少々間が開きましたが、ユーロビジョン・ソング・コンテストにおけるフレンチポップスの流れの続きです。前回に引き続きコンテスト開始2年目の1957年(昭和32年)の参加曲を追ってみましょう。今回の曲はフランスの参加曲で、優勝こそ出来ませんでしたが見事に2位となった曲です。
この年からは、エントリー出来るのは各国1曲のみとなりました。したがってフランスから参加したのは、このポール・デジャルダンの「La belle amour」だけです。というか、1956年は開始の年なので参加する国も少なく(イギリス、オーストリア、デンマークがエントリー曲の提出が間に合わず失格)、エントリー曲が不足したから・・・各国2曲参加になっただけ・・・ということでしょうか?
1957年の大会は前年優勝国のスイス(ロマンド放送局)が難色を示したため、西ドイツのフランクフルトで行われましたが、それ以降は前年の優勝国で開かれることとなりました。そうそう、大変注目すべきなのはベルギーです。スイスもそうですが、多言語国家の場合はその言語の放送局ごとに参加するので、ベルギーはオランダ語放送局とフランス語放送局の1国2放送局(どちらも国営)が参加しています。
ポール・デジャルダンは1922年生まれ、歌手を引退しランジェリーデザイナーとなりましたが1962年に亡くなったとのことです。このブログに載せた写真は1961年の10月発売のレイモン・ルフェーブルオーケストラとともにという「パリの歌特集」盤、引退記念なのかな?多分、日本はおろかもう本国のフランスでも彼女を知る人は少ないでしょうね。
この曲は、コンテスト当日の録画も沢山あるようですが、画質も音質も『記録』以上のものではありませんので、せめてレコードからアップされた方を聞きましょう。
La belle amour (feat. Paul Durand et son orchestre)