こんにちは。
エルです。
今ごろになって急に気になった村上龍の芥川賞受賞作『限りなく透明に近いブルー』読了。
彼の作品でオンタイムに(?)読んだことがあるのは『コインロッカー・ベイビーズ』くらい。
新しモノ好きの姉が当時買った本だった。
コインロッカーに赤ん坊が捨てられるという信じられない事件が何件か起こった頃だ。
その本が自分には暴力的で苦手だったから、好んで村上龍作品を読もうとは思っていなかった。
雑誌のエッセイは面白いのに。
『限りなく~』は横田基地の近く、福生市の米国人アパートが舞台。米軍ハウスっていうのかな。
今でもメンテナンスして住む若者がいる、人気の家。日本のアパートに比べて広いのかな。
主人公で19歳のリュウは、仲間たちと自堕落な生活を送っている。
とにかくクスリ、錠剤を噛み砕いてフラフラになって、ヒロポンだハシシだと打ちまくる。
昔のそれこそ芥川時代か?と思う規制のユルさ。
米軍はノーチェックで娯楽の為にクスリを手に入れられるのかしらん?
MPというのも出てくるから、おおっぴらにやられるのはマズイ、くらいの認識だったと思われる。
評価は物凄く別れるこの作品。
グロいパーティの描写なんかが原因かな。
リュウがいつもさめていて、何かを(自分にとって或いは世界にとっての真実?現実?)見ようと必死になっているのが
グロを蹴散らして読者に迫ってくる。
その皮膚感覚のようなもの。
沸騰したお湯がガラスのポットの表面を疣で覆う、果物が腐臭を放つ、腕に付いた泥が白く乾いていく・・・。
彼は何を見ようとしていたんだろうか。
人間は孤独と同義語とすら思う。
思いがけずひきこまれた作品てした。
今日の良いこと・今日は逃れようもなく雨。傘を差して出来るだけ遠回りしながら歩いてきました。
歩くのは心に効くと思います。
皆様に幸運を!