ラヂオ惑星モルファス

図書館は無料貸本屋ではない

最近図書館をよく利用します。
家の片付けをするとあまりの本の多さに圧倒されてしまう方は多いのではないでしょうか。私もよくぞこんなに本を買ったと思えるほど沢山あります。もっとも文庫本が多くていわゆる「蔵書価値」のある本は多くないですが。私は本は読むこと書かれている内容が問題なのですが、保守的なせいか新刊書を買うことはあまりありませんでしたが、それでも私なりに高価だった本も沢山あります。
とはいえ、興味のある高価な本をこれから購入するのは老い先短い身としてややためらうところもあり、図書館の利用が多くなります。
先日「意識はいつ生まれるのか」という脳科学の統合情報理論の本を借りましたが、半分くらい読んでややお手上げでした。その前に「独裁者は30日で生まれた」というヒトラー政権誕生の真相を書いた本を借りましたが、これは面白かった。

ところで、現役の頃行政改革の担当をしていたことがありました。もっとも、私は政策的な方針を定める役割でしたが・・・
少子化の中で高等学校の統廃合は必至でしたが、地域にとって或いは卒業生にとっては大問題です。なかなか進まない統廃合の目標を立案し実行に移さなければならない現場は大変な努力だったと思います。
同じように、図書館も統廃合の対象になりましたが、その理由はかつては極めて少なかった地域の図書館が整備されてきたので、都道府県レベルの図書館は統廃合し役割を変えていくべきとの論議でした。
議論の中で、私が主張したのは表題のような図書館は無料貸本屋ではない、地域の文化を守り育んでいくべきもので、ただただ新刊書をそろえるとかリクエストの多い本をそろえるのは地域の図書館に任せ、都道府県レベルの図書館は知的なセンターとしての役割に替えていくべきだ、であれば各ブロック単位に多数の都道府県立の図書館を維持するよりも郷土や地域の知的財産を確保する、その為には中央館の機能や役割を強化して各ブロック単位の館は廃止すべきではないか?というものでした。

武雄市のTSUTAYA図書館が話題になっています。地域の図書館としてこの方法は功罪があると思いますが、地域のニーズに対応していくことや地域住民の利用を拡大し知的好奇心などにも応えると言う側面もあります。その一方で、地域の書店が少なくなり本が買えないという状況も生じてきていますし、効率的な行政も求められるでしょう。
一概になにが良い、なにが悪いと決めつけるわけにはいきませんが、運営主体がTSUTAYAであっても、やはり単なる「無料化貸本屋」にならない地域における様々な知的な活動の拠点として機能すべきであって、そのための責任はやはり行政や地域住民が負うべきではないでしょうか?

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