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ラヂオ惑星モルファス

カトリーヌ・ル・フォレスティエ・・・La chambre rouge(赤い部屋)

レコードの棚に置いたまますっかり忘れていたアルバムがありました。タイトルは『愛の世界/カトリーヌ デビュー』という日本デビューアルバムです。
名前を見ると、シャンソン好きの方はピンとくると思いますが、彼女はシャンソン歌手のマキシム・ル・フォレスティエの姉に当たります。
1946年5月パリ生まれです。(レコードのライナーノートには1948年生まれと書いてありますが、これは間違いだと思われます)音楽一家に育ったようで、姉はクラシックのピアニスト、次女のカトリーヌと弟のマキシムはシンガーソングライターになっています。
レコードデビューは1969年の「La Petite Fugue」(邦題:思い出のフーガ)でマキシムと二人で作詞しています。その後は弟と共に、ジョルジュ・ムスタキの支援を受けたり、一方ムスタキの舞台にバックボーカルとして出演したりしています。
この時代が青春だった方はピンとくると思いますが、1968年は有名なカルチェ・ラタンの五月革命のあった年です。この1970年ごろをピークに、ベトナム戦争反対を中心に、反戦運動ないしはそれまでの戦後体制への若者たちの問題提起や反抗、などが活発な時代でした。

彼女のスタイル・・・歌だけではなく生き方やファッションも含め・・・もこの時代を映したものだと感じます。
そして、トラディショナルなシャンソンファン・・・特に日本の・・・はジョルジュ・ムスタキやバルバラを筆頭とする「シャンソン・アンガージュ」以降の様々な文化、特にアメリカの文化を吸収していったシャンソンをあまり受け入れていない方が多いように感じますが?どうなんでしょう?
確かに、1950年代のシャンソンの美しさオリジナリティは、アメリカやイギリスなどのヒットチャートを賑わせていたものです。それだけ素晴らしい歌が多かったといえるでしょう。
しかし、アメリカ文化が世界を席巻していく中で、シャンソンもまたその波の中で変化していくのは当然だと思います。その中で、いかにもフランス~シャンソンらしい感性を持ち続けているカトリーヌの歌い声もまた記憶にとどめておきたいものです。


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