が誠実に対して怒りを爆発させる場面は恐ろしかった。
この母のもとへ希望が帰ったとしても希望はすり減るだけだろう。
空っぽの箱のような自分に皆が色んなものを投げ入れてくると言っていたという希望。
何処かで自分のために生きているといいな、と思う。
それにしても寺地はるなは容赦がない。
暫くは、脳内お花畑な小説を読みたくなりました。
今日の良いこと・穏やかな日。雨は降ったりやんだりですが、雨の切れ目を縫って囀ずるウグイスの声を聴くのが気持ち良い。
皆様に幸運を!