こんばんは。
エルです。
村上龍『半島を出よ』上下巻ようやく読了。
金正日への不満分子を装って北朝鮮の軍隊が福岡に上陸し、そこを拠点に日本を制圧しようとする話。
平和ボケした日本人は、なす術を知らず
総理も大臣たちも言葉を濁すばかりで積極的に北の軍人と対峙するのを避ける。
そうしながらも福岡を地区ごと閉鎖して
問題から目を反らそうとさえする。
福岡県民は不自由を訴え、友好的に見えても武装した軍隊に恐怖を抱く。
年配者でさえアメリカが守ってくれるのではないかと考える所がリアルで怖い。
安保条約を読み直して、そんな都合の良い話は無いことにすぐ気付くけれど。
どこの国でも助けを求める姿勢がなければ誰も何処も助けないだろう。
それとてあくまでも自国の益になればの話。
フィクションではあるが、国の対応が杜撰なところがなんともリアル。
登場人物の描写は北も日本もそれぞれが変わっていて、そこが面白いとも言える。
(途中、筒井康隆『農協月へ行く』を思い出すような下ネタの酷い人物も登場)
気が付けば、図書館から借りたこの本に、次の人の予約が入っていたので最後は急いで読みました(笑)。
今日の良いこと・買い物したり、新たな本を借りたりするうちに雨が土砂降りになってしまったけれど、頭のなかでイメージした通りに動けたので満足感がありました。
皆様に幸運を!